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紅の術者  作者: 結城光
第1章・1節 学園編
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第8話 チーム結成

アイリの一人称を“僕”から“ボク”に変えました。なんかクロッドとかぶりそうなんでww



「で、あと1人なわけだが……」



アイリが入って俺達のチームはあと1人入ってくれればチームは完成だ。でもさ、男が俺1人ってどういう事? 1人くらい男子が入ったっていいだろ? 

分かってるよ。入学式から決闘ぶっ放した奴なんかと一緒になんかチームは組みたくないと。男子だけではなく女子も近寄ってこないし……

もはや変人軍団となりつつあるのに、アイリが入ってくれた事は奇跡だろう。



「ちょっと、みんなの自己紹介でもしとく? ボクも色々教えておかないといけない事があるし」


「いや、もう1人入ってからの方がいい。みんなで自己紹介する手間があるし」


「分かった」



そんなわけでもう一度辺りを見回す。でも、やっぱりみんなチームを組んでいて残っている人など居なかった。てか、みんなチームの報告をしにヤスラ先生の所に行っており、残ったのは俺達だけだった。彼女を除いて




●紅の術者

第8話 チーム結成




「おい、あの人空いてるんじゃない?」


「そうみたいね……でも、私には近寄るなオーラ出してるわよ?」


「それはお前も「何か言った?」分かってると思ってたよ」



緊急回避をしなければ、ティアの後ろの杖から魔法が出てきそうで怖い。能力も使うわけには行かないし、神様もめんどくさい世界に行かしてくれたよ。でも、残っている人が居なさそうだ。

俺はすぐに近づいていった



「アンタ、まだ何処のチームにも入ってないだろ? 俺達のチームに入ってくれ」


「誰かと思えば、入学式から決闘を申し込まれた奴か。悪いが私はチームを組む気などない。他を当たってくれ」


「いや、他が居ないから頼んでいるのだが?」



教室の端っこにもたれかかりながら受け答えしている彼女は、少しめんどくさそうな顔をしながらも俺の顔をしっかりと見る。アイリとは違い、そこそこ大きい。Dくらいだろうか。髪の毛も黒で腰の辺りまであり、大和撫子って言葉が合いそうな人だ



「私はチームを組む気はないのだよ。君達で無くともね、だから諦めてくれ」


「なんでだ?」


「ふむ? なんでとは、なにがだ?」


「なぜ人と接しようとしない?」


「ーーッ!!」



彼女の目を見ていれば分かる。さっきも俺の顔をしっかりと見たが、目を合わせようとはしない。目を覗き込んでも、なにも感じない。まるで死者のように



「それは……君に話すような事ではない」


「アンタが関係ないって言っても無駄ね。俺はアンタをチームに入れるって決めた。だから頷くまでここを離れる事は出来ないな」


「傲慢なんだな、君は」


「いいだろ、そんなの」



ハァーっと大きなため息を付く少女。そして途端に壁やガラスが軋むほどの圧力がかかる。それは単純な魔力の放出。しかしここまでとなると、普通の魔力の3倍や4倍は軽くあるだろう。その魔力を放出して、彼女は俺の顔を見る



「君はこの魔力に何を感じる? 恐怖や恐れを感じるだろう。そして私を化け物だと思ってしまう。だからこれ以上私に関わるな、君のためにも」



その言葉を残し教室を去ろうとする。しかし俺はその手を掴み引き戻す。なにが起こったか分からない彼女は一瞬固まっていた



「いま、自分の魔力が化け物っつたよな?」



瞬時俺は魔力を解放する。さっきと同じくらいの魔力を。壁やガラスが再び軋み出す



「こ、これほどの魔力……」


「良かったよ……この教室に俺達だけしか居なくって。思う存分魔力が開放できるわ」



さらに魔力を上げていく。魔力による圧力は壁やガラスに亀裂を入れるほどだった。ティア達は障壁を展開して自分の身を守り、アイリは唖然としながらヨミの張っている障壁の中に居た



「どうだ? 自分の事が化け物だって? だったら俺はなによ。もはや化け物通り越して、神だな」


「うっ、ウソだ……私よりも遥かに魔力が高い……」


「まさか自分が1番だと思ってたのかよ? だったらいい言葉を教えてやるぜ、上には上が居るんだよ」


「イツキ、そこまでにしときなさいよ。相手が呆然としているじゃない」


「イツキがとうとう女を泣かせた」



そういわれて見てみると、確かに彼女が床に座り込み泣いていた。間近で魔力の開放の圧力を受けていたからだろうが、本人も魔力が高い事もありビックリしているほうが大きいだろう。しかし、彼女の目にはさっきのような目ではなくなっていた




「俺のチームに入ってくれるか?」


「はい……らせて……下さい」


「合格♪」



そういって彼女が泣き止むのを4人でじっと待っていた。






~10分後~



「すまない、時間をかけた」


「んにゃ、別に」



少しの時間で、冷静さを取り戻し普通に接するようにはなったわな。てか、泣いている時とかヨミからの攻撃がひどすぎる。女を泣かせた~とか言いまくるわ、横からちょこちょこつつくわ、お前は小学生か!? って言いたいくらい



「私はセイウェン・コウラリス。武器は後ろにある剣だ。よろしく頼む」


「ボクはアイリ・クラン。武器はここの2丁拳銃。よろしくね♪」


「私はティスティア・ナフィー。武器は見ての通り杖よ。これからよろしく」


「私はそのメイドのヨミです。武器は腰の短剣。不束者ですが、よろしくお願い致します」


「で、俺は「じゃあ早速先生に報告しに行きましょうか?」オイ!! 自己紹介くらいさせろ」



ヨミよ、俺にどんな恨みがあるのかは知らん。てか昨日会ったばかりだ。それなのにこの扱いはひどくないか? もっと人権について考えよう?

それとそこの女3人、クスクス笑うな!! 俺は至ってマジメなのに、なんでそんなに笑うんだーー!!



「なんですか? もう。やってないならちゃっちゃとやってください」


「そんな事分かってるわ。イツキ・ジングウジ。武器は分け合ってこの指輪が武器って事にしておくわ。どうせそのうち説明する機会があるだろうし。てな分けで、よろしく。」


「じゃあ一通り自己紹介も終わった事だし、ちょっといいかな?」



そういって俺達の前に立つアイリ。そういえばさっき、言いたい事があるって言ってたな



「私がこのチームに入ったのは、君が、イツキ君が規格外だったからだよ」


「俺が規格外?」



いきなり何を言い出すのかと思ったら、ヨミにでも汚染されたか?



「みんなには霧で見えなくしたつもりでも、私には見えてた。あの戦いがどんな風だったのか。だからね、君ならこの事を受け止めてくれると思って」



そういって自分自身に魔法をかけるアイリ。後ろから何かの尻尾が生えてきて、瞳は赤と青のオッドアイに変わる



「なんだよ魔族でオッドアイじゃん。そんなの関係ないだろ? ウチには何でもござれってんだ」


「違うわよ、イツキ……」



ティアがアイリを見て静かに告げる。そしてそれを見たアイリもなんとなくだが、諦めたような顔をしている。



「この世界は確かに種族への差別はないわ。でもね、こういう決まりもあるの。『魔族と神族が交わる事を禁ずる』ってね。そして赤と青のオッドアイは、魔族と神族が交わった時に出来た子供に見られる特徴なの」


「つまりボクは掟を破って生まれてきてしまった子なんだ」


「待てよ、何で魔族と神族が交わってはいけないんだよ? 差別とかはなくなったんじゃねぇのかよ」


「確かに差別はなくなったわ。表面上はね」


「今でも魔族を嫌う神族、神族を嫌う魔族は多い。過去に幾度も対立してきて相当な心の傷を負っているはずだよ。それはたとえ100年経とうが癒えるものではないのだよ。なんとか私達人間が仲介をして世界の均衡を保っているといったとこなのだよ」



神族と魔族は昔から対立したねぇ……

色々人間が手を回して何とか平和条約みたいなのを結んだけど、魔族と神族が交わる事を永遠ってわけではないけど禁じたってわけな。



「両親は掟を破った事によって処罰された。残されたボクは、魔族と神族のハーフという事でちょっといじめられたけど必死で耐えた。そしたら普通の人よりも魔力が高くって、技術も申し分ない。それで、この学園に来る事になったんだ」



涙をこらえているのが分かる。過去の事を話すだけでも物凄い、嫌な記憶が蘇ってくるのに……

俺達に話す事は、かなり辛い事だったと思う



「ゴメンね? 隠してて。やっぱ掟を破ったようなボクが一緒のパーティーだと迷惑だよね……ゴメン」


「誰が迷惑だって?」


「えっ?」


「お前は同じ事を言わせる気か? セイウェンの時もそうだけど、自分のことをけなしすぎだろ。もっと自分にムネを張れよ」


「張る胸なんてっ……ないよぉ……」



泣きながら冗談を言うアイリ。涙を流しながらも笑うアイリは全てを出し切ったような顔をしている。俺達は笑いながらもその姿を見ていた。







~職員室前~



その後俺達はチームの結成の報告をするためにヤスラ先生の元に行った。アイリは俺達の前以外では変装の魔法を解く事は出来ないと言って、元の姿に戻っている。オッドアイの方も可愛かったのに……


そんな事は置いといて、俺達は職員室の中に入る



「すいませーん、ヤスラ先生います?」



そう言って職員室の扉を開け、俺達は唖然とした。俺がいた学校の職員室は大きかったと思ったが、そんなものがバカみたいに小さく見える。職員室には、500人を超える先生が居たのだ。確かに何千人もの生徒を抱えているから、分からなくもないがいくらなんでも……

まぁ1年の担当の先生、しかもSクラスの担任という事でヤスラ先生はすぐに見つかったが



「先生、チームが組めました」


「君達が一番最後……って、やっぱこうなっちゃうか……」



俺等の顔を見ながら、悲しそうな顔をするヤスラ先生。しかもこうなるかって、どういうこと!?



「魔族と神族のハーフ、魔力が異常に多い、お嬢様とメイド、そしてボディーガード。どんだけ不安要素いっぱいなのよ!?」


「いや、こうなっちゃいましたから……」



まぁいわくつきのチーム結成ですわ。問題児3人も取り込むとかいい度胸してるぜ。



「まぁいいわ、私が顧問になる事だし」


「「「「「ええーーー!?」」」」」


「当たり前でしょ? こんなチーム、私以外が見れるわけ無いじゃない。そんな事より、リーダを決めなさい。」



すらっと大事なところを飛ばしましたよね!? なんですか俺達の担当が、学年主任でSクラスの担任って!? てか、ヤスラ先生なんであんなに年若いのに、お偉いさんなの?



「リーダー……イツキだな」


「イツキ君です☆」


「私は面倒だから、イツキで」


「お嬢様が言うなら仕方ありません。イツキでいいです……」


「先生、ティアがいいt「じゃあイツキ君で!!」なんで!? なんで俺の意見を聞かないの!?」



先生までもが俺の扱いを……俺の友達が出来るのはいつでしょう? 男友達が欲しい……



「じゃあチームの名前なんだけど、『紅』でどうかしら?」


「なんで紅なんですか?」


「リーダーのイツキ君の髪は赤ってか紅色でしょ? それに手につけているリングも紅色だから、なんとなく紅かなぁって」


「「「「採用!!」」」」



オイ、いいのかよ? チーム名そんな簡単に決めて?

しかしコイツ等に俺の意見は通るはずもなく、チーム名は『紅』になった


そしてこれが俺達『紅』の始まりであった







無理して2人のルートに少し入りました。この2人の話は、もう少ししてからちゃんとやる予定です。

そしてクロッドも出てきますよ? このチームじゃないけど、決闘の約束とかもあるしww

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