正反対の双子
「ま、待って、NO.8!」
止めに入ったのは一体の男の子のドール。NO.6の髪飾りについたものと同じ花をつけたシルクハットとステッキが印象的なドールで、衣装のデザインがどことなくNO.6と似ている。アーモンド型の瞳はNO.6と同じで、ほっそりとした眉も全く一緒なのだが、やや下がり気味な眉のせいで気弱そうにみえる。
「NO.5!私の髪が切られそうになった時は止めに入ろうとしなかったくせに妹がピンチの時は間にはいるのね!」
NO.8は憎々し気にNO.5をにらみつける。
「それは、君があんな簡単にやられるはずがないって知ってるからさ。それにテープの罠も見えてたし」
「ふんっ、どうだか!今日のところはもういいわ。あなたの妹、ちゃんとしつけなさいよね」
「ごめんね、ありがとう」
腹の虫は収まっていないようで、荒い足取りでNO.8はその場を去った。その後ろ姿を見送ったNO.5は、くるりと振り返り、未だテープに張り付いたままのNO.6をため息交じりに解放する。テープにとらわれた後もはげしく抵抗したせいで、最初よりもひどくテープが絡みついていた。
「なんで君たちはなかよくできないんだよ」
「っぷは!あの女、存在がむかつくのよ!今日も私の宝石コレクションを見て、『幼女趣味ぃ』って!挙句の果てには散らかしていったのよ!」
(それは確かに、NO.8が悪い…)
「それは前にNO.6がNO.8の大事にしていた花瓶コレクションを壊したことが発端だろ。しかも謝らなかったし」
「それだって!もとは「はいはい、次は仲良くしなよ」
すべて剝ぎ終わったテープ罠をひとまとめにしやってきたパピに渡すと、ぐしゃぐしゃになったNO.6の髪を手櫛でといてやる。一連の動作はお兄ちゃんそのものだ。呆れを顔に出すものの、しぐさには落ち着きがある。これまで見たドールの中では精神的に成熟しているのだろうと、レミはぼんやり思った。
「NO.5、NO.6、ごきげんよう。ちょっとお時間いいかしら」
NO.10が頃合いを見計らって声をかける。こちらには全く気付いてなかったようで、二人そろってこちらに首を向けた。
タイミングは一緒、でもそのあとの表情は正反対のものだった。
「なによ」とNO.6が不機嫌を全面に出す一方、NO.5は
「ナ、ナナナナナナンバー10!!!!」
先ほどの落ち着きはどこに行ったか、ボン!と煙が噴き出そうな勢いで顔を真っ赤にし、大いにあわてふためいた。




