ナンバー持ち
「そもそも、NO.3も不思議よね」
いったん地下室のことはおいておいて、とレミは切り出した。
「何が不思議?」
「ナンバー持ちのドールの中ではNO.3が一番上なんでしょ?あのNO.6とNO.8もNO.3には反抗できないようだし、あんまり話したことはないけどNO.4も付き従っているのよね」
「そうよ、ここは年功序列の世界なのよ。あ、でもNO.6とNO.8は別かも。他にも例外はあるけど」
「なんでNO.3なの?NO.1とNO.2は?」
NO.3以下NO.10まではそこそこ顔を見てきたが、思えば上二人を見たことも、その存在を知るような会話も聞いたことがない。このアトリエのドール界を牛耳るのがNO.3ならばNO.1とNO.2はどうしたのだろうか。
「あの二人は特別なのよ」
「僕たちもみたことがない」
NO.10とNO.5がそれぞれぽつりとこぼした。
「二人については、一度NO.3が「上のお兄様が」とかなんとか言っていたこときいたことがあるから、いるにはいるんだろうけど、なんでか僕たちの中では触れてはいけない話題っていうことになっているんだ」
「また、NO.3・・・・」
どうやらジョージを含むここの秘密を知るにはNO.3は避けては通れない人形らしい。正面衝突するにはあまりに恐ろしい人形だ。いっそのことジョージのことを知らないまま滞在を済ませてしまおうかと、レミは問題の蓋を頭の中で探す。
「私、気になるなぁ」
ぽつりとNO.10がこぼす。
「今まで見てみないふりしてきたけど、私ほんとはすごく気になる。ここの秘密や私自身の生まれについて」
そういえばNO.3も以前そんなことを言っていた、とレミは思い出す。その時のNO.3の表情はいつもの嫌味な感じではなく、真剣そのものであった。
「地下室に秘密があるなら行ってみたい」
「えぇ!NO.3に怒られないかな」
「怒られても殺されることはないわよ」
弱気なNO.5の心配など些末なことだと言わんばかりに、なかなかに強気なNO.10を見て、レミも地下室に行くことを決めた。NO.5も一人もんもんと考えたのち「NO.10が行くなら僕も行くよ」と、ついてくることに決めたのだった。
「そしたら、私一度叔母さんに地下室の鍵を貸してもらえるようたのんでみるわ。NO.3に頼むより幾分か安心でしょ」
「それがいいわ!なるべく早く頼むのよ!」
「・・・・僕は、そんなに焦らなくてもいいかなって思うよ」
何を弱気なことを!とまたNO.10がNO.5ににらみつけた。




