第10話:記憶の核へ向かう誓い
ドーラです。
ちょっとほかの作品見ながら「なろう系」とは、と思ってます。楽しんでみていける書き方の研究は続く・・・
律が目を覚ましたのは、灯霧の粒子が静かに揺れる場所だった。頭が重く、体の芯に残る痛みが、さっきまでの戦いの激しさを物語っていた。
「……ここは……」
隣であいがゆっくりと身を起こす。彼女の瞳もまだ揺れていた。
「律……無事?」
律は頷きながら、周囲を見渡す。導標の光はまだ淡く瞬いているが、模様が微かに変化していた。
「あれは澪の記憶の断片かもしれない!!!」
律の声が灯霧に響く。あいがそっと霧を撫でる。
「記憶のかけら……まだ残ってる。模様が少し変わってるけど、導いてくれてる」
律は拳を握りしめた。
「……あの男……何者なんだ。顔に影がかかってて、表情も見えなかった。あい、何か知ってるか?」
あいは少し考え込むように目を伏せる。
「……わからない。でも、あの人……願いの波動に引き寄せられて現れた気がする。澪の記憶じゃなくて、私たちの“願い”に反応してた……そんな感じ」
律は静かに頷いた。「強かった……今のままじゃ、澪を守れない。このままじゃダメだ」
ふたりは導標の示す方向へ歩き出す。灯霧の粒子が道を描くように揺れ、記憶の核へと続いている。
律は歩きながら、折り紙を折っていた。指先に集中することで、心の揺らぎを整えているようだった。
「もっと強い型が必要だ。星閃・双翼だけじゃ、歪みを断ち切れない」
あいも静かに頷く。「私も……ユウとの特訓で、まだ“記憶修復・環結”が完成してない。澪の記憶を守るには、もっと深く灯霧と繋がらなきゃ」
霧の奥から、再び影が現れる。今度は複数の影が、澪の記憶の断片を囲むように漂っていた。
律が「星閃・双翼・連閃」を展開。折り紙の刃が連続で閃き、影を切り裂く。だが、影は澪の声を模して囁く。
「律……助けて……」
律が動きを止める。「澪……?」
あいが叫ぶ。「違う!それは記憶の歪み!」
律が歯を食いしばり、「星閃・双翼・散華」を放つ。刃が花のように舞い、影の囁きを断ち切る。
あいは「記憶修復・花環」を展開。霧の花が記憶の断片を包み、澪の声が微かに戻る。
だが、影の数は多く、ふたりは徐々に押されていく。
律が叫ぶ。「このままじゃダメだ……もっと、もっと強くならなきゃ……!」
あいも「記憶修復・環結」の未完成の型を試す。霧の粒子が不安定に揺れながらも、記憶の断片を守ろうとする。
「ユウ……今なら、あなたの言葉が少しわかる気がする。願いを繋ぐって、こういうことなんだね」
影の一体が突進してくる。律は「星閃・双翼・裂閃」で迎え撃つが、刃が弾かれる。
「くっ……この影、さっきのより硬い……!」
あいが「環結・試型」を展開。霧の輪が広がるが、影の干渉で崩れかける。
「まだ安定しない……でも、やるしかない!」
律が折り紙を重ねて「星閃・双翼・重閃」を発動。二重の刃が影を貫き、ようやく一体を撃破。
「やった……でも、まだいる!」
あいが「記憶修復・環結・双環」を試みる。二重の霧の輪が記憶の断片を守り、澪の声が少しだけ鮮明になる。
「律……あい……ありがとう」
影が霧に溶け、導標の模様が新たな方向を示す。
ふたりは息を整えながら、静かに頷き合う。
「澪の記憶の核……そこに、答えがある」
灯霧の粒子が優しく揺れ、ふたりの願いを包みながら、旅路はさらに深く続いていく。
あいも「記憶修復・環結」の未完成の型を試す。霧の粒子が不安定に揺れながらも、記憶の断片を守ろうとする。
「ユウ……今なら、あなたの言葉が少しわかる気がする。願いを繋ぐって、こういうことなんだね」
影の中心に、再び導標の光が強く瞬く。
律が最後の力で「星閃・双翼・閃華」を放つ。刃が光の粒子と融合し、影を貫く。
あいの「環結」が一瞬だけ安定し、澪の声がはっきりと響いた。
「律……あい……ありがとう」
影が霧に溶け、導標の模様が新たな方向を示す。
ふたりは息を整えながら、静かに頷き合う。
「澪の記憶の核……そこに、答えがある」
灯霧の粒子が優しく揺れ、ふたりの願いを包みながら、旅路はさらに深く続いていく。
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