本当に人形ですか?
「っひ!」
「あらあらあらあら、怖がらないで!別にどうこうしようとかは思ってないから。ねぇNO.4?」
「驚かせてごめんなさいね。久々に外から人が来たものだからみんなちょっと浮かれてしまったようなの」
蛇にらまれた蛙とはこのことか、金縛りにあったように体が全く動かない。たくさんの瞳がレミを興味深げにじっと見つめ、ひそひそと語りだす。
「あ、あなたたちは一体・・・」
「私たち?昨日も言ったでしょ、マディードールよ」
「人形が、なんで喋って・・・るんですか?」
「人形がしゃべっちゃいけないっていう訳ぇ?てかビビりすぎでしょ」
ひときわ高い声をしたドール。声の方を向くとこれまた愛らしい顔のドールが意地悪な顔でレミを見つめている。
「よしなさいNo.8、そもそもあなたが吹っ掛けたんでしょう」
No.8はブロンドの髪の毛を白薔薇の花飾りをあつらえたバーガンディカラーのカチューシャで留め、サイドに縦巻きの髪をきれいに流している。衣装も豪華で、ショート丈のふくらみのあるスカートはストライプ柄、腰はコルセットでしめられている。上はゆったりとしたふくらみのあるパフスリーブで、襟元を細いリボンで留めている。
「さぁて、私は知らないわぁ。No.6がすっごく気になってたぽいからぁ、ちょーっとだけ仲良しに貢献しただけぇ?って感じぃ」
にぃと笑う様子は、愛らしい顔とは裏腹に中身の意地悪さをあらわしている。
缶に閉じ込められたのは先ほど言われたNo.6か、ガンッ!とひときわ大きな蹴りを入れる。たいそうご立腹の様である。
「本当に、人形なんですか?」
「人形よ。ちょーっと特別なのは認めるけれど。まぁ話をする前に、No.6をそろそろ出してもらってもいいかしら。音がうるさくてかなわないの」
缶に閉じ込められてからもなおも抵抗を続ける中のドールは疲れ知らずの様だ。知識があるのか一方向に蹴りを入れるせいで上にのせた本がそろそろ落ちてきそうだ。
本を少しずらして少し隙間を作ると、中からにゅっと手が伸びてきて缶の淵をつかみ、足で本を蹴とばしてNo.5は出てきた。
「もしこれがこれが使って間もなくペンキだったらあんたの髪の毛人前に出られないくらいズタズタに...
いいえ、全部引き抜いてやってたところよ!」
ギッとレミをねめつける。こちらも相当気性の荒いドールのようだ。かわいい顔をして恐ろしいことを平然と言ってのける。




