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第11話:願いのかけらと新たな力

ドーラです。今回ちょっと長めに書いてます。

少しなろうっぽくなってますか?

導標の光が強く瞬き、灯霧の粒子が渦を巻く。その中心に、澪の記憶のかけらが浮かび上がっていた。


律はゆっくりと手を伸ばす。灯霧の粒子が指先に触れた瞬間、澪の声が微かに響いた。


「……誰か、助けて……」


その声に、律とあいは息を呑む。粒子の中に、澪が幼い頃に抱いた願いの断片が揺れていた。


「あれは……澪の記憶の断片かもしれない!!!」


律が目を見開く。灯霧の粒子がさらに強く脈動し、空間が震える。


「願いが強すぎる……記憶が守られてる……」


あいが警戒するように霧の流れを読む。「この先に、澪の“核”があるのかもしれない。でも、記憶が歪んでる……」


その言葉の直後、灯霧が激しく揺れ、空間が歪む。律の願いに呼応して生まれた巨大な影が姿を現した。


「来る……!」


律が「星閃・双翼・連閃」を展開。折り紙の刃が連続で閃き、影に向かって放たれる。しかし、影はその攻撃を霧の盾で受け止め、律の前に迫る。


「くっ……硬い……!」


あいが「記憶修復・環結・双環」を展開。霧の輪が律を守るように広がるが、影の力はそれを押し破る。


「律、下がって!時間を稼ぐ!」


あいが前に出て、「記憶修復・花環」を連続で展開。霧の花が影の動きを封じようとするが、影は澪の声を模して囁く。


「律……助けて……」


律の動きが止まる。「澪……?」


「違う!それは記憶の歪み!」


あいの叫びで律が我に返るが、影の一撃が律の胸元をかすめ、地面に倒れ込む。


「ぐっ……!」


あいが必死に霧を操り、影の動きを止めようとする。


「お願い……もう少しだけ……!」


その時、律の折り紙が淡く光り始める。灯霧の粒子が彼の周囲に集まり、新たな型が生まれようとしていた。


律は目を閉じ、澪の声を思い出す。


「誰か、助けて……」


その願いに応えるように、律の胸に熱が灯る。


「俺は……澪を守りたい。あいを守りたい。誰かの願いが歪む前に、俺が断ち切る……!」


灯霧の粒子が律の折り紙に吸い込まれ、刃の形が変化する。光の翼が折り重なり、中心に鋭い閃光が宿る。


「これは……星閃・双翼・煌閃……!」


律が立ち上がり、折り紙を重ねて放つ。刃が光の翼となって影を貫く。


「通った……でも、まだ……!」


律は影の動きを観察する。霧の盾の再生速度、攻撃の間隔、澪の声を模すタイミング――すべてが“願い”に連動している。


「……歪みが深い。だけど……あの歪みの中心を断てば……」


律は折り紙を再構成し、霧の流れを読みながら「煌閃」を放つ。影の胸元に一瞬の隙が生まれる。


「そこだ……!」


律が「星閃・双翼・終閃」を試す。


この技は、折り紙の刃を中心に灯霧の粒子を螺旋状に纏わせ、刃の周囲に光の翼を形成することで、対象の“願いの核”を狙い撃つ形態を持つ。


刃が放たれる瞬間、翼が広がりながら粒子を収束させ、願いの波動が最も強く集中している部位へと突き刺さる。


「星閃・双翼・終閃……願いの核を断ち切る、灯霧融合型の刃……!」


刃が影を貫き、霧が一瞬だけ静止する。


「やった……!」


律とあいの目に希望が灯る。しかし――


「……ッ!」


影の体が震え、霧が逆流するように集まり始める。影の胸元から黒い灯霧が噴き出し、形を変えていく。


「再生してる……いや、強化されてる……!」


影の輪郭が鋭くなり、腕が二倍に膨れ上がる。霧の密度が増し、空間が軋むような音を立てる。


「律、下がって!」


あいが「環結・試型」を展開し、霧の輪で律を守る。


「律……お願い、負けないで……!」


影が巨大な腕を振り下ろす。防御の霧が軋み、律の足元が崩れる。


「くそっ……!」


その瞬間、霧が裂けるように光り、鋭い閃光が走る。


「間に合ったか」


ユウが姿を現し、「灯心・断閃」を放つ。霧の刃が影の腕を切り裂き、律とあいを守る。


「ユウ……!」


「今は話してる場合じゃない。行くぞ、律!」


ユウと律が連携し、「星閃・双翼・煌閃」と「灯心・断閃」を交互に放つ。影は徐々に追い詰められていく。


「今だ、律!」


ユウが最後の一撃で影の動きを止める。


律が折り紙を重ね、全霧を纏わせて放つ。


「星閃・双翼・終閃!!」


光の刃が影を貫き、霧の中に消えていく。


静寂が戻り、澪の記憶のかけらが淡く光る。


「……やった、のか?」


律が膝をつき、あいがそっと寄り添う。


ユウは静かに頷いた。「これで、記憶の核に近づける」


灯霧の粒子が優しく揺れ、次なる旅路を照らしていた。


律はゆっくりと立ち上がり、霧の中に浮かぶ澪の記憶のかけらを見つめた。淡い光を放つその粒子は、まるで澪の願いが形になったように静かに揺れていた。


「……これが、澪の記憶……」


律がそっと手を伸ばすと、粒子が指先に触れ、微かな温もりが伝わってくる。


あいが隣に立ち、微笑む。「守れたね、律」


律は頷き、少し照れたように笑った。「あいがいてくれたから、ここまで来られた」


ふたりは並んで記憶のかけらを眺める。灯霧の光が彼らの表情を優しく照らし、静かな達成感が空間を包んだ。


「澪の記憶、きっと全部取り戻せるよね」


「うん。これからも、一緒に進もう」


灯霧の粒子がふたりの願いに応えるように、さらに柔らかく揺れた。

少しストックもできたかな?1週間分書くのってこんな大変なんだな。

皆様の応援や評価のモチベが大事だな。と感じました。

この2話分くらいから少し工夫ポイント変えてます。ぜひ楽しんでいただければ

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