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紅の術者  作者: 結城光
第1章・1節 学園編
13/66

第10話 実戦1

やっとキャラクターの名前が定着してきたような……


この話は第三者の視点で書いてみました。変だったら言ってください


side:ー



セイウェンとティアが自分の武器を手に持つ。セイウェンは後ろに背負っていた大剣。そしてティアはプラスチック製の杖。2人の武器にはそれぞれ青と赤の魔法石がはめ込まれている。

セイウェンは近距離型、ティアは中距離から遠距離型であるの少し不釣合いにも見えるが、そこはヤスラ先生の考えがあるのだろう。


2人は自分の構えを取ると、先生の方に目で合図した。



「じゃあ一試合目、よーーーい」



交じり合う視線。魔力がすでに集束されているのが分かるほどだ



「スタート!!」






●紅の術者

第10話 実戦1







瞬間ティアは距離を取ろうと、セイウェンは剣の間合いに入れようとしてそれぞれの行動を起こす。同時の行動だがすぐに差が出てくる。考えてみれば当たり前だ。セイウェンは近距離に入らないと自分の攻撃が当たらない。それゆえに相手に近づくという行動も長けているのだ。それに対してティアは自分が近づかなくても遠距離魔法で攻撃が出来る。たかがそれだけだが、その事が大きな差を生んでくるのだ




「行くぞっ!!」


「くっ『雷よ 雷壁となれ 雷の壁』」



瞬時に雷で壁をつくり攻撃を防ぐティア。しかしセイウェンはまだ魔法を使ってない。何度も攻撃を壁に攻撃を仕掛けていくセイウェン。その行動には意味があった



「私が得意な魔法は風なのだよ」


「だから何?」


「つまりこういう事さ!!」



少しずつほころび始めていた雷の壁に剣を差し込む。それは本当に剣の先程度の穴だったが壁を貫通したといえるものだった



『疾風よ その力で汝を切り裂け 風の刃』



剣の先から繰り出される風の刃は容赦なくティアを切り裂く。杖で防いでいるもののティアも全てを防げるわけではない。少しずつだが確実にティアの服を切り裂き、うっすらと血が滲んでくる。



「やっぱり強いわね、セイウェン」


「そんな事言ってて大丈夫なのか?」


「私もバカみたいに防いでいたわけではないわ」



杖をセイウェンに向けるティア。彼女の目は完全に何かやってやろうという目だ。



『火炎よ 雷撃よ 全てを焼き尽くす蛇炎へ 雷撃の加護を与えん 雷化の蛇炎』



自分が張っていた障壁までも飲み込む形で、杖から攻撃を放つティア。セイウェンもその威力を悟ったのか、自分から距離を取る。飲み込むように広がっていく蛇炎。そして雷の放電によって近寄る事もままならない。

それをティアは狙っていたのだ。



『風よ 吹き荒べ 嵐の暴風』



今までセイウェンの視界を覆っていた蛇炎に風が突っ込んでいく。彼女自身が前言っていた事だが、風の魔法は何とでも相性がいい。風は中級魔法を少し出来る程度のティアだが、2つの攻撃が連結した魔法には下級呪文で十分だった。



「ーーッ!? マズイ!!」


「もう遅いわ」



雷の放電をまといながら進んでくる蛇炎は、いくらセイウェンが障壁を張ろうとしても防げるものではなかった。1つは気づく事が遅かった事、そしてもう1つは風では雷の放電が防げない事にあった。

剣を使い、何とか自分の体に当てないようにするがそれも焼け石に水だ。瞬時に発動した風の魔法で少しは逸らしているが、それでも攻撃をまともに当たっているのには変わりは無い



「障壁があってこの威力か……さすがナフィー家の人間と言った所だ」


「お褒めにあずかり光栄だわ。でも、そういうアナタだって軽いやけどで済んでるじゃない。どういう事?」


「ホント流石だよ、君は。そんな君に、私のもう1つの得意属性を教えてあげよう」


「ふぅん」



そういうと手に風の魔法を停滞させる。もちろん無詠唱で

そしてもう片方の手には……



「なるほど、水ってわけね」


「水の特性は治癒。剣士にとって接近戦をしいるという事は、攻撃を受けやすいという事だ。そこで私が使い物にならなくてはいけないだろ? だからこの属性を会得したのだよ」


「確かに実用的だわ。でも、もっと攻撃に特化した属性を会得しようとは思わなかったの?」


「ふむ、それも一理あるが私は生憎1人で戦ってきたのでね」


「ご、ゴメンなさい」


「いや、別に気にしては居ないよ」


「はいはい、そういう話は後でしてね? 今は戦いに集中」


「「はい」」



すぐに戦闘体勢に入る2人。今までの空気に瞬時に戻る。



「悪いわね、私も本気で行かせて貰うわよ」


「私もウォーミングアップが終わった所だ」


「「行くわよ(行く)!!」」



しかし次に取った行動にセイウェンは驚いた。さっきは自分から距離を取っていたティアが、こちらに向かってくるのだ。幻影か何かかと思い、一瞬近づくのをためらう



『雷撃よ 我が杖を剣と化せ 雷の剣』



ティアの剣に雷の剣が形成される。ティアは確かに遠距離が得意であるが、近距離も戦えるように訓練されていたのだ。彼女自身別に近距離自体キライなわけではないのだが、遠距離からの大きな一撃の方が効率が良い事からそっちを選んだのだ。



ガキンッ!!



交わる刃と刃が交わる。セイウェンも剣士として修行を積んでいるので何とか反応する事が出来る。




「驚いたな、ここまでとは……」


「私は中途半端が1番嫌いなのよ。ただそれだけっ!!」



後から防ぎとして出した剣は、本来の力が十分に伝わらずにいた。その差によりティアがセイウェンを払いのける事が出来た。そこからは完全にティアのペースとなった



『火炎よ 汝を焼け 火炎流』


『雷撃よ 天より降りて 悪しき者に断罪の裁きを 審判の雷』



「くっ……」



止む事のない怒涛の攻撃。これが本来の彼女の姿なのだ。相手に攻撃する隙を与えず、しかし自分の攻撃を与える隙を作る。



「これで終わりにするわ」


「なっ!?」



その魔力は異常なほどだった。口でなど説明できるようなものではない。



「イツキには上級魔法が使えないって言ったけど、私本当は使えるのよ」


「はぁ!? なんでウソついたんだよ!?」


「言ったでしょ? 上級魔法が使える事だけでもすごい事なの。あの時、私はアナタを信用仕切っていなかったし、どの道こういう機会があるほうが説明しやすいのよ。それにあの時アンタに教えてたら、絶対変な呪文唱えてたでしょ?」


「うっ……」



イツキに説明を加えながらも、セイウェンに対する攻撃をやめない。Sクラスにいるという事は、すなわち実力が飛びぬけているという事。それを実感させる事だった。



『業火よ 迅雷よ 我が手に宿るは浄化の炎 我が手に宿るは全てを消し去る大いなる雷』



「上級魔法を本当に使ってくるとは……」



『共に交わり 共に消し去れ 奈落への導き』



それは一瞬であった。呪文を唱え終えたティアは杖を大きく振る。その瞬間に大きな魔方陣が展開され、セイウェンに向かっていく。彼女はなす術もなく、ただその攻撃をーー



ドンッ!!



「本気を出しすぎたかしら?」



着弾と共に完全に周りの土が根こそぎ吹き飛んでいく。



「ティアちゃん、これで終わったと思わないことよ? 相手はどんな手を使っているか分かったもんじゃないわよ」


「分かってますよ」



しかしティアは余裕の表情でいた。確かに上級魔法を使う生徒は、Sクラスの中でもごく一部だろう。しかし彼女は忘れていたのだ、このチームを見たときの先生がいった『異常』という意味を



「さて、終わりですよね?」



『豪雨よ 烈風よ 天より振りし 恵みの雨 彼方より振りし 瞬速の風』



「ッ!? この詠唱は!?」



『2つは1つとなり 新たな力を生み出さん 始まりの吹雪』



さっきティアが攻撃して、今だ土煙が漂う中にそれは現れた。全てを凍らせ、周りの攻撃は全てキャンセルされたようになってしまった。

ティアも油断していたため、杖が凍ってしまった。




「言っただろうに、私は風と水が得意だと。属性の派生系を知らなかったのかい?」


「なんで!? 上級魔法を喰らったはずよ!? なのにそんな元気で居られるはずはない!!」


「氷は鏡にもなる。君が見ていたのは氷に写った幻影だったのだよ」



あの時彼女は確かに攻撃を受けていた。しかし何もしなかった訳ではない。攻撃をかわしながら風と水の魔法を形成して、ティアが油断した時……すなわちイツキに説明をしていた時にそれを形成したのだ。ティアが放った魔法は、セイウェンに当たったのではなく氷に当たったのだった



「なるほどね……」


「君の戦闘スタイルなら私の作戦は、本来失敗していた。あの時気をそらさなければだがね」


「負けたわ」



そういって杖を見る。氷漬けになってしまった状態では、本来の力が出せるはずもなく、しょうがなく降参をするティア。



1回戦 セイウェンVSティスティア

勝者セイウェン




「はい、そこまでね。2人とも予想以上の実力よ」


「「ありがとうございます」」


「で、2人に聞きたいんだけど、上級属性は使える?」


「いえ、使えませんが?」


「私も基本属性で精一杯だったので」


「分かった♪」



そういうと一心不乱にノートに何か書き込むヤスラ先生。はたから見ていると怖いのは言うまでもないだろう。



「えっと、じゃあ次はヨミちゃん、アイリちゃん準備して」


「「はい」」



間を置かぬまま、次の試合を始めようとするヤスラ先生。地面は少しボコボコだが戦えないわけではない。一部を除いて……



「先生、あの穴はどうするんですか?」


「ああ、そうだったわね」


『土よ 修復せよ』



その言葉を唱えると、さっきティアが大きく開けた穴がふさがっていく。



「じゃあ修復も終わった事だし……」



そういって2人を見る。すでに2人は戦闘態勢に入っており、ヨミは短剣を、アイリは二丁拳銃を構えていた。2人はそれぞれ紫と黄緑色の魔法石をはめていた。



「では、レディーーーーー!!」


「行かせて貰いますよ? アイリさん」


「お手柔らかにね~」


「ファイト!!」
















紅 魔法辞典


雷の壁


密度の高い雷を常時放電、停滞させる事で壁を作る魔法。壁のみの役割だけではなく、放電による攻撃も可能


使用者:ティスティア・ナフィー



風の刃


無数のかまいたちの様なもので相手を切り裂く風の魔法。剣に縫わせる事で

本当にかまいたちを出しているように見せる事も可能。


使用者:セイウェン・コウラリス



雷化の蛇炎


中級魔法の蛇炎に中級魔法の電撃を縫わせた技。常時放電と熱が襲い掛かってくる。両方とも相殺しない限りどちらか、または両方の攻撃を受け続ける事になる。


使用者:ティスティア・ナフィー



嵐の暴風


強烈な風を発生させて、竜巻ごと相手にぶつける技。風属性は他の属性と相性が良いので、この魔法と違う魔法を掛け合わせてさらに強い魔法を使う術者も少なくない。


使用者:ティスティア:ナフィー



雷の剣


剣に雷を縫わせる事で、属性攻撃が出来るようにする魔法。しかし、威力は断罪の剣よりも劣ってしまいあくまで下級の補助魔法である


使用者:ティスティア:ナフィー



火炎流


火炎を相手にぶつける下級魔法。魔力を流しただけ火炎流が続くので、ザコ殲滅用として使われる事が多い


使用者:ティスティア・ナフィー


審判の雷


自らの魔力を媒体にして1度空に雷を集める魔法陣を形勢する。そしてその魔法陣を発動させると通常の雷の10倍以上の雷撃が対象者に襲い掛かる。別に空に展開させなくてもいいが、地上だと術者にも少なからず放電を浴びてしまう。


使用者:ティスティア・ナフィー



奈落への導き


上級魔法でも2つの属性を合わせているので威力も高い。右手に浄化の炎、左手に大いなる雷を宿し術式により双方を融合させる。その時に放たれる拒絶の力を術者の魔力で押さえ込み、そのまま相手に放出する。もし詠唱中にどちらかの魔法が制御できなくなったら術者は多大のダメージを負うことは確実である。


使用者:ティスティア・ナフィー



始まりの吹雪


水と風を合成して出来た派生技。威力も、上級同士を掛け合わせているので高い。直接攻撃をするのではなく、相手を凍らせるという目的が強い


使用者:セイウェン・コウラリス




次回はヨミVSアイリですww

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