まさか、あなた・・・
「ジョージはおばけとか呪いとかって信じるの?」
「僕は自分が体験したものしか信じない主義だよ」
「すごく浩宇のことをかわいそうに思っているみたいだから、どうなのかなって思っただけ」
「信じていなかったとしても『もしも』のことを考えたりはするよ。ところで、それマディーが作ったサンドウィッチ?おいしそうだね」
サンドウィッチに興味が移ったジョージが物欲しげにサンドウィッチを見る。「少し食べる?」と渡すと嬉しそうにかぶりつき、「おいしい!」と満面の笑顔でいう。大きい一口で、もう一度かぶりつきそうだったのであわてて止める。
「私のご飯なんだから全部は食べないで」
「ケチだなぁ。でもマディーはご飯もおいしいなんてやっぱり天才だ!」
「おいしいけど、普通のサンドウィッチじゃない?」
挟んであるのはスクランブルエッグとハム、レタス、トマト。パンは普通のパンで特別な要素はどこにもない。「天才」と仰ぐほどの料理ではないと思うが、とレミは訝しげにジョージを見る。そういえば、この男はやたらマディーをほめる節がある。昨日も作品について熱く語っていた。加えて、時々マディーと深い間柄を思わせるような口ぶり。そういば、とレミははっとする。
(この男は叔母さんの友達と言っているけど、それ以外のことについて全く知らない。それに叔母も彼を知らないと言っている・・・)
「・・・ねぇ、本当に叔母さんはあなたと友達なの?私が来てから毎日あなたは訪ねてくるから、頻繁にここに来てるようだけど叔母さんはあなたのこと知らないって言ってたわ。頻繁に訪ねてくる友達を忘れるなんてことないわよ」
「・・・マディーは忘れっぽいから」
「毎日来るような人を忘れるようなら、それは認知症よ。でもそうじゃない。あと、あなたやたら叔母さんのことを褒めるわよね。昨日も作品について語ってたし、さっきのサンドウィッチだって、普通のサンドウィッチなのに天才だなんて大げさに言ってた。それに、初めて会ったときあなたはこの家の裏口だって知っていたし、あなたの口調は叔母さんとさも親しいようだった。でも、叔母さんはあなたのこと知らない・・・・つまり、あなたは・・・」
「僕は・・・・?」
「ストーカーよ!!」
ビシッと指をさし、レミは断言した。




