第7話
何だったんだあれは、それに目の前にあるこれ………僕は目の前に浮いている物を暫くの間眺めていた……
「僕じゃ考えても何が起こったか分からないし、取り敢えず帰って橘教官に聞いてみるか、それにスキルを選ぶにしても、スキルの事は橘教官の方が詳しいだろうし、アドバイス貰った方が良いよな……取り敢えずドロップ品拾わないと……」
ドロップ品が在る方を見る……しかしそこには、A4サイズ程のプレートが……
「邪魔だなこれ……もしかしてスキル選び終らないと消えない?右を向いても左を向いても、プレートが……このままじゃぁ危なくて歩けないよっ」
のんきな颯汰のそんな呟きに答えたのかフッとプレートが消えた
「えっ……?消えた……?もしかして時間の制限があったの……?そっそんなぁぁぁっ僕のスキルカムバッァァァァクッ」
すると目の前にフッとプレートが現れる
「おぉぉぉっぼっ僕のスキルお帰りぃぃっ」
そして僕は有ること思い出した
「確かラノベでこう言うの有ったな!」
僕は確認のために、頭の中で消えろっと念じてみたらフッとプレート消えた、次に出てこいと念じるフッとプレートが現れる
「おぉぉっやっぱりだ!此ってラノベやゲームのステータス画面見たいな物なのか!」
そして僕はドロップ品を拾うため歩き出し
「うわっ何だ?」
僕はステータスを発動したままだった事を思い出した
「そうかステータスが一気に上がったから、体がついて行けてないのか……」
僕はそう納得する
「なら、少しでも早く此に慣れないとな」
ダンジョンを出る為に歩きだす颯汰であった
時は少し遡り颯汰がスキル一貫のプレートを見て呆けていた時、
突如頭の中に響く声に、世界中で騒ぎが起こっていた、
それはこの小さな島国でも変わらない
都内某所、慌ただしく動き回るギルドの職員達
「くそっ今のは23年前の声じゃねぇかっ!おいっお前達も聴いたなっ?直ぐに、全かあいそうたの所属と所在を調べろっ!間違いなく名前からこの国の人間のはずだっ!」
「はいっ直ちにっ」
そう言って職員はパソコンを弄りだす
数分後
「本部長、かあいそうたの検索が終りました」
「でっ?何処の所属で何人居る?」
「はいっ!3人です、1人はH道A市神居古潭支部所属36歳、もう1人はK州K市M町七滝支部所属23歳とK県Y市支部所属15歳です!」
「何処かで聞き覚えがあると思えば、あのダブルユニークか?マサかな……各支部に連絡してその3人の所在を調べさせろ」
「はっ直ちにっ!」
「しかし不味いかも知れんな……もしダブルユニークの河合颯汰だったら……今期で全ての支援の打ち切りが決定してたはずだ……ダンジョン省も他のクランからも三行半をくらって、無所属が決まってたはずだが……今さら決定を覆す事が可能なのか?裁判の判定を覆す裁判をするにしても、本人が拒否すればそれで終わりだ……それに他の国が黙っている筈がない……先に動くか…………おいっマサキは居るか?」
「いえっマサキさんなら定時で帰られましたが?」
「ちっアイツは……まぁ良い、直ぐにY市支部の支部長に連絡して、最優先で河合颯汰の身柄を確保させろっ!」
「えっ?あっはいっ直ちにっ……」
その頃、橘かおるも動き出していた、
「これは絶対に颯汰きゅんよぉっ…………ぅぅんもぉぉいすみちゃん早く電話に出てよぉ」
プルルップルルッ…プルルップルッ
「うむっ橘か、電話なんて珍しいな?どうし」
「いすみちゃん、挨拶は良いから直ぐに車出して颯汰くんを向かえに行って欲しいのっ」
「慌てるな橘、何時もの口調はどうした?」
「そんな事より颯汰くんを」
「分かっているから落ち着けっ」
「……ごめんなさい……」
「やはり颯汰で間違い無いのか?」
「まずぅ間違い無いとぉ思うわぁ颯汰きゅんスライムしか倒せ無いからぁ他にスライムだけを倒してる人はぁまず居ないわぁ」
「うむ、分かった、では私はスライムダンジョンに向かえは良いのだな?」
「お願いねぇいすみちゃん」
「うむ了解したっ!で、颯汰を向かえに行った後はどうすれば良いのだ?」
「………………」
「まさか、考えて居なかったのか?」
「……ごめんなさい……」
「はぁぁぁっ本当に颯汰の事に成るとIQ200が聴いて呆れるな」
「うぅぅっごめんなさいぃ取り敢えずぅ私の部屋にぃ連れて来てぇ」
「橘の部屋に?颯汰と二人きりに?流石にそれは不味かろう!二人きりは……」
「えぇぇっ?二人きりじゃぁないわぁいすみちゃんも居るしぃ」
「うむぅ…………」
こうして世の中が慌ただしく動くなか、
当の本人の颯汰は……暢気に浮かれていた
「うっほっほぉぉはっやぁぁぃ体が軽ぅぅいっうっほぉぉ此がステータスの力かぁぁぁ」
走ったり跳び跳ねたり……浮かれすぎである
数十分後
「ゼェェ…ハァァ…ゼェェ…ハァァ……疲れたぁぁちょっと休憩にするかぁハァハァ」
浮かれすぎで体力の配分が出来ず疲労困憊の颯汰である
本来なら数値が倍以上にはね上がれば、慣れるまでに相当な時間が掛かるのだが、
そこは颯汰の異常に高い技量が仕事をしたのだ
「ハァァハァァスライムがハァァハァァあんなハァァハァァ簡単にハァァハァァ倒せるハァァハァァなんてハァァハァァ」
文字面だけ見たら危ないヤツにしかし見えない……
ここ迄来る間に颯汰がスライムに対して取った行動は、殴る、蹴る、踏み潰す、体当たりの4つである、
そしてスライムを簡単に倒せるのは当たり前で、
颯汰の元々の攻撃力は5守備力が4そこに全ての能力値が20プラスされ、
あまつさえスライムキラーの能力でスライム種に対して攻撃力、守備力が2倍である、
攻撃力50守備力48!完全にオバーキル以外の何物でもない、
もし此が動画配信されていて見ているリスナーが居れば、
(キャァァァスライムさん逃げてぇぇぇっ)
と、言っていた事であろう
「休憩終わりっとぉさぁ行くかぁっ」
颯爽と走り出す颯汰……スライムさん逃げてっ