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紅の術者  作者: 結城光
第1章・1節 学園編
36/66

第31話 結局はお金持ち

ここの所、満足に執筆の時間が確保できない……


理由はテスト関係と、まじこいにはまってるから。後者はもうすぐ終わるけど、積んでたゲームを解消したりすると結構時間がいるから悩みどころ



10分後



俺はティアとヨミと合流して会場に向かう。会場の場所は当然ティアの屋敷の中。

しかしティアの屋敷の中といっても家の中ではない。ティアの屋敷の中にある施設の1つが大きなホール状になっていて、そこで開かれるらしい。


ここで余談だが、ティアの家には他にもたくさんの施設があって、想像を絶するくらいのお金持ちだ。だって普通に馬とか飼育してるか? プールとか持ってるか? 敷地内にビルが建ってるか? ありえんだろ、普通。いや、俺自体が普通じゃないからなのか



「ほらっ、さっさと来る。キョロキョロしない」


「分かってるからその手に隠し持ってる短剣をしまえ」


「あれっ、これはうかっり。ゴメン、ゴメン」



コイツどんなうっかりで短剣が出て来るんだよ?

俺が言わなければ、本気で後ろからブスリッだぞ!?



「うっかりついでにこっちもどうっ!」



コイツはメイドではなくて忍者ではないのだろうか? この世界に忍者が居るかは別としてだが。

短剣は接近されて弾かれると思ったのか、今度は袖に隠し持っていた手裏剣状の物に風の魔法をかけて飛ばしてくる

なんで俺はティアのボディーガードをしている時に、メイドから命狙われてるんだろうなぁ



「まだ弱い」



とりあえず魔力を一点集中展開して手裏剣を弾く



「ってかさぁ、何でティアを護ってる俺が命狙われてんの? ティアならともかく、護衛の俺を味方のお前がさぁ」


「目標を狙うには、邪魔なものは排除する。コレ鉄則。それにイツキとは仲間になった覚えが無い」


「ほら2人共、もう着いたからちゃんとしなさいよね」


「原因はお前だっつーのによぉ……」



平然な顔をしながら歩いてるティアが羨ましいわ。俺はお前の護衛やってるってだけで、クロッドと決闘だってヨミの数知れぬ攻撃だって受けてんだぞ 

色々してもらってるから、文句は言えないのだが


俺達はとりあえず会場になっているホールに入っていく。

流石はティアの家で開かれるだけの事はある。ホールの中には100人は越えているくらい大人数の人が集まっていた

それに服装はホントセレブという言葉が似合いそうなドレスやタキシードだ。

振舞い方も、俺とは全く違う。ホント、場違いってこういう時の事を言うんだろうなぁ


まっ、とりあえず魔力を人より多く出しておきますか



『ッ!?』



俺が魔力を少し開放した途端、その会場に居た全員が俺の方を見る。

俺はその視線を無視しながら、ティアと共に会場の中を進んでいく



「なぁ、ここの人達魔力少なくない? ってか魔力ゼロの人までいるでしょ?」


「だからって魔力をあんまり出さないでよね、私達はなれてるけど他の人が魔力酔いするじゃないの」


「いや、俺は場違いっぽいから舐められないようにな?」



とりあえず舐められないようにしないといけない。お前、ティスティア様の護衛から外れろ なんて言われたら色々面倒な事になるし

主に相手を俺が無双状態でぶちのめすだけなんだけどな



「あれっ? ヨミは?」



そういえば会場に入った辺りからヨミの姿が見えない。ここら辺でヨミから精神的攻撃を受けるはずなのに、何も無いのがその証拠だ



「あの子はアンタみたいに仕事があるじゃない。メイドっていうね」



あぁなるほど

そういえばヨミはメイドだったな。ティア専属だと思っていたが、違うのか?

それともこれだけの人数だから手伝いに回ってるのか? まぁ、攻撃されないから別にどっちでもいいんだけど



「さっ、そろそろ始まるみたいよ」


「始まるって何が?」



確かに会場が暗くなって、ざわめいていた人たちが静まり返る

そんな会場の雰囲気を見て、ティアは溜息混じりに言った



「シルビア・フォンレットの転入祝いよ」












●紅の術者

第31話 結局はお金持ち













こんな所にフラグが落ちてるなんて思わなかった。どっかの漫画みたいに道端でぶつかって、そのまま学校に行ったら転校生っていうのは知ってる。でもさぁ、こんだけ大きな屋敷の廊下でぶつかっておいて会場に護衛として行ったらそのぶつかった奴の歓迎会だったなんてありえねぇだろ!?


とりあえずフラグ回収だけは免れよう。絶対に会ったら面倒な事になる

俺の直感がそう告げてる。絶対にアイツには会うなと



「なぁティア、とりあえずここに居るだけでいいんだよな? アイツの近くになんか行かないよなぁ?」


「あったり前よっ! あの女に会ったら絶対にもめるし、それにアイツとは小さい時から性格が合わないのよ」



床に足を着けては離しの繰り返しをしながら言う。よっぽどシルビアの事が嫌いなんだろうな

さっき廊下でぶつかった時も、自分が偉いのに~ みたいな事言ってたし



「んじゃのんびりしてますかね」







イツキとティアが話しているところから少し離れた所に貴族の格好をした怪しげな男達が集まっていた

その中のリーダーと思われる男が静かに喋る



「以上が作戦だ。ターゲットが接触した時が狙い目だぞ」


「でもリーダー、大丈夫ですかねぇ? 相手は仮にもあのルビニア学園のSクラスの生徒と、そこに転入するお嬢様達ですよ?」



何人か居る中の1人が不安そうにリーダーに問う。確かにルビニア学園、しかもSクラスとなれば実力は格段に上のはず。裏の世界で生きてきたような自分達よりも数段強いのでは無いかと思うのは当然である


しかしリーダーはその質問を聞き、笑いながら答える


「なぁにどうせ裏で金が動いてるさ。もし仮に強かったとしても、こちらの人数はざっと30人。あの2人で防ぎきれるとでも? 幸いここの会場には魔法が使える奴が極端に少ない。あの2人さえ捕まえてしまえば金がいくらでも手に入るさ」



男はその言葉で安心する。たかが名家の令嬢。確かにSクラスに入っているという不安要素はあるものの、そこは財力で何とかしたのだろう。それに彼女達はまだ学園に入って1ヵ月、 ほとんど魔法なんて使えないはずだ



「要注意なのは横に居る男だ。入って来た時のあの魔力は危険だ」


「彼の対応はどうしますか?」


「俺が自ら相手をしよう。見てくれはターゲットと同じ学生だ。どうせ奴も魔力だけが多いだけだろうから俺の相手ではないわ」



こうして静かに作戦が行われようとしていた。

全ての計算を誤った作戦が









「ティア、俺は無性に暇だぞ」


「もう少し待ってなさいよ。これが終わったらすぐに学園に帰るんだからっ!!」



ティアが「これで1日デート権もなくなっちゃった訳だし……」と言ってた。これはデートではないと思うのだが?

ってかさぁ、とりあえずおいしそうな飯を目の前に食べちゃだめってどういうことよ?

確かにマナーとか知らないけどさぁ、少しくらい食べさせてくれてもいいじゃんかよぉ



「ほら、イツキこんな物を食わせてやる」



背後から妙な殺気が!? っと思ったわけでもなく、普通に後ろを向いたらヨミが立っていて俺の口に何やら肉らしいものを押し付ける。

不意に振り向き口を開けていた俺は普通に肉を突っ込まれた



「うがっ!? なにをっ……あれ? 普通にうまい?」



普通に噛んでしまったが、味は問題なし。ここでいつものヨミなら、唐辛子とかワサビとかを物凄いつけてぶち込みそうだけど?



「お前、ヨミじゃないな?」



そう言いながらヨミ的な何かを突っつく。

この無表情さはヨミと同じなんだけど、普通に俺に飯をくれたところがおかしいよな



「はぁ、たまに珍しい事をしたらこれですか」


「いや、だってヨミが普通に肉をくれるわけないし」


「お嬢様の護衛をしているあなたが倒れたら元も子も無いでしょう。私が本来なら護衛をしなければならないのに、生憎会場の手伝いをさせられているので護衛はあなたに任せるしかありません」



ヨミにしてはかなり雰囲気が違うな。やっぱりこういった会場だからなのか?

それとも本当に俺の事を心配してくれて……? いや、それは絶対無いな。ティアの事なら心配するけど、俺のことはむしろからかってるだけにしか思えん



「お嬢様、私はまた仕事に戻ります」


「この鬱陶しい式が終わったらすぐに帰るわよ。ヤスラ先生にも明日の朝までには帰るって言ってあるし」


「分かっています、お嬢様。この変態には気を付けて下さいよ」



そういうと慌しく仕事に戻っていった。

ティアはやれやれといった表情をしていた



「はぁ……少しくらいなら食べても良いわよ」


「マジか!? マジで良いのか!?」


「えぇ……後で一緒に食べようと思ってたのに」



ティアの思惑は叶わなかったようだ。帰る前に一緒に何処かで食事を取ろうと思って食べるなと言ったのだが、それではあまりにイツキが可愛そうに思えてきた

なにせ自分達は朝食こそ食べてきたが、昼食は移動中ということで食べれずに居たのだ


そこで自分のわがままでイツキをこれ以上待たせるべきではないと思い、食事を取る事にしたのだ

しかしティアは見ていなかった、そこに自分の大嫌いな彼女が居る事など



「ヤッベェ!! この肉うまいぞぉーーー!! うぉおおお!? こっちの魚はなんだよぉ!?」


「ちょっとイツキ!? はしゃぎ過ぎよ!!」


「こんなうまいものを前にはしゃがずに居られるかぁあああ!!」



こんな感じで俺は絶賛ハイテンションだった。だって考えても見ろよ? 貴族達が来るような所の食事だぜ? 普通の食事をしてきた俺にはうまいってレベルを超してやがる

確かに学園の飯もうまいけど、こっちのは完全に別格なんだよ



「もう少し落ち着いて食べなさいよ」


「いや、無理だね。こんなうまいもの、今度いつ食えるか分からないし」



そういって手当たり次第に食べ物を皿に取って行く。ティアも嬉しそうに見ながら、自分も食事を軽く取る。

軽くしているのはもちろん帰りに食事を取れたら取るためだ。以前から見ていて知っているがイツキの腹は底を知らない。おそらく自分が誘えばイツキは喜んで食事についてくる



「あらっ、アレは……」



しかしイツキは騒ぎすぎた。もちろん他の人達は、マナーなどをしっかり守り他の貴族と一緒に話している。そんな中にイツキのようにはしゃぐ奴が居たら絶対に目立つだろう


それでも他の貴族が注意しに来ないのは簡単だ。隣にティアが居て、楽しそうに会話しているから

しかしそれでも平気で近づいて来る者が1人居た



「これはごきげんよう、ティスティア」


「嫌な奴が来たわね」



あからさまに嫌な顔をするティア。そう言えばこの式が始まった時もこんな顔をしてたな

絶対に知り合いだと思うが、一応聞いておくか



「えーっと、誰?」


「私を知らないのですか!?」


「うん、全然知らんわ」


「ホント無知な方なのですね。って先程はぶつかっておいてもしっかりと謝りもしなかった殿方ではありませんか!?」



ぶつかったって俺が着替えに走ってた時だよな? えーっと後ろの方でギャーギャー騒いでた奴だろうから、あんまり関わらない方が良いと直感が告げてる

俺が好きじゃないタイプだ



「えーっとシルビアさん、だっけ? あの時は急いでたんだ、本当にゴメンな?」


「名前を覚えているならよろしいですわ。私もそこまで器の小さい人間ではありませんの。どっかの人と違って」



明らかにティアに対して敵対心を燃やしているシルビア。あ~絶対次に絡んできやがったら、さん付けなんかしねぇよ



「あらっ? いつまでもピーピー泣いてた誰かさんには言われたくないわね。いつも自分の家の名前を借りてしか何も出来ない無能なお嬢様」


「今の発言は聞き捨てなりませんわっ!! 私の事を侮辱する気ですの!?」


「あ~ら、侮辱してきたのはそっちが先じゃなかったけ?」



見えない火花が散っている。うん、おそらく男は見えない火花だろうねこれ

ってかシルビアの実力は分からないが、魔力はかなりあるぞ。ティアに負けずとも劣らない程にな

伊達にお嬢様は名乗ってないって事か?



「何? やるの? 受けて立つわよ」


「えぇ、アナタがその気なら私もやりましてよ?」



俺が帰れるまでにはまだ程遠いみたい……

次回はバトルの予感なのですよ

ティアとシルビアの関係の話は、今後話す機会があるでしょうし多分次回は話しません。



ところでこの小説を読んでたリア友に「そういやさぁ、まなかと大輔? アイツらどうなったのよ」とか言われて気付いたんですか、2人の話を入れようとしていて結局忘れていました。

もう、正直要りませんよね……? やって欲しいなら、そのうち番外編でやろうかとは思いますけど

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