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紅の術者  作者: 結城光
第0章 異世界編
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第3話 説得

お父様登場です。

お母様は……



とりあえずこの異世界での最初の死亡フラグに立ち向かいに行って来ます。なんだかんだでティアのボディーガード(どうせ形式上だけど)をする事になった。それを報告するためにここの屋敷の大魔王と今から会うわけなのですよ。短かったな……俺の人生

少しは魔法も教えてくれないと、何かあったときに困るだろうが!! まぁ、マジでやばくなったら能力を使いますけどね



「あっ、言い忘れてたけどアンタがどっから来たかとかは私達以外には言わない事」


「えっ? 何でだよ?」


「考えても見なさいよ? ただでさえアンタの事を知らないのに、異世界から来ましただとか言ったらボディーガードどころか王都に連れて行かれるとかされるのよ?」


「まぁ、私にはそっちの方がいいです。イツキが民衆の前で首を切られる……」


「てめぇ病院行っとけ」



ホント、ヨミの言葉は容赦がない。人の事をけなしまくって何が楽しんだよ?



「さぁ、着いたわ」


「この扉の向こうが……?」


「旦那様の書斎です」



大きくて今まであった扉とは全く違う感じの扉。他の扉は人工の物で作られたようだが、ここの扉だけは木から作ってある。古びたような扉は、いかにもここの当主であるという事をしめしているようだった。



「開けるわよ?」


「いまさらだが、拒否権は?」


「「ない(です)」」



この状況を楽しんでるのではないか? とりあえずここから全力で逃げ出したいです

しかし俺の願望は一瞬で崩れ去った



コンコン 



「ん? 誰だ?」





●紅の術者

第3話 説得



「ティアです。入りますよ?」


「ああティアか、いいぞ」



その言葉と共にティアが部屋に入っていく。それに続いてヨミが部屋に入り俺は後ろを向いて、全力ダッシュの準備を……


(逃げたら分かってるな?)


ヨミさんコワいっす。ホント、逃げませんからその手を離して…… メイド服の中から何をお出しに……

ちょっ、それは俗に言うナイフと言うやつでは? ああ、そんな危ないものをこっちに近づけないで。入ります、入りますから


結局ヨミの攻撃により俺は無理やり部屋に入る



「おお、ティアどうした……おや? そこの男は誰だ?」



ほら、きたよこの展開。奥の机に座っている男が俺の顔を見るなり怪訝そうな顔をしながら言ってる。完全に頑固オヤジって顔しやがって



「彼は私が探し出してきた、ボディーガードよ。どうせまだ決まって無かったですよね? お父様?」


「確かにまだ決まってはおらぬが、その件はワシに任せろといっただろ」


「決まってないんですよね? お父様?」



おい、こいつあの頑固オヤジを黙り困らせたぞ? 何にも言えなっくって口をパカパカしているけど、あの人。威厳とかも全て壊してしまうティアにはいずれ最強説が立ってしまうだろう



「というわけで、これから彼にはここに住んでもらいます。もちろん、ルビニアに行く手続きやお金も全部払ってもらいますけど、よろしいですよね?」


「そんな男をお前のボディーガードとして置く事は反対だ」


「ーーッ!!……なぜですか?」


「どうせしっかりした家の息子ではないんだろ? それになんだこの貧乏そうな顔は?」


「確かに彼は無名の家の子供です。でも、実力は高いはずです。それに貧乏そうな顔のほうが私は好みです」


「フン、実力は高いはず? そんな事があるはずが無い。こんなさびれた顔をしていて強いはずがない」


「お父様の分からず屋」



この家は人をけなす事しか出来ないのか? 父親が父親なら娘も娘、俺の顔を批判しまくりやがって。ああそうですよ。この貧乏そうな顔は生まれるつきですよ。前の学校だって、初対面で「お前んち貧乏だろ?」とか普通に言われてましたけどなにか? 



「いいです、そこまで言うなら彼の実力を見せてあげましょう」


「いいのか? もし弱かったら、完全に彼は抹消されるのだぞ? 社会的な意味で」


「王都に送りつけます。冤罪をモロモロかぶせて。それでいいでしょ?」


「えっ……ちょっ……おま……」


「それなら受けてやらん事はない。だが負けたら、この件はワシが選んできたものにやってもらうぞ」


「いいです。上等ですとも」


「俺はそんな事で「黙ってなさい」……はい」



ティアさん、アンタの後ろに鬼が見えるよ。父親に向かっていくのはすごいと思うけど、俺をなぜ巻き込んでいる? 冷静に考えろよ


「30分後だ。玄関で待っている。もし遅れでもしたら」


「コイツを海に沈めるわ」


「お前いい加減にしろよ!? なに言っちゃってんの」


「アンタは黙ってて。じゃないとお風呂場でした事バラすわよ?」



風呂場でしたことって、あれは事故じゃん。別にお前の一部分狙ってやったわけではない。結果的にそうなってしまっただけだろ!? そんな言い訳も聞かないのは分かっていますよ……



「まさか貴様ウチの娘に……許さん、絶対に許さん」


「いや、待ってくださいよお父さん」


「出て行け!! なんでお前に父親呼ばわりされ無ければならないのだ!?」



そういい残すと物凄い勢いでこちらを睨んできた。もはやあの目は殺意がこもってるね。コワすぎるって

俺急いで部屋を出ようとして後ろのヨミに気づかなかったくらいだもん。結果的には少しブスリとやっちまっただけで済んだけど



「で、なんで俺があんな頑固オヤジと戦わなきゃならんのだ?」


「いいじゃない。勝てばタダで3食付の家に就職よ? それにアンタの知りたがってた事も分かるだろうし」


「いや、命かけてまでもやりたくないんですけど」


「大丈夫。骨は拾ってあげるから、心配しないで死んで来い」



ヨミさん、アンタは鬼畜ですか? その元気良く突き出した親指をへし折ってやりたいくらいですよ

どうせ出来ないけど



「30分あるなら少し魔法を教えてくれないか? 戦闘で使えなかった話にならないし」


「ええ、いいわよ。まずは系統から説明するわね」



そういってティアは右手を出す。そして次の瞬間5つの球体が出てきたのだ。



「時間がないから基本の5つだけ教えとくわ。今私の手の中にあるのがその5大元素よ」



燃え上がっている球体、水がうごめいている球体、風が圧縮されている球体、岩で出来た球体、バチバチと音を立てている球体。この5つが5大元素ねぇ。火、水、風、土、雷ってとこか?



「魔法が使える人、つまり魔法使いや魔術師は基本この5大元素は使えるわ。でも、その人によって得意不得意はあるから誰でも全て使ってるわけではないわ。私だって火と雷だけだし」


「どうやったら使えるんだ?」


「この程度なら詠唱無しでいけると思うから、イメージしてみて。自分の手の中に5つの球体があることを。そしてその1つずつを鮮明にしていくの」



イメージ、イメージっと。手の中に5つの球が出来るイメージ? いや、手の中じゃなくてもよくね?

例えば某魔法先生的に、俺の周りに何十個もの球体をイメージして。次にその全てを鮮明に…… 出来るわけねぇ!! なんで1つじゃなくって5つもやらなきゃいけねぇんだよ!!



「右上に火球10、左上に水球10、右下に風球10、左下に土球10。そして真ん中に雷球10」


「ちょ、ちょっと何してんの!? そんな適当な詠唱で出来るわけ……」



ボワ


「おっ」


「うそ……」



ボワボワーーーーー



俺の周りにイメージ通りの配置で球体が並ぶ。確かにコレはイメージの問題だわ。簡単に言ったら1つの球体に対して属性、形状、固定の3つのイメージをしているわけだから、普通だったら頭がパンクするわなぁ



「なんで……なんでこんな事が出来るのよ!? アンタ、ホントに初心者!?」


「異世界人ですから」


「もはや人間として扱えない。さらばイツキ」


「人間として扱おうな!?」



まぁさっきのは少し能力にも頼ったけど、これなら応用を利かせれば……

勝てる希望が少し増えた!!



「なぁ、詠唱とかってどういう感じ?」


「アンタに説明したくないわ……」


「じゃあ適当にやっちまうぞ」


「ウソよ、ウソ。アンタがやったら屋敷が吹っ飛びそうだし」



それは言いすぎだろ…… いくらなんでも俺がこの屋敷を吹っ飛ばすような大魔法が撃てるとでも?

といいつつも撃てるかも…… いままで見てきたマンガとかやつを能力使えば再現できるだろうし



「で、いつになったら詠唱呪文見せてくれんだよ?」


「ここでやったら屋敷が壊れるでしょ!? 外でやるのよ、外で」



そういって窓を開けるティア。一応ここは2階よりも高いです♪



「何やってんだよ?」


「いちいち降りるのが面倒だから、ここから飛ぶのよ。アンタも出来るでしょ」


「出来るわけねぇだろ!?」


「つべこべ言わずさっさと行く」



ちょっとヨミ、押すなって。いや、それはマジでシャレになんねぇ。そう言おうとしたのだが、彼女の早業はすでに俺の言語を話す時間を越えていた



「うおおおおーーーー!! 落ちてる!!」


「早く浮遊呪文唱えなさいよ」


「しらねぇから教えろよ!?」


「大丈夫です。アナタなら出来ます」



結局楽しんでるだけじゃないのか? こういうときの魔法っていったら〇のつか(ry

とにかく飛ぶ事を考えなきゃ……飛ぶ事、飛ぶ事……英語?



「それだ!! フライ!!」



その言葉と共に、まっさかさまに落ちていた俺の体が重力に逆らって浮き始めた。何とか助かりました。

殺されかけたのは真実ですけど



「知ってたんじゃない、浮遊魔法」


「違うわ!! 俺のほうの世界で飛ぶってのを英語で言ってだけだわ」


「エイゴ? また訳わからない事いうのね」



そうだった……こいつら知らないんじゃん

でも、やっぱり少しはこの世界もあっちと関係してるのか? それとも能力で……

それはまた後で考えればいいか。それより詠唱呪文を



「じゃあ詠唱呪文の説明をするわ」


「ティアさんカッコいいーーー!!」


「なんか調子くるわね……まぁいいわ。とりあえず詠唱呪文は4つに分ける事が出来るわ。まずは初級呪文。これは自分で形状を考えながら、属性を宣言すればできる。こういう風にねーーー火よ」



ボウッ


ティアの手に小さな火の球体が出来る。コレはさっき見た事だから別に無詠唱でも出来る。



「まぁコレはさっき見せたわね。次に中級魔法。これは属性も1つランクを上げて、その属性に何をさせるかをイメージしながらの詠唱になるわ。そして最後に技の名前を言う。コレは中級以上は絶対必要になる事よ」



『火炎よ龍と化せ。火炎の翼』



ティアが詠唱した途端、目の前に魔方陣が浮かび上がりその後火の龍の翼のようなものが迫ってくる。ってあぶねぇじゃん



「ちょっ、何やってんだよ!?」


「今の授業の復習よ。水の魔法で相殺してみなさい」



これ、どんな無理ゲー?

でも、迫り来る火炎の翼は止まらない。こうなったらさっきまでいたヨミに……っていない!? よく見たらいつの間にかティアの後ろに居てニヤニヤ笑っている



「ちっくしょう」



そういって手を前に出す。どうせ能力でちゃんとした詠唱じゃなくっても発動するんだし、やるしかないか。



『水流よ破砕せよ。水の咆哮』



イメージは瞬時に出てくる水。噴水とかみたいに勢い良く、しかし太く強い水流を叩きつける



ブシューー



ぶつかる火と水。魔法だから消えないかと思っていたが、結局魔力を触媒とした炎。燃え続けるための条件である温度を取ってやったため消えたのだ



「ホント才能あるわね、アンタ」


「そりゃどうも」


「まぁそれだけ使えれば大丈夫でしょ。そろそろ時間だし、行きましょ? イツキ」



ティアが俺の名前を呼んだ? 初めてじゃないか? はじめましてから数時間だがいつも“アンタ”ばっかだったような気がするんだけど……



「ほら、行くわよ」


「ああ、待ってくれよ」


「遅刻したら~イツキは……です」



聞こえなかった部分がむっちゃコワい……

間に合うよな?


俺は少しスピードを速めながら約束の場所へと行った





次回はティアパパとの対決です。この物語始まって最初のバトルです


感想とかくれたら作者が飛び回って喜びますのでお願いします

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