第7話、禁断のゲームと甘い罠①
3月も終わりが近付いてきて、暖かくなり始めた頃の話だ。
降り積もっていた真っ白な雪は綺麗に溶けてなくなり、春を感じさせる日差しが辺りに満ちていた。
そんなある日――。
「なあ、ユキ。これ……どうしたんだ?」
俺はリビングに置いてある大きめなダンボール箱を見つめながらユキにそう問いかけていた。食材の買い足しに出かけて戻って来た後、俺がいない間に届いていたその荷物が一体何なのか気になって仕方がない。
ユキはにこにこと笑いながらそのダンボール箱へと手を伸ばしていた。
「実はですね、冬の間に頼んでいたとある物がようやく届いたんです」
「冬の間? それじゃあ暖房器具とか冬物の服とか?」
三学期ももうあと僅か、新たな春の到来が近づきつつある頃だ。気温も高くなってきて寒さを感じることもなくなったし、冬物はもう必要ないだろうと思うのだが……。
そうして首を傾げていると、ユキは嬉しそうな表情を浮かべたままダンボール箱を開け始めた。
「本当は冬の間に届いていたら一番だったのですが、今届いても問題ない物です。晴くんもきっと喜ぶものですよ」
「俺が……?」
俺が喜ぶものってなんだろう? この前、一緒に買い物に行った時に何か言ったっけ? 全く見当もつかないまま不思議そうにしていると、ユキは箱の中から大きな包みを取り出していた。
そして、包みを丁寧に開いていくとそこには――。
「――あ、これ……話題になってた体感型のゲームの……!」
テレビCMや動画の間の広告で何度も見た事がある、動画サイトなどでもその体感型のゲームをプレイして実況動画がいくつもあってどれも高い再生数で人気。
小さなフラフープのようなリング型コントローラーを使って、画面の中のキャラクターを操作する事で様々なアクションを起こす事が出来るというゲームだ。
ゲーム自体はそこまで難しくなく、操作方法さえ覚えれば誰でも簡単に楽しめるようになっているのだが――そのゲームには他のゲームには無い大きな特徴がある。
そのゲームを操作するには、リング型のコントローラーを持った状態でフィットネスなどをする必要があり、指定された筋肉トレーニングをする事によってゲームの中でより強い動きが出来るといった感じで、とにかく色々と体を動かす必要があるのだ。
つまりゲームをしながら体を鍛えられるという画期的なもので、普段から運動不足気味な人でも楽しめるような仕組みになっている。
ユキはリング型のコントローラーを手に取ると、楽しそうな笑みを浮かべて俺の方を見つめる。
「冬の間、雪がたくさん積もってあまり外に出れませんでしたよね。あたしも晴くんも家から出ない時間が増えて、少し体が鈍ったかなと思いまして」
「ああ確かに……冬は家にいる時間が長かったもんな。冬籠りの準備を済ませた後は毎日のようにユキとこたつでぬくぬくとしていたし、外に出る用事も特に無かったし。たまに散歩に行くくらいだったっけ」
「はい。本当は雪で家の外に出れない時、晴くんと二人でゲームを通じて運動不足を解消出来れば……と思っていたのですが。他の方も同じ事を考えていたようで、売り切れてずっと入荷待ちだったのです」
「なるほどな、それで今やっと届いたわけか。でもさ、春になった今でも運動不足なのは相変わらずだ。家の中で二人でゲームしながら運動出来るなんて楽しそうで良いじゃないか。用意してくれてありがとうな、ユキ」
そう言って彼女の頭を優しく撫でると、彼女はえへへと照れたように笑う。それから再び梱包された中身を取り出し始めるユキ。
「ゲーム機の本体は晴くんからお借りしてしまう事になってしまうのですが、それでも大丈夫でしょうか?」
「もちろんだ。それじゃあ早速一緒に遊んでみようよ、俺もかなり気になってたゲームなんだ」
「ではもっと動きやすい服装に着替えてきますね。ゲームとは言えかなり汗もかくそうなので」
「じゃあ俺はユキが着替えている間にゲームのセッティングをしておくよ」
ユキはこくりと笑顔のままうなずいて自室に向かって行った。ユキと二人でのゲーム、それを楽しみにしながら俺も準備に取り掛かろうと部屋に戻っていく。
今日はユキと二人で休日を過ごす事になったのだが、このゲームによってユキのあんな姿やこんな姿が見れるとはこの時の俺は知る由もなかった。
えっち要素全振りの新作短編ラブコメ『隣の席の陽キャJKが実は超有名エロコスプレイヤーだって事を、この世界でただ一人、僕だけが知っている』を投稿しました!2万文字と短編にしては文字数多いですが、さくさく読めるように意識して書きました!
とってもえっちに可愛く書けたので、もし良ければ読んでもらえたら嬉しいです!
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