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究極の丘  作者: 低遅延
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 全てを成した先にある境地があるという。あるものはそれを武にみる。あるものは知に見る。それらの全てが混ざり合う場所が、我々の住む大地にある。


 ある山峰に横になる青年と見える男がいる。その場所は遠くから見たると尖りきっており、まるで針先のようである。ただそれは近くでで見たところでそう変わらず、人が横になるのは到底不可能である。人の上半身ほどの面積しかなく、事実青年は膝から先をぶらぶらとおろしていた。

「師匠様ー!」

 峰の少し下、まだ踏み場のあるところから子供の声がする。その呼びかけに対し、これまた峰の端から腕をひらひらとさせ返事をする。

「時間です!」

そう言われると青年は、上半身の力のみで反動をつけ、空中をふわりと舞う。そして正確にその子供の前に、羽が落ちてきたかのようなやさしい着地をする。

「行こうか」

そういうと青年はほぼ断崖絶壁であるその山をひょいひょいとこれまた兎ように降りていく。男は自らの力の一端も使わず子供を置いてけぼりにしないギリギリの速度で下っているようで、子供はそれについていくのに全力である。

 山を下っていくと近づいてくる、山腹あたりに天を貫く筒のような建物がある。それは塔でありながら、長細いのではなく長太いという言葉が適切であるような、塔にする必要があるとは思えないほど円周がある塔である。

 入り口に着くと、門番から敬礼があり、男は軽い会釈をしながら子供と塔に入っていき中央ほどにある少し段になったとこに登る。つま先をカンカンと床へ打ち付け「練武場へ」と男がいうと、段になった床がスウと中を舞い二人を「練武場」へと運んでいく。練武場の前に着くと、子供だけがおり、青年へ礼をする。それに対し青年も礼を返し、またつま先を打ち付け「ジジイたちのとこへ」と青年が言うと、また床は動いていく。


 この塔は「天塔」と呼ばれる、この地で最も天に近いと言われる場所である。

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