閉話 : 灯霧の庭の昼下がり
ドーラです。
少しずつ読んでくれる人が出てきた。でもこれくらい書くだけでもホント大変。
働きながら連載持ってる方を尊敬します。
灯霧の庭の奥、風が静かに流れる丘の上。空は淡く、霧は薄く、光の粒が舞っていた。 遠くには灯霧の滝がきらめき、空には淡い月灯が浮かんでいる。まるで記憶の中の風景のようだった。
ユウは鼻歌を口ずさみながら、霧の粒子を操って料理を作っていた。 その姿はどこか楽しげで、腰には――ピンク色のフリル付きエプロン。
「……ユウさん、それ……」 律が思わずツッコミを入れる。
「ん?これか?灯霧の縫い手に頼んだ特製エプロンだ。かわいいだろ?」 「いや、かわいすぎて逆に怖いです……」 あいがくすっと笑う。「似合ってるよ、ユウ」
ユウは得意げに霧の香草を振りかけながら、ふわりとしたオムレツを完成させた。 「さあ、灯霧オムレツ。霧の果実ソース付きだ。初めての味がするぞ」
律は一口食べて、目を見開いた。 「……うまっ。なんか、甘いのにちょっとぴりっと不思議な味がする……」 あいもそっと口に運び、目を細める。 「……うま。……」
ユウは霧の粒子でランチマットを広げ、三人は並んで座った。 空には灯霧の光がゆらゆらと漂い、まるで澪の記憶が見守っているようだった。
「律、顔がちょっと柔らかくなったな。張り詰めてばかりだったからな」 ユウがそう言うと、律は少し照れたように笑った。
「……あいとユウさんのおかげです。」
あいが律の手をそっと握る。 「律が笑ってると、澪も安心すると思う。……私も、嬉しい」
ユウは立ち上がり、霧の粒子で小さな風船を作ると、空に放った。 「よし、次は灯霧のフルーツタルトだ。霧の果実は、願いの味がするからな」
律が空を見上げながらぽつりと呟く。 「…願いの味って。…やりすぎでは」
あいが微笑みながら。 「灯霧の庭って、怖いこともあるけど……こういう時間もあるんだね」
ユウがタルトを配りながら、ふふっと笑う。 「戦うだけが灯霧じゃない。新しい思い出や冒険譚を作るのも、大事なことだ」
三人の笑い声が、灯霧の庭に優しく響いた。 それは、戦いの前のほんのひととき。 記憶と願いに包まれた、静かな昼下がりだった。
ユウは実は茶目っ気たっぷりみたいな感じにしたくて閉話を挟みました。
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