第34話 増えるのはキャラと問題だけ
ホントお待たせして申し訳ないです。
6月末までは定期更新していくので許してください!
ほらっ、4月とか色々ごたつくでしょ? それですよそれ
……ゴメンなさい
結局あの後、俺達は気まずい雰囲気の中学園へと帰った。俺はヤツの言った言葉が頭から離れずにそのままずっと黙り込んでいたし、ティアは俺が黙り込んでいるのを心配そうに横目で見ながら同じく黙り込んでいた。
ヨミはシルビアが居るという事で喋るのを控えていたし、シルビアはティアに敵対の視線を送りながら俺の顔色を伺っていた。やっぱり俺のせいで空気悪くしちゃってる感じかな?
でも……
『なぜワシがこのタイミングで復活しようとしたのかを』
ーーあの悪魔が
『みえ……ざる……手』
ーーあの男が
あんな言葉を残していきやがったからな。考え無いわけにはいかないだろう
そして極めつけはヨミから教えてもらったこの世界の成り立ち。俺をここにぶち込んだあの神様の言った事
何から何までが分からないのに、どこか裏で繋がっているような気がする。
俺は……これからどうなるんだ……?
●紅の術者
第34話 増えるのはキャラと問題だけ
「あぁ、おかえりイツキ君」
「おかえり~ん」
「あぁ、ただいま」
俺達が学園に着いた時、何故かセイウェンとアイリが校門の前で待っていた。俺は一様この休日に会った事は聞かせない方向で行こうと思い、普段どおりの顔をしながら接する。
だってこの状況はおそらく俺に対して降りかかってくる火の粉だ。余計な事を言って、他のヤツラを巻き込みたくは無い。
ティア達には俺が口止めしておいた。この事は絶対に話すなって
とりあえずこの訳の分からないのは、頭の隅において置こう
「今回のボディーガード仕事お疲れ様でした~」
「災難だったね。ティア君の家に誘拐が来るなんて」
「警備が薄いんだよ、警備が。あのおっさんに忠告しとけよ? 今回みたいな事が起こらない様にしとけって」
「えっ、うん。分かってるわよ」
少し表情が引きつっていながらも強気な態度を崩さないティア。でもセイウェンとアイリには明らかに不自然がられている。
一応フォローしといた方がいいのかな?
「何誘拐に会ったくらいでへこたれていますの、ティスティア? あんなの日常茶飯事じゃありませんか」
「ッ!! うっさい!!」
顔を真っ赤にしながらも反撃する。
ここでティアを怒らせたのはわざとか? だとしたらシルビアって意外に……
「ほらっ、イツキさん。手をお貸し下さいますかしら?」
「えっ、あぁいいぞ」
なんか良く分からんが、フォローしてくれた次は俺を執事扱いかよ。まぁ別にいいですけどね。紅のリーダーにしてティアのボディーガード兼みんなの雑用係のイツキ君は今日も元気ですよ~っと
「ありがとうございますわ、イツキさん」
とりあえず手を貸して、車からシルビアを外へ出す。
そして何故か知らんが、後ろから魔力が放出されている気がするのだが?
「ねぇイツキ」
「イツキ君ちょっと話がある」
はい、いつものお決まりパターン来ました。この状況下での俺への説明要求。どう考えたって、ティアの家に行って来たんだからティアに聞くのが定石だろ!?
毎回毎回俺ばっかりなんか言われてさぁ……でも逆らえないんです、女の子には
「イツキさん、この方々は誰ですか? ティスティアに並ぶ貧相な胸の女と、大きい剣を背負った野蛮そうな女は?」
「貧相!?」
「野蛮!?」
うすうす気が付いていたが、ティアがシルビアを嫌っていた理由が分かったような気がする。シルビアは自分以外の人間を下に見る様な傾向がある。今だって、アイリの事を貧乳とかセイウェンの事を野蛮とか。前者は本当だが、セイウェンはそこまで野蛮じゃねぇぞ。
「イツキ、今変な事考えなかった?」
「ソンナコトナイデスヨ?」
最近のゴタゴタで忘れていたが、コイツら皆人の心(俺限定)を読む力があったんだった。危ない、ホント危ない。これ以上変な事を考えるとまた面倒な事になる
「で、イツキ君。この本当に失礼な人は誰かな?」
アイリに続いてセイウェンまで怒りを顔に出しながら、俺に聞いてくる。一応俺と話すときは怒りを顔に出さないようにしているが、それでも怖い。本当に怖い
「ほらっ、シルビア自己紹介しとけよ。お前が貶した俺のチームメイトだよ」
一応お前俺に謝ったから、これ以上は変な事言わないよな? 今のはちょっとした挨拶だよな?
「あらっ、本当の事を言っただけで怒るなんてダメですわねぇ? アナタ方本当にイツキさんのチームメイトなんですか?」
「シルビア?」
「分かりましたわ、ちゃんと名前だけは教えて差し上げます。私の名前はシルビア・フォンレット。明日からアナタ方と同じ1-Sのクラスメイトですわ」
いかにもお嬢様って感じの雰囲気を出しながら髪をたくし上げるシルビア。ホントティアもお嬢様なのに、ここまで違うとは
正直言ってティアはお嬢様である事を忘れてしまいそうだが、シルビアは逆に忘れる事は無いだろう。そういう態度ばかり取っているからな
「悪いがイツキ君、頭が痛くなってきそうだから私は自分の部屋に戻るよ」
「ボクもそうしよう……」
怒りを通り越して……もう何も言わないであげよう。セイウェン達には明日フォロー入れとこ
ってか俺も自分の部屋に帰りたい。シルビアの相手をしているのは疲れるわ
多分明日からはもうすぐ始まる学年別トーナメントの為の特訓が始まるだろうし、今日くらいゆっくり寝たいんだよな
「私に恐れをなして逃げ出しましたか。まぁいいですわ」
「ティア、俺は自分の部屋に帰るからお前はシルビアを……」
といいながら後ろを振り返ってみるが、ティアはおろかヨミまで居ない。どうも静かだと思ったら、アイツヨミと一緒に自分の部屋に帰りやがったな!?
誰がシルビアの面倒を見るんだよ!?
「ねぇ、イツキさん」
振り向かない、絶対振り向いてなんかやるもんか
「イツキさん?」
あぁ、紅よ君を泣く。俺死にたもう事なかれ
何故か飛ばされし俺ならば(ry
「イツキさん!!」
「はいはい、分かった。分かったから」
「それじゃあ職員室まで連れて行って下さいませ」
俺の安らぐ時間はおそらく来ないだろうと、この時分かったのだった。
次の日は案の定ヤスラ先生に呼び出され、俺らはいつもの教室に居た。あの後俺は職員室まで付き添って即効部屋に帰った。しかしシルビアはわざと道を間違えるわ、あちこち見学したいだとか言って結局何時間も連れまわされた。
学園が無駄に広いんだから、転送用の魔法陣とか作れよな!!
という訳で俺はあまり寝ていません。本当に寝ていません
「みんな休日は堪能できたかな? って聞いても、多分半分以上がゲッソリしているって事は、色々あったのね。ちなみにヤスラ先生は久しぶりに酒飲んで、ダラダラ一日過ごしてましたよ!!」
『……』
「……はい。じゃあ、今日は少しトーナメントについてでも……」
ダダッダダダッダダ
「ん? 何か騒がしいわね」
ダッダダダダダダダダッダダダダダダダ
「待って、この音近づいて来てない?」
ダダダッダダダダダダッダダダダダダダッダダッダッダダダ
「ホントに近づいて来てるみたいだ」
ダッダダダダッダッダダダダッダダッダダダダッダダッダダダダダダッダダダ
「部屋の前で止まった」
次の瞬間、すさまじい音と共に扉が吹っ飛んだ。いや、何かの攻撃が当たって見事に砕け散っている。
魔方陣の展開もされているから、意図的にやったのだろう。俺は即座にガンドロフを剣の状態に展開して、扉の方に警戒心を向ける。
しかしそこに居たのは、自分の武器であるロングボウを持ったシルビアだった
「納得いきませんわ!!」
『へっ?』
俺ら全員が固まった。だっていきなり俺らの教室に攻撃して第1声が納得行かない? こっちが納得いかんわ!!
とりあえず武器とかしまえよな。絶対この音だけでかなりの野次馬達が来るから。授業中でも来るから。
「何故こんな方々が紅として入れているのに、私は違うんですの!? 何ですかあのチームは!?」
「えっと、どゆこと?」
「私はイツキさんと同じクラスだと思い、教室に行ったら生徒が5人しか居なかったんですのよ!? だから近くに居た男に事情を聞いたら、チーム別に授業を行っていると言われましたの。で、私のチームを確認しにいったら何ですの!?
『ブラッドムーン』ですって。血月って意味が分かりませんわ!! それに居るメンバーも訳が分からないヤツでしたし。私がティスティア知ってるって言ったら、キモくなるヤツまで居て……最悪ですわ」
それって絶対クロッドの事でしょ? あのチームに入ったのか、シルビアは。色々そのチームはそのチームで問題がありそうだな。まぁ俺達には全く関係ないことだが
チーム全員安心しているよ。お前がチームメイトになったら色々面倒な事が起こるからな
「いいじゃないか、お前達と俺らは戦えるんだぞ? トーナメントの時にお前の本気を見せてみろよ」
「ですが……」
何か色々複雑な気分になっているのか、あちこちを見ながらそわそわしているシルビア。
俺の後ろをチラチラ見ながらキッー! とか言い合ってるが、そこは無視だ無視。気にしたら負けだって、誰かが言ってた
「いいでしょう。私が勝ってあなた達にほえ面かかせてやりますわ!! フンッ!!」
全く訳が分からない。人の教室のドア破壊しておいて、最後は逆ギレとか……
まぁヤスラ先生以外の女達はみんな喜んでいるようだが。まぁいいんじゃない? 多分アイツらが勝ち上がって来るのなら、戦えるだろうし
「まぁいいんじゃないのかな? ボク達も勝ちあがれるなんて思ったら、大きな間違いだし」
「そうだな。私達も日々精進あるのみだ」
「なんですかこの連載打ち切りフラグ」
いや、打ち切りとか意味分かんない事言わないの。
「で、ヤスラ先生今日は何をするんですか?」
「まぁ色々としていくわよ。あと少ししか時間が無いんだから」
そういって教室にある黒板を使い始めたヤスラ先生。この教室で黒板を使うのは久しぶりってか、初めてじゃないか? 今までずっと訓練とかいって課外ばっかりだったから、この教室自体ほとんど使ってないし
「んじゃちょっとこっち見てね。まずは少しだけ魔法の理論を「今、いいですか? ヤスラ先生」……はぁ」
先生が説明しようとしたら、壊れたドアがあった場所をノックしながら誰かが来た。
いや、声で分かるよ。でもね、なんでこのタイミングで来たのか分からないから誰かって言ってるんだよ。
多分その後ろでガヤガヤ喋り声が聞こえるから、全員で来てるんだろうな
「何ですか、イオリ先輩?」
「まぁ少し話でもしようかと思ってね」
一応この話からは、学年別トーナメント編として区切りを付けていきたいと思います
一応前半部分の事を忘れさせるような展開にしていけるよう、頑張っていきます(`・ω・´)b