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紅の術者  作者: 結城光
第1章・1節 学園編
17/66

第14話 恐怖の旧館探索!? 1

リクエストがあったのでこちらでww



「じゃあ、コレにしよう!!」



そういって俺が手に取ったのは……



「ちょっと、旧館探索なんて無理に決まってるでしょ!?」


「いや、案外面白いかも知れないぞ?」


「お化けとか出たりして」


「お嬢様……」


「なんで無理なんだよ? ティア?」


「うっ……それは」



おそらくこの中で、このクエストに反対しているのはティアだけだろう。俺はこういった類のものはあっちでも結構見てたから大丈夫だし、セイウェンとアイリは面白がってる。ヨミは慌てふためくティアを見て何か悲しげな表情を浮かべているが、普段通りの表情なので大丈夫だろう。



「にしてもイツキ君。なんで旧館探索にしようと思ったわけ?」


「先生が言った経験値を稼げて、あんまり危なくないのはコレだと思ったからですけど?」


「それだったらモンスター駆逐の方がいいじゃないの?」


「別になんとなくですよ」



確かにヤスラ先生の言うとおりなのだが……正直このクエストで、誰かしらの泣き顔が見れると思ったからに決まってんでしょ!! 魔法が使えても所詮は女の子。絶対1人や2人は怖がってくれると思う。そしてそれがさっきの仕返しになるなんて言えないけど……

しかし、ティアがあんだけ怖がるなんて笑っちゃうよな。かなりお嬢様的な態度を取っていたのに、お化けとかが怖いなんて。



「クエストの受付は、ここの1階の奥にあるからね」


「んじゃ、さっさと行きますか?」


「ねぇ、イツキ。クエストを変えたりはしない?」


「えっ? ティア実はお化けとかが怖いのか!?」



わざと大げさに言ってやる。途端に顔が赤くなっていくティア。コイツ、変な所で負けず嫌いになるから笑っちゃうよな



「べ、別に怖いわけじゃない!!」


「じゃあ変える必要もないな?」


「……分かったわよ」



諦めたのか、目に少しの涙を浮かべながらティアが頷いた。俺は内心物凄く笑いながらも、みんなと一緒にクエストを受けに行く。







●紅の術者

第14話 恐怖の旧館探索!? 1









「では確認してください」



クエストの用紙と生徒手帳を見せると、受付のお姉さんが何かの手続きをしてくれて1枚の紙を渡してきた。そこにはクエストの内容と、俺達の名前が書いてある。



「チーム紅、現在クエストランクD。受注クエスト『旧館探索』でクエストランクBですが間違いないですね?」


「間違ってないッス」


「クエストの受諾をしました。依頼主にこの紙を見せるとクエストの詳しい内容などが教えてもらえ、終わった時にはこの紙にサインしてもらわないとクエスト達成にはならないのでご注意を」


「リョーカイ」



そういってクエストの紙を受け取る。後ろでは2人が興奮していて、もう1人がワナワナ震えていて、もう1人がそれを慰めていて……

我ながらシュールな光景だと思う。受付のお姉さんも顔が引きつってるし……

とりあえず俺達は急いでクエストの場所へ向かうべく、その場を離れる。








~校門前~



「じゃあ行くとするか?」


「やっぱ行かなきゃダメ?」


「いつもの強気なティアさんは何処に行ったのでしょうか?」


「ーーッ!? 分かったわよ、行きます。行きますから!!」



どんだけ怖がりなんだよ? なんかのモンスターかもしれないのに、そんなにビビる事か?

まぁ怖がってる姿もちょっとはかわ……



「で、闇の国ブラッシュに行く方法だけど……」


「それなのだが、1度首都まで行って転送魔法で飛んだほうがいいだろう。わざわざ他の方法を取ると、かなり時間がかかってしまうだろうし」


「なるほどな」



じゃあまた電車?に乗って首都まで行くのか……めんどくせぇ

幸い学校のすぐ近くに駅がある事が救いだが、ブラッシュって結構遠いだろうし、明確な場所はアッチに行ってからじゃないと分からないとか……



「ほらイツキ、早くしなさいよ」


「て言ってるティアは物凄く足がプルプルしてるけど」


「う、うるさいっ!!」


「イツキ……」



少しティアをからかったら首筋につめたいものが触った。そして後ろには人の気配が感じられる。こんな事するのは1人しか居ないけど



「な、なんだよヨミ……?」


「それ以上お嬢様をイジめるなら……もっとひどい事を毎日する」



殺しはしないんですね? さすがヨミさんです。



「分かった?」


了解ヤー……」



もはや軍人みたいに返事をしなければ死ぬような気がした。







~首都~




前来た時はガンドロフを手に入れた時だったか? さすがに学生ってか、俺達くらいの年齢の奴らは居ない。そりゃ、ほとんど学園に行ってるか。



「イツキ君。あまりキョロキョロしない方がいい」


「ん? なんでだ、セイウェン?」



少しキョロキョロしただけで、真剣な表情で止めてくるセイウェン。物凄く真剣な顔をするから、一瞬ビビッたけど



「私達の制服は普通の学生より少し違うのだよ」


「ああ、見て分かるよ」


「この制服は学園の生徒はもちろん、他の人たちから見ても私達がSクラスである事を見せ付けてるわけなのだよ。じゃあそんな私達が首都なんかでキョロキョロしてたら?」


「裏に連れてかれて、ボコボコとか?」



静かに頷くセイウェン。確かに俺達Sクラスは魔法に関して、一般人よりも優れている。しかし、それこそ裏の方の職業の人達にでも捕まったら……向こうはヤバイ人達の集まりなんだから、抜け出せる保障は無い。

やたら周囲を気にしていたら、まだ未熟で迷ったかと思われるってことみたいだ。



「ゴメン、気をつけるよ」


「分かってくれたなら嬉しい」



そこからは真っ直ぐ歩いていく。前みたいにあまり話もせずに一心に転送装置がある場所に向かっていく。途中でちょっとアレな人達も居たが、俺達はさっさと通り過ぎると舌打ちをして違う場所に行った。ホント、セイウェンが教えてくれ無かったら俺はアイツらと……

考えたくねぇな


そんなわけで俺達は無事に転送装置のある、首都管理局に付いた





「すいません、転送装置を使いたいのですが……」


「ルビニア魔術学園の方ですね? 生徒手帳を拝見させて貰ってもよろしいですか?」



俺は頷き、生徒手帳を見せる。すると受付の人は学園に通信しているのか、何か話しをしていた。俺達はその間少しだけ周りを見渡している。そこには転送装置の説明が書いてあった


転送装置は、魔方陣の上に乗っかって発動する魔法。1人から大人数まで転送が可能です。しかし、転送装置内には武器の持ち込みは不可能。事前に受付の人に封印処理をしてもらった箱を用意しておりますのでそこに入れてください。転送後、係りの者に言えば封印を解きます。



「お待たせしました、ルビニア学園1年Sクラス『紅』のイツキ・ジングウジさんとチームの方々ですね?」


「はい」


「学園から転送装置の使用許可が出ています。6番ポートまで行ってください。後、武器についてですが……」


「封印処理を行った箱に入れるんだろ?」


「説明の手間が省けて幸いです。では、こちらに武器を入れてください。」



そういって渡されたのは、旅行用の小さなバッグのようなものだった。俺達のってかティアとセイウェンの武器は大きくって入らないと思うんだけど……



「ご安心下さい。箱の中は拡張の呪文がかかっており、大きな荷物も入るようになっておりますので」


「なるほど」



そういって俺達はさっさと武器を詰める。

ん? なんか俺の態度が紳士的だって? そりゃ、知らない人に変な事をしたら死ぬ事確実だからな



そして俺達は言われたとおり6番ポートに行く。そこではちゃんと転送の準備がされており、後は俺達が乗るだけだった。



「お~すげぇ!!」


「はしゃぎ過ぎよ」


「いやっほい!!」


「アイリまで……」



そういって俺達はすぐさま転送装置もとい転送用の魔方陣に乗る。そうするとスピーカーからアナウンスが聞こえてくる。



「転送準備完了です。場所は闇の国 ブラッシュでよろしいですね?」


「「「「「はい」」」」」


「了解しました。転送………開始!!」



その言葉で魔方陣が発動したのか、俺達は光に包まれた……








~闇の国 ブラッシュ~





「転送完了」



一瞬の事で何が起こったのか分からないが、とりあえずは転送が終わったみたいだ。他にみんなも驚いている。



「とりあえず受け付けに行くか?」



歩いていくうちに、ここがフレイスでないことは分かった。なんとなくだが気候も違うし、街の建物も黒が主体となっている……



「お待ちしておりました、『紅』のみなさん。クエスト受注の紙を見せていただけますか?」



そういわれたので、ポケットに入っていた紙を見せる。



「はい、ではクエストの詳細がかいてある紙を渡します。」



その紙を貰うと俺達は箱を渡して封印処理を解いてもらい、武器を元に戻した。クエストの依頼主はこちらに向かっているとの事で、俺達は指定されているカフェに行った。




カランコロン



「いらっしゃいませ」


「人と待ち合わせするんで」



そういってクエストの紙を見せる



「かしこまりました。なにかお飲みになりますか?」


「コーラ」



(イツキ、この世界にこーらなんて飲み物無いのよ!?)



おっと忘れていた。ここは異世界でした

つい、いつものクセで……



「全員コーヒーで……」


「かしこまりました」



店員の顔が引きつっているのを俺は見なかった。見なかったから




幽霊は出てきません、多分……

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