名前で呼んでもらいます
手帳が好きなので既に自宅用と仕事用で来年のを2冊買いました、カレンダーも好きなので既に2つ用意してあり、卓上カレンダーをいれると3つ目なのですが、今度お母さんが犬のカレンダーを送ってくれるようなのでカレンダーは4つになります(笑)部屋のいたるところにカレンダーがあっていいですね
天井に一つ欲しいです
「ほ、本当の事ってなんですか。──学校の人達は、私に面倒を押し付けて、松下さんは本当に何でもしてくれるねって。中学に行っても、高校に行っても、私は人間に使われる事しか存在価値のない道具なんです。社会人になってもそうでした。ブラック企業に就職して、貝川さんに使われて、女の先輩に仕事を押し付けられて、私は道具だから仕方ないって」
「気色の悪い御託はいいって言ってんのよ。本当の事いいなさいよ」
「本当の...事?」
とぼける松下の胸ぐらを掴んで、私はイライラした気持ちを思いっきりぶちまけた。
「被害者ヅラしてんじゃないわよ。あんたがそうなったのは、押し付けられた時に断れなかった自分の心の弱さが原因でしょ。あんたの話聞いてると、道具だからって割り切ってやってるようにぜんっぜん聞こえないのよ。本当の事言えって言ってんの」
「被害者ヅラ...?そんなのしてないですよ」
松下は、目を見開いて口をへらっと歪ませていた。
「被害者じゃないですか私。被害者じゃなかったら何なんですか」
「.....」
「被害者に決まってるじゃないですか。やりたくもない事押し付けられて、でも、断ったら私の存在価値がなくなっちゃう...私のいる意味がなくなっちゃう...断れないですよ怖くて。ずっとそうやって生きて来たんです。一回だけ昔に断った事がありました。勇気を振り絞って、でも、次の日から皆から無視されて、いない事になったんです。私。机も無くなって、松下?誰だっけ?って」
松下は両手で顔を覆ってぽろぽろ泣きながら続けた。
「私なんて生きている価値が使われる事しかないんですよ...貝川さんにも、断ったらクビにするって言われました。私みたいな人間を雇ってくれる会社なんて、ここくらいしかありませんよきっと。私は社会人になってもここで使われて生きていくんだって思いました」
だからこいつ、こんな会社で働いてんのね。
私みたいに正直罰でもないとこんなところ普通働かないでしょ。
「あんたは、仕事を押し付けられて嫌だ、でも存在価値がどーたらで言えない。だからやるしかないって思ってるんでしょ。本当は嫌なんでしょ。それを言えないあんたは押し付けた相手のせいにしてるんじゃない」
「わ、私は...」
「そりゃ押し付けた奴は悪いわよ。でもね、嫌なら嫌って言わないと貝川みたいに合意の上だって思われてまた同じ事になるわよ。そういう奴は...」
私の頭は、黒くてザラザラした手に握りつぶされているような痛みがズキズキと走った。
『でも...マスカレイド様』
『何?嫌なの?嫌なら嫌だと言っていいのよ?』
『い、いえ...かしこまりました』
「そういう奴は...」
急に胸が苦しくなって、この痛みは何。
反抗した時の胸の痛みとは違う。そうじゃなくて、なんだか凄く、嫌な感じ。心臓が早鐘を打ち、私はここで初めて言葉に詰まった。
一つ、深呼吸をして。
「そういう奴は、相手の事を自分より下に見て、使おうとしてくる。あんたが怒りを溜めて溜めて爆発する時には、あの時言うこと聞いたのに!って逆ギレしてくるわ」
「でも...嫌でも断りたくても助けて欲しくても怖くてもだめなんですよ...断ったら自分の存在価値がなくなる気がして」
私は、へたり込んだままの松下に手を差し伸べた。
「立ちなさい松下。存在価値がない人間なんてこの世にいないのよ。道具は道具。人間は人間。そんな当たり前のことまで見えなくなったの?」
松下は、私の手を取るか躊躇していた。
手を伸ばすのが、助けを求めることも怖いんでしょうね。
私は自分に言っていた。
私が言えた事じゃない。私は松下の立場に立つ者達の事を考えた事もなかった。
だから、だからこそ。せめて目の前にいる彼女の事を、私は──。
「自分の存在価値は他人に決められるものじゃない。自分で獲得していくものよ。もしまた従わないと存在価値がなくなるなんて馬鹿な事を思ったら、何も考えずにすぐ私の所に来なさい。また何発かビンタして考えを改めさせてあげるわよ」
「何も考えずに...溝沼さんの所へ?」
「そうよ。来るだけよ簡単でしょ。そしたらあたしが今回みたいに何かしらして.....助けてあげるわよ」
「助けて...くれるんですか私を」
大きく目を見開いた松下に、私はこくりと頷いた。
「あんたの事は下に見ないわ。これからは同僚として対等に見る。その証拠にこれから私の事は名前で呼んでも構わないわ」
「対...等?」
「そうよ。理沙わかったらさっさと立ちなさいよ」
「.....眩しいなぁ」
理沙は、ぽつりと呟いて私の手を取った。
ガラリと倉庫の扉が開いた。
「仕事に穴開けまくって何してんのかな」
総司だった。
「忘れてた」
「あっ...」
「早く戻って終わらせるわよ理沙!」
「あ...うん、うん。灰子ちゃん」
私と松下は倉庫から明るい職場へと急いで戻った。
本日も読んでくださりありがとうございます
入浴剤が大好きで去年くらいから12月の誕生日前に沢山買い込んでます。
温泉入浴剤やフルーツ入浴剤や、色々使ってきましたが入浴剤なら金木犀の香りがおすすめです。
なんか道を歩いていて好きな香りだなと思っていたら入浴剤で金木犀の香りを嗅いであ、あれ金木犀の香りだったんだと気づきました。来年は金木犀の香りのみの入浴剤をボトル買いしようと思います