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紅の術者  作者: 結城光
第1章・1節 学園編
24/66

第21話 帰還

アイリの秘密暴露の話を少しいじりました。人と魔族のハーフにしたいたけど、ハーレム前提のこの小説にこの設定は邪魔だったので。

だから、キャラクター紹介と8話を少しいじってあります


クエストを達成した後、俺達はさっさと学園に帰った。ヤスラ先生が手配してくれてた車で学園に帰ることが出来た。ってかこの世界に車あるんじゃん。なんでティアは馬車なんて使ってるんだよ!?

そんな愚痴も言う事も出来ず、俺だけは学園についた途端医療室に運ばれた。俺を除く全員はほとんどといっていいほど無傷だった。

俺だけはワキ腹に深い傷を負っていて、アバラ骨は数本折れている。火傷とか打撲は数えだしたらキリがないほどで、急いで水の魔法で結構な集中治療を受けた。そんなこんなで現在に至るわけだが……




「まだ体がいてぇよ」


「2日は安静にしていろって言われたじゃない。今日はちゃんと自分の部屋で寝なさいよ?」


「うげっ、自分の部屋か……」



そういえば俺と同室なのはクロッドだったな。またなんか険悪な雰囲気になりそうな感じがする

自分の部屋に帰りたくない……せめてどっかに避難したい



「ん? 自分の部屋に帰るのがそんなにいやなのか?」


「なんならボク達の部屋に来る? 偶然セイウェンちゃんと同じ部屋なんだよ」


「別に構わないぞ? イツキ君が来てくれてもなんら困らない。むしろ歓迎したいくらいだ」


「わ、私もいいぞ? 幸いヨミが同室だから」


「お、お嬢様!? なんでこんなゴキブリの如く生命力の強い奴と一緒にいなければならないんですか!? 分かってますか、こいつは夜になったらお嬢様の貞操を……」


「やんねぇから」



俺はただのヘンタイかよ!? あくまでクロッドに会うのが嫌なだけで、別にお前等の部屋に入ろうと思っているわけではないのだが。それに男子と女子を分けた意味が無いだろ?

少しは考えてくれよ。



「とりあえずは自分の部屋に帰る。なんかあったら連絡する」


「連絡ってアンタ携帯持ってたっけ?」


「ケータイ!?」



おいおい、どこまでここは科学と魔術が交差してんだ!? 某不幸主人公とインなんとかさんの物語が始まっちまうだろ。



「ああ、アンタは……待ってて、すぐに手配するから」


「いいのかよ? ケータイ高いだろ?」


「忘れたの? アンタは私のボディーガードでしょうが。届くのは明日だと思うから、1日だけ我慢しなさい」



腰に手を当てていかにも決めてやったぜ、と言わんばかりのポーズを取るティア。ボディーガードっていう仕事があったことを今の今まで忘れておりました



「ちゃんと仕事もしてくれたしね」


「ん? クエストならみんなでやったじゃねぇかよ」


「ッ!! バカッ!!」



いきなり怒り出さなくってもいいだろ。悪魔との直接対決は俺がやったけど、変な術者を倒した3人にかんじんな所で俺に炎の魔法をくれたティア、全員のおかげだろ? ティアには感謝してるんだけどな。あの時上級魔法を詠唱している時間なんて無かったし、多分詠唱に集中してたら攻撃を喰らっていたと思う。それを感じてたのかティアはジャストのタイミングで炎の魔法を悪魔ではなく俺に渡してくれた。

あの時悪魔に言わなかったのは、一瞬でも隙を作る為だったしなんかあそこの会話は成立してないよな



「ちぇー、さすがお嬢様だなぁ~。ティアちゃんずる~い」


「イツキ君の携帯がきたら私の番号を登録してくれないか? 友人の番号は1人も入っていないんだよ」


「わ、分かったから」


「ふん。イツキなんてそうやって他の女の子とイチャついてればいいわよ!!」


「そしてみんなから振られると。あっ、私のも登録してくださいね? メールやモーニングコールできませんから。いい意味で」



絶対嫌がらせするつもりだろ。

ティアはティアで分け分からん事で怒るし……



「なぁティア、俺がなんか悪い事したかよ?」


「そんな事くらい自分で考えなさいよっ!!」



ポクポクポク、チーン


なるほど分かったぞ!!



「ティア、ケータイが着たら真っ先にお前の番号を登録する。いや、登録させてくれ!! お前が1番最初じゃないといけないんだ!!」


「えっ\\ まぁ、それはいいけど……」


「いいなぁ。イツキ、ボクは2番ね」


「私は3番でいい」



どうやらいい感じで自体が収集できそうだ。ティアがなんで怒っていたのかは分からないけど、とりあえず1番最初にティアの番号を登録しないといけない気がしたから言ってみたんだがやっぱり当たってたみたいだな。そんな番号の登録順なんて関係ないと思うんだけど



「とにかく私達は部屋に戻るけど、絶対安静にしてなさいよ? 明日起こしに行く時に何かあったらただじゃ置かないから」


「明日起こしに来るのか!?」


「あったり前でしょ!! そんな体でどうするのよ!?」


「いや、人並みに歩けていますけど?」


「い、いいじゃない。とにかく起こしに行くからね。分かった!?」


了解ヤー……」



もうこれ以上ティアを怒らせるのは自分の命を削りかねないと思います。ええ、ティアさん最強です

なんたって俺のご主人様ですからね



「あ~、ボクも行くからね?」


「私もついて行こう」


「私は誰よりも最初に行って、布団だけ取って行きましょう」


「地味だな、オイ。結構寒いんだぞ、この時期でも」


「いいから、とりあえず安静にしている事。分かってるわね?」


「何度もくどい」



そういい残すと俺は自分の部屋に戻っていく。やっばり歩いていくと少しずつではあるが、体に痛みが走る。体を強化してくれたんじゃなかったのかよ。まぁ無理したのは俺の責任だったし、しょうがないって言ったらしょうがないけど。


自分の部屋の前に来たけど、扉を開けるのをためらってしまう。この部屋を使ったのは1日だけど、なんか入りたくねぇな

でもここに立ってるのもアレだしな……



「覚悟を決めるか」



そういってドアノブに手をかけて一気に回す。

部屋の中は……真っ暗だ







●紅の術者

第21話 帰還









「なんだ、クロッドは居ないのか」


「ここに居るだろ?」


「うおっ!?」



暗闇の中からクロッドが現れる。その姿からしておそらく寝ようとしていたのだろう、なんか普通のパジャマを着ている。



「た、ただいま」


「お前はいったい今まで何をしていたんだ? 昨日は帰らず何処で何をしてたんだ!?」


「もしかして心配してくれてた?」


「ばっ、バカを言え!! 僕はただお前が帰ってこなくなったら1人部屋になるから、それを楽しみにしていただけだ。決してお前の心配など」


「心配しなくも今日からちゃんと帰ってくるから」


「だから心配などしていない」



なんかクロッドと普通に話している。部屋に入るまではあんだけイヤだったのに、この部屋に入ってからは不思議といやだと思わなくなってるし。クロッドも初日と違ってトゲトゲしくないし



「まぁ明日には俺達が何をしたか分かるんじゃね? それを見てみれば俺がどれだけすごいか分かるぜ?」


「ふっ、僕にマグレで勝っただけで調子に乗って。言っておくが僕はまだお前の事を認めては居ないからな」


「分かってるって、今日からよろしくな」


「ふん、せいぜい1年間だがな」



つれない言葉を言ってもなんだかんだで同室を嫌がんないようになったのはいい事だわ。俺も俺であんな戦いはもうコレっきりにしたいし、こいつらとこの学園で生活をちゃんと送っていく事がどれだけ大切な事かわかったし。ちょっとは命の危険は感じたしな


とりあえず俺は制服のままベッドに倒れこむ。

思えば今日1日で物凄い戦闘したな。悪魔の手下を何体も殺して、悪魔すらも……

この手は悪魔を“殺した”手なんだ。言い逃れなど出来ない



「考えたって仕方ないか」



こんな世界だから多分この先も色んなものを壊していくだろう。誰かを助けるとか、守るとか、そういうきれいごとなんか言ってられないのが現実だ。げんに今日だってアイツをやらなければ、今俺は死んでいただろう。悪魔の問いに出した答え。偽善者になるくらいだったら悪を選ぶ事はそういう事だ。

俺はマンガの主人公みたいに善を貫く事は出来ないし、やろうとも思わない



「ダメだ、気が滅入ってきた。寝よ」



考えるのもうんざりして俺は眠りについた。






~次の日~




「……て」



何かが俺の体をゆする。痛みがそのたびに走るが、どうしても俺は体を起こす事ができない



「……きなさい」



ゆする大きさを増してくるが、俺は起きるどころかその痛みで逆に起きられない



「起きろなさいって言ってるでしょ、イツキ!!」


「ギャー」



とうとう痺れを切らしたティアが俺の体を布団ごと俺を地面に叩きつける。

もちろん俺は避けられるはずも無く、かといって受身も取れずにそのまま地面に叩きつけられる。



「さっさと起きろって言ってんでしょ!? こうやって私達が起こしに来てるんだから、さっさと起きなさいよ」


「イツキ、お~いイツキ?」


「なんならこの棒でつついてみましょうか?」


「みんな、イツキ君がけが人だって事を忘れてはいないかい?」


「「「あっ」」」



もう俺はイヤです







「そんなに怒らないでよ。ちょっとしくじっちゃっただけだからね?」


「……」


「イツキ、まだ棒でつついてないのになんで怒る?」


「……」


「イツキ、布団ごと地面に叩きつけたのは悪かったわよ。でもアナタが起きないのが悪いんじゃない。ねぇちょっとは機嫌を直して……」


「だらっしゃ」


「「「ひっ!!」」」


「てめぇらが安静にしろってうるさいからちゃんと寝てたらいきなり揺すられてよぉ、それだけでもかなり痛かったのになんでベッドから突き落とす!? 俺さあ、まだ体に痛みが残ってんだよね。それなのにこんな事されたら余計酷くなるっつーの。分かってる!?」


「「「……はい。ごめんなさい」」」



ズキズキとする体を摩りながら俺は3人を説教している。それも食堂で

結局ティア達は俺を朝食に連れて行こうしたみたいだけど、もうちょっと起こし方ってのがあるだろ。寝る前に変な事を考えていたから余計にストレス溜まってんだよ




「まぁイツキ君そのくらいにしておいてやろうよ。彼女達も悪気があってやったことではないのだから」


「頼むぜセイウェン。コイツらの悪乗り止められるのはお前だけだからな?」


「わ、私の事を頼りにしてくれているのか?」


「ん? もちろんだ」


「そ、そうか//」



セイウェンまでもがちょっとおかしい。いきなり顔が赤くなるし、今日は朝から散々だよ




「とにかく体が治るまでは慎重に頼むよ。お越しに来てくれるのは嬉しいからさ」



3人は静かに頷く。俺はその姿を見ながら静かにパンをかじる

うん、うまいけどしんどいわ。



「おっ、紅のみなさんおはよう」



今日の不幸はコレだけでは終わりそうでは無かったです


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