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紅の術者  作者: 結城光
キャラクター紹介
3/66

第0話 始まり

オリジナル初投稿です

更新は不定期ですが、温かい目で見てください


「だりぃーー」


やっと3時間目の授業が終わって発した言葉がそれだ。毎日思うのだけどこんな授業とか受けなくってよくね? 疲れるし、だるいし、なんか面倒だし……

さっさと帰ってマ〇ジンを買いたいわけなのですよ。そんな楽しみがなければ、こんな学校なんて来てないね、絶対



「そんな事言ってるなよ」


「よう、モブキャラA」


「その扱いひどくねぇ!?」



正直紹介する気もうせて来るんだが……

コイツは俺のクラスメイトの1人、名前は西条大輔って言う。俺なんかよりもカッコよくって運動神経やらなんやらが物凄く良くって…… 羨ましいぜこのやろう

大して俺は本当に普通。特に特技があるわけでは無いし、あるとすればマンガから得た知識とかで普通ではない事も驚かない事くらいかな? 幽霊やなんかのオカルト類でも普通に対処できてしまう。



「どうしたんだよ? 俺は1人で現実逃避を楽しんでいたんだけど?」


「ただの妄想じゃねぇかよ。そんな事をしてなくって良いからとりあえず来いよ」


「来いって、何処に?」



そういった瞬間に大輔は時計を指差す。時刻は12時半、ちょうどお昼時ですね



「お前の嫁さんが待ってるぞ? 俺にゃあれは抑えられん」


「嫁って……アイツはただの幼馴染だぞ?」


「そんな事は気にすんな……って、早くしないから本人来たじゃねぇかよ」



その言葉と共にドアが一瞬軋んだような気がした。恐る恐るドアを見ると明らかに誰かが立っている。ドアのガラスに映っているシルエットは完全に俺の知っているアイツとそっくりだった。そして次に何が起こるのかも容易に想像できた



「イツキーー!! ご飯の時間でしょーーー!?」



勢い良く右回し蹴りが炸裂してドアが吹っ飛んでくる。俺はそれを予想していて大輔を盾にしながらすぐさま自分の席から離れる。アイツ完全に俺の席に狙いを定めてドアをふっ飛ばしてきたな? 見事直撃して俺の席が荷物と一緒に吹っ飛んで行ってやがる



「ゴメン、俺帰るわ」



そういって大輔を残して帰ろうとするとガシッっと肩を掴まれた。分かっていたよこの展開、クラスに居る連中だって少し哀れんだ目をしているだけで後は知らん顔。マジで薄情なクラスメイトだよ


「イツキ、いつも言ってるよね? ご飯と睡眠だけは絶対じゃまされたくないって」


「だったら俺と一緒に食べなけりゃいいじゃねぇかよ」


「ーーッ!! いいでしょ別に」



いや、よくは無いんですけど? おい、大輔。お前も笑ってないで何か言えよ。俺だけが物凄いかわいそうな人になってるだろ?

そういえばまだ言ってなかったがこの幼馴染こと上野まなかは暴食爆睡少女であり、この学年の中でもかなり上位の女子である。それゆえに友達が出来ないのか、昼飯を問わずこいつは俺達と行動している事が多い。何も喋らなければかなり美人だと思うけど、こいつの性格は物凄いことになっている。今の会話でも分かるだろ? 俺が物凄く苦労している事を



「とにかく行くわよ!! 購買のパンが無くなったらアンタのせいだからね!!」


「だって、大輔。覚悟しとけよ? お前の財布のが無くなるまで食われるぞ?」


「アンタに言ってんのよーーー!!」


「ゴメンなさい、ウソです。だから俺を掴まないで、ちょっ……そこは……」



その後俺は無残に散った事は言うまでもないだろう。





キ~ン コ~ン カ~ン コ~ン



「オワタ」


「さっさと帰るか? またお前の嫁が来て色々起こさないうちに。まあ俺的には、なにか起こしてくれた方が面白いんだけど」



コイツ前世は悪魔だろ? なぁそうだろ?

俺が不幸になってる事を笑いやがって。あーこれはもう処刑だね。明日朝早く学校に来て靴の中に画鋲作戦か、机の中にパンのくず作戦で行くしかないか?

とりあえず俺達は荷物をまとめ帰る準備をする。さっさとしないと、さっきと同じようになってしまう




「さてと、こっちは準備できたぞ?」


「俺も出来た」


その言葉を合図に俺達は席を立ち、さっさと下駄箱に向かう。俺は部活なんて入らないのは分かりきった事だが、大輔も部活に入っていない。普通だったら運動面ではかなり活躍できるから入るはずなのに……

聞いてみても、お前達と一緒に居た方が楽しいって言うだけ。どうでもいいけど


急いで昇降口に向かう。それこそ全速力で走ってるくらいだ。しかし……



「遅い!!」


俺達の思惑はかなわなかった……



結局一緒に帰ることになり、俺はもちろんまなかのカバンを持っている。



「ホント、退屈だよな」


「何がよ?」


「いや、お前らといる事じゃないぞ? むしろ楽しいくらいだ」


「おっと、俺は邪魔か?」


ケラケラ笑いながら少しだけ距離を取ろうとする大輔に俺は一発くれてやった。なにかをつぶやきながら

その場に倒れる大輔を俺とまなかは笑いながら置いて行った。



「そーいえば今日はマガ〇ンの発売日だよな?」


「えっ? ああ水曜日だったわね、今日」


「ちょっと、ファミ〇よって行くけどいいか?」


「じゃあ俺は菓子買って行くわ」



ちょっ、お前いつの間に復活しやがった!? てかどっから沸いてきた!?

俺の動揺をよそにまなかと大輔はファミ〇に入って行った。つくづく変人ばっかしか俺の周りにはいないのかよ?


ピローン ピローン

 


「ありがとうございました~」



俺はマンガを、まなかは飲み物を、大輔はありえないほどの菓子を買って店を出た。店員が会計する時に顔を引きつらせてたぞ?


「いやぁーこれで1ヶ月は買わんくっていいわ」


「マジで買いすぎだろ? お前」


「いやいやこれくらいデフォだぜ?」


どこの人間がコンビニ袋4つ分ものやつを買ってくる? しかも俺達が持っているのを合わせると12袋だぞ? 



「さーて、これを運んでもらおうかな」


「イヤよ。イツキ、これ持って」


「そんなもん持て……」



そう言いかけた時だった。目の前の車道に1つの赤いボールが転がってきたのだった。いつもの俺ならスルーなのだが……

そのボールを追いかけて、小さい子供が車道に走ってきたのだ。それと同時に車道にはトラックがすごい勢いで走ってきたのだ

どんなフラグだよ!? 気が付くと俺は荷物を全て投げ出して、走っていた。



「ちょっとイツキどうしたの!?」


「おい、イツキ!?」



2人の言葉が今は耳に入らない。急いで走り出し子供を突き飛ばした

当然トラックはすぐには止まるはずは……ない




「イツキーーー!!」



そして俺は“消えた”

とりあえずこっちの友達の出番はまだありますよ?

多分、忘れ去られた頃にですけど

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