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詩&詞(作詞企画関連含む)

金の蝶 ― goldene Schmetterlinge

作者: momo_Ö

 




 暗い暗い闇

 分厚い本の頁を捲って

 そこに何も描かれていなかったときの

 紺青の黒



 少女は掬う

 冷たい掌に白金色の光を灯して

 水面に揺蕩う金の軀を



 立ち上る燐光の粉

 余花の一条を

 湖水の凪へ落としながら



 顔も映らぬ水鏡

 宵闇の影に差し入れた手を

 稚き心を抱くようにして

 掬い上げ

 浮かばせ



 底の無い空へと

 点々と撒かれた星屑

 手元を明かすことなく

 ただ音無く散る

 金の蝶たち





 goldene Schmetterlinge in dem Mitternachtsblaue mit Sternen besät

 ――星散りばめられた真夜中の青に浮かぶ金の蝶









お読みいただきありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 掬う掌の水面に揺蕩う金の軀。立ち上る光る燐粉の傍らで、凪の湖水へと落ちていく一条の余花。深い空にちりばめられた星屑とともに、音もなく空に消えていく金の蝶。 夢見鳥とも呼ばれる蝶が舞う春の…
[良い点] 描き出された情景が美しく 数枚の連続した絵画のようで素敵でした [一言] それぞれが何かを象徴しているものか と思いつつ 水鏡を夜空と捉えれば 金色の蝶は夜空に浮かんだ欠けた月と見え 水…
[良い点]  金の蝶が示すは、失いかけてるあなたの何か……  おとぎ話に妖精的な金の鱗粉なら、幸せ浮かべれば飛べるのではと、下向き水面を見つめる少女の先の話に思いを馳せました…★  リンクカラーで…
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