第9話 相部屋
今回は、ちと短いです
「てな分けで私から少し授業に関して説明するわよ?」
「好きにしてください……」
俺はもう反論する事をやめましたよ。だって男1:女5だぜ? 俺が勝てるわけなんて無いだろ。
「授業は基本的にみんなと一緒の時間にやるけど、主に魔法の向上。個人的に教えるためのチーム制なの。教える事もたくさんあるけど、実戦とかクエストでの訓練もあるからよろしく☆」
「あの……クエストって私達受けてもいいんですか?」
「受けちゃいけないのか?」
クエストとかはこういう世界だから受けてくれって言われてるかと思ったのに、予想外の反応だ。
「実はだな、私達1年生は入りたてという事もあり禁じられているのだよ。確かクエスト解禁は3年生からだと聞いていたのだが?」
「確かに6年制のこの学校で、クエストを受けられるのは真ん中の3年生からよ。でも、それは一般的な生徒のみ。あなた達Sクラスは、学年こそ1年生だけど逸脱した存在ばかりなの。だからクエストも受けられるわ」
「クエストを受ける事で、なにかいい事があるのか?」
「クエストを成功させれば、もちろん報酬はもらえます。それと1つのクエストごとにポイントがもらえて、そのポイントがたまるとチームのランクが上がるの。チームのランクごとに受けられるクエストがあるから、注意してね?」
色々と決まりがあるんですね。さすが異世界。俺達もバカバカクエストやりまくって、いずれはランクSみたいなすごいクエスト受けるんだ……グフゥ
「とりあえず伝えたい事はそのくらいだから、明日からはいきなり授業を始めちゃうのでそのつもりで。では、解散!!」
なんかカッコよく決めましたけど、普通に言えばよかったんじゃないですかねぇ? とりあえずは説明が終わったみたいだから、さっさと職員室を出る。正直俺は職員室の雰囲気がキライなんだよ!!
●紅の術者
第9話 相部屋
「ところでイツキ君、ちょっといいかね?」
「なんだよセイウェン」
これから教室に帰って荷物をまとめようと歩いていた時に声がかかる。俺は歩く事をやめ、振り返る。
「君はいったい何者なんだ?」
「「「うっ……」」」
「あの魔力は普通ではない。私や他のものが風のうわさなどで知っていてもおかしくないほどにだ。なのに私は君の事は全く知らない。何処でどうやって今までいたのだ?」
痛いところをつかれました。セイウェンは、その高い魔力ゆえに何かをされてきた。その結果、人と全く関わろうとしなかった。俺も彼女と同じように魔力が高い。まぁぶっちゃけもっと高いけど、それは少なからず世間に知れ渡るだろう。無論セイウェンの事は、先生が知っていたみたいだし……
「いやぁ、色んな所を放浪してて情報が無かったんだろう。実際ティアに頼まれなかったら、俺は今でも放浪の旅に出ていただろうし」
「ふむ、なるほどな」
「ボクの様な子も、旅の中で会った?」
「いや、会わなかったぞ。ってか、そもそもオッドアイがダメだって事自体知らなかったし」
「じゃあさっき言ったのは本音で……?」
「当たり前だろ?」
途端に顔を赤くしてうつむいてしまうアイリ。なんかあったのか? とりあえず放置しておきますけど
そんでもって俺達は自分達のクラスに着いたわけで……
「じゃ、私達は帰るから」
「えっ、私達って?」
「女子と男子は寮が違うのよ!! そんくらい考えなさい、バカ!!」
「私も失礼するよ、イツキ君」
「また明日ね~」
「サヨウナラ、永遠に」
うん、俺は気にせず自分の部屋に向かうぞ。カバンに荷物を詰めて、さっさと帰る準備をする。身支度が整え終わるのはすぐで、俺は男子寮に向かっていったのだった。
~部屋の前~
とりあえず俺はこの部屋を破壊しようと思う。そしてついでにこの学校のお偉いさんも全て光にしようかと思う。だってそうだろ? この部屋割りありえねぇって
「なぜクロッドと一緒なのだ!?」
確かに言ったさ、男の友達が欲しいって。でもさ、コレはねぇだろ? 先生達が問題を初日から起こしやがったから、一緒に居ろってか!?
マジでブチ切れるぞ!?
「誰か居るのか……お前!? なぜここに居る!?」
「俺だって居たくねぇよ、でもな部屋割り見てみろよ!! 俺達が相部屋なんだよ!!」
「なぜだ!? なぜなのだ!? 僕はそんな事望んでいないぞ!!」
「俺もだわ、ボケェ!!」
「「やんのかテメェ(お前)!!」」
おっと、そういえばこいつになんでも言う事聞かせることが出来るんだよなぁ? 1回だけだけど使っちゃいますか?
「おい、クロッド。これから俺に対しての決闘を禁ずる」
「なっ!? 何の権限があって僕がお前の「さっきの決闘」……うっ、分かった」
フフフ便利だよ、この規則。またコイツの記憶改ざんして言う事聞かせてやろうか?
「とりあえず中に入らなければならないのか……」
「イヤなら別に、俺の1人部屋になるだけだからいいが?」
「冗談。お前が出てくんだよ」
「君は頭が馬鹿なのかい?」
「ヤンのか、ゴラァ!?」
やっぱコイツの相手は疲れる。いっそもう存在を消してやりたい。出来ないけど……
そんな時にヤスラ先生が来た
「こら2人とも、何やってんの?」
「「コイツと相部屋なんて無理です。変えてください!!」」
「い、息ピッタリ……」
もうね、イヤですわ
「とにかくこの1年はこの部屋で我慢しなさい。それとも特別事例を出して、上級生の相部屋探してあげようか? もちろん一般の方でだけど」
「「すみません、我慢します……」」
このSクラスは、多かれ少なかれうらやまれる。それはいい意味でもあり、悪い意味でもある。多分色々と面倒な事が起きるのは確実だ
「ならいいのよ」
そういってヤスラ先生は通り過ぎていく。この瞬間、俺達はルームメイトとして過ごさなくてはいけなくなったのだ。ヤスラ先生、覚えていてくださいよ……
「俺はテメェとの相部屋なんて認めねぇからな」
「僕もだ!!」
そういいつつ俺はさっさと荷物を置き、飯を食いに行った。そしてさっさと寝た。むしゃくしゃしてて何にも考える気にはなんないし。
そして俺は深い眠りについた
~次の日~
朝起きてみると、クロッドはもうすでに居なかった。どんだけ早起きなんだよ? まぁ俺は自分のペースを崩すつもりもなく、ちまちま服を着替えていく。そして制服を着終わったとき
バシャーン
「コラァー、イツキ何時だと思ってるんの!?」
「えっ!? ガンドロフ、今何時?」
<朝の9時だぞ、主>
授業が始まるのが8時50分だから……10分の遅刻ですね。だからなんですか!? 俺が起きなかったのが悪いとでも? 答えは否だろう? 起こしにこない君達が悪い
「さて、朝飯食いに行くか」
「んなこと出来るかーーー!!」
俺は散々怒られた挙句朝飯まで抜かれ、授業を受けに行く事になったのだった。
~チーム紅~
「てなわけで、初日から遅刻するバカが居ましたけど、授業を始めたいと思います」
「「「「ジッーーーーーー」」」」
さっきから視線が痛いです。やめて欲しいです。たかが10分、10分遅れただけなんですよ!?
みなさんもそういうことありますよね!?
「今日の授業は皆さんの実力やなんかを計るために実戦をしたいと思いま~す。組み合わせはこの通り」
そういって俺達の前に組み合わせの書いてある紙を出す
ティスティアVSセイウェン
ヨミVSアイリ
イツキVSヤスラ
「ちょっと待ってくださいよ、俺の対戦相手がバグってます」
「いいえ、アナタは私と戦うのです」
アナタ一応教師ですよね? 教え子ボコしていいんですか?
「アナタはいきなり転入してきた生徒。しかもSクラスのトップの方のクロッド君を倒したような実力者。私以外に戦えるわけ無いでしょ」
「一応拒否権的なものは……「ない!!」……さいですか」
「てことで、始めるわよ? ティアちゃん、セイウェンちゃん準備して」
「「はい」」
こうして第1回 チーム紅の実戦が幕を開けた