第4話
準備が終わった僕はマイク越しに橘教官にその事を告げ、氷山教官と話しをしていた橘教官に視線を向けた、
向けた視線の先では何故か青い顔色をし、
小刻みにぷるぷる震える橘教官の姿が目に写った……一瞬で状況を把握した僕はマイク越しにこう告げたのだっ
「橘教官っすみませんっ急にお腹がっすみませんチョッと、トイレに行ってきますっ!」
そう言って入って来たのとは違う扉を開き、一応トイレに向かうのであった
(橘教官も我慢していないで先にトイレに行けば良かったのに、気が付ける男の僕じゃ無かったら、まぁ女性だから恥ずかしかったのかな?)
こうして乙女?橘かおるは人生最大のピンチ?を乗り越えたのである……
「……!いすみちゃん私もちょっとトイレにっ」
そう言って、かおるは速足で部屋を出て行きトイレとは違う方向に足早に向かうのであった
(あぁぁぁ助かったわぁぁっ此のままだと計測室で颯汰きゅんと……短時間とは言え、密室しかも至近距離で……ダメよ女としても乙女としても歳上のお姉さんとしても、最悪颯汰きゅんに嫌われる何て事に……いっいやぁぁっそれだけは絶対にイやぁぁっ颯汰きゅんに嫌われるなてぇぇぇっ)
普段は、おっとりとした喋り方で有るのに頭の中では物凄い速さで捲し立てる様に思考する、かおる、腐ってもダンジョン省の研究員である、頭の回転、思考速度は早いのであろう!颯汰と対峙していなければ……実に残念である
一方1人残された氷山は二人が戻るまで訓練室で剣の素振りを始めるのであった……
颯汰が計測室に戻り直ぐに異変に気付く
ヴォン……パァン…パパパパァンッ
「ん?何の音だ?」
音がする方に視線を向け近付き見たものは、訓練室で素振りをする氷山の姿
「なっ……!!素振りの音っ?」
「ふっ…はっ…せりゃっ…はぁっ」
ブォン……ヴォン……バチンッ……パッァンッ
(これって……剣の素振りで出して良い音なの?素振りで音がしてもブンだよね?最後のパッァンッてっ何?それに一瞬氷山教官の姿が消えるし……計測室の中まで音が聞こえるって……これが……本当の高レベル者なのか……)
「?戻ってきたか」
僕が氷山教官の素振りを見て呆けている間に橘教官も戻って来たようだ
「お待たせぇ……相変わらずぅ凄いわねぇ、いすみちゃんのぉ素振りぃ」
「そうか?戦闘ではこんな物では無いぞ?」
「室内でわぁ本気ださないでねぇぇ衝撃波でぇ大変な事に成るからぁ」
「分かっている、ちゃんと控えて要るであろうがっ」
「もぉ少しぃ控えてくれるとぉ良いかなぁぁ颯汰きゅんがビックリしているわぁ」
そう言って計測室の扉を開くかおる
「颯汰くぅんお待たせぇ、じゃぁぁ先ずはぁステータスの計測しましょうかぁ」
かおるは計測用の特殊な機械を作動させると、颯汰の方に歩いて行く
「じゃぁ颯汰くぅんこの台の上にぃ仰向けに寝っ転がってねぇ」
かおるは、そう言いながら操作パネルを弄り出す
(2ヶ月振りの計測、何回やってもドキドキするなぁ、どうか数値が上がってます様にっ)
僕は台に寝っ転がり計測が終るのを祈りながら待つのであった
数分後ピーピーピーピー
「はぁいっ計測終了よぉ結果が出るまでぇちょぉっと待っててねぇ」
僕は計測台から起き上がり、待つために椅子に腰かけた時、ふと氷山教官の姿が目に入いり、つい問い掛けてしまった、
「そう言えば何故此処に氷山教官はいるんですか?担当の訓練生の所に居なくて良いんですか?」
「ふむっ貴様は私が此処に居ると邪魔か?」
「あのぉ決っしてそう言う訳ではぁ……」
「私はぁ颯汰くぅんとぉ二人きひぃぃぃっだっだから、いすみちゃん!殺気飛ばさないでよぉぉ」
((( ;゜Д゜)))
(また出ちゃう所だつたじゃない……もう着替え無いんだからぁ)
「私は殺気など飛ばして等おらんぞ、橘の方を見ただけだ」
その時ピピッピピッピピッピピッと音が鳴り出した
「けっ計測結果が出たわぁ2ヶ月振りの颯汰くぅんのステータスわぁ………………」
「………………」
「………………」
「はぁぁまたですか……また何も……」
「いいえぇ上がっているわよぉ」
「ほっ本当ですかっ!」
「えっえぇぇ本当よぉ」
「はっ早くっ早く見せて下さいっ!」
「そっそうねぇじゃぁはいっこれぇ」
そう言ってかおるはタブレット端末を渡す
「………………」
「………………」
「でっ結果はどうなのだ?」
「確かに上がってはいました……」
「ふむ上がっていたのだな」
「はい……HPが1……」
「HPが1?それだけか?」
「はい……それだけです……」
「レベルも上がっておらんのか?」
「はい…………」
「颯汰それを私にも見せてくれないか?」
「……分かりましたどうぞ……」
僕はタブレット端末を氷山教官に渡した、そこには僕の約3年の計測結果が載っているのだ、
「…………これは…………」
そこには普通ではない数値が書き込まれているのであった