詩小説へのはるかな道 第92話 今日はちょっと違います
原詩: 今日はちょっと違います
いままでは 駅前の喫茶店で
同じ席に落ち着いて
いつでもブレンドを頼んでいました
でも今日はなんとなく
カウンターの端に座って
カフェオレを頼んでみました
マスターの眉が
驚いたようにちょっと上がって
笑ってしまうところでした
今日から読む文庫本
それはミステリー
いつもの恋愛小説ではありません
誰にも歴史があり
HIS STORY ー HISTORY
それぞれが謎を持っている
MY STORY ー MYSTERY
昨日の彼の言葉
今日から私は ちょっと変わりそうです
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詩小説: 今日はちょっと違います
駅前の喫茶店の窓際、二人掛け。
わたしはいつもそこに座ります。
そしていつものブレンド。
その繰り返しが、私の毎日を支えていました。
でも今日はカウンターへ向かいました。
端の丸椅子に腰を下ろすと、景色がいつもより高く見えます。
「カフェオレを」
自分の声なのに、他人のものみたいに響きました。
マスターの眉がふっと上がりました。
ちょっと驚いてなんともいえないような表情。
その顔を見て、わたしは笑いそうになりました。
バッグから取り出した文庫本は、恋愛小説ではなくミステリー。
昨日、彼が言ったのです。
「人ってさ、誰でも謎を持ってるよ。自分のことだって全部わかってるわけじゃないし」
その言葉が、胸のどこかに引っかかったままでした。
HIS STORY は HISTORY。
MY STORY は MYSTERY。
そんな言葉遊びを思いついて、ひとりでくすっとします。
わたしの物語も、今日から少しだけ違う方向へ進むのかもしれません。
カフェオレが運ばれてきました。
湯気の向こうで、マスターがぽつりと言います。
「いつもと違うのも、いいですね」
「ええ、ちょっとだけ」
どれだけ変わるのかは、これからのわたししだい。
わたしは本を閉じ、カップのカフェオレを見つめました。
謎を解くみたいに、これからの自分を少しずつ読み進めていけたらいい。
それが、彼と一緒に説く謎だといいな。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌:今日はちょっと違います
いつもの席
離れるだけで
風が変わる
丸椅子の高さ
今日のわたしを押す
カフェオレを
告げた声こそ
いちばんの
謎かもしれぬ
わたしの奥で
眉あげる
マスターの目に
映るのは
昨日より少し
知らないわたし
恋でなく
ミステリー開く
指先に
まだ名もない道
そっと触れたり
HIS STORY
HISTORY へと
ほどけゆき
MY STORY の影
MYSTERY と揺れる
湯気の中
「違うのもいい」
その一言
胸の引っかかり
やわらかくなる
読みかけの
未来のページ
閉じながら
変わるわたしを
そっと見守る
謎みたいに
自分を読む日々
はじまって
その隣には
彼がいればいい
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




