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田舎の夜道は心細い
イギリスに住む叔母は、イギリスらしい幻想的な住まいで創作活動にいそしんでいるらしい。夏休みを利用して滅多に合わない叔母に会いに行こうと思ったのは10代にありがちな「自分探し」のためである。
街から車で30分ほど離れたこの場所は街灯もなく、きらめく星々に思わず嘆息する自然あふれた場所である。遠くに見える街のあかりが夜景をさらに魅力的に引き立て、隣に誰かいたならきっと、それが誰だとしても穏やかな気持ちになれたのではないだろうか。
そう、隣に誰かがいたならば。
「おばさん、どこにいるのーーーー!」
街灯もない、人通りもない、フラっと立ち寄れるコンビニもない。美しいはずの夜のきらめきと、頬をなでる穏やかな風はただただ彼女、早見レミに、ここがイギリスのド田舎であることを知らしめるだけだった。