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71 魔皇ジークムント・レイ・デモニスタ

ついに、魔皇が登場です。

物語の展開が変わります。

Side 魔大陸・魔都ボドリクス



「クランプス、火の世界樹はどうなった?」

 怒った老婆のような顔と皮膚を持ち、その額には2本の角を生やした魔皇国の宰相クランプスに問いかけているのは、この魔皇国の皇帝〔魔皇ジークムント・レイ・デモニスタ〕である。魔皇はその秀麗な顔をゆがませながら、醜い姿のクランプスを忌々しげに見つめる。

「魔皇様、火の世界樹は復活を遂げてしまいました」

「火の世界樹のありかは、お前が突き止めてギガランティに始末しに行かせたんだろう?それが、どうして復活することになる?」

「私は、火の世界樹が陸の皇国の南の僻地ザフレブにあるエルフの里にあることを、この千里眼で突き止めました。それなのに、世界樹の始末に向かわせたギガランティが無能なせいで世界樹の破壊に失敗したのです」


「おいおい!それは、言い掛かりってモンだろう」

 魔王の前に巨体を丸め跪いていたギガランティが、顔を上げて抗議する。

「確かに俺はエルフの里に向かったさ。しかし、火の世界樹なんてものは無かったぜ!」

「お前が見つけられなかっただけだろう!無能なジャイアントめ!」」

「お前の千里眼がポンコツだったからだろう!俺たちは、全員でエルフの里を探し回ったぜ! 行く前は『エルフの里に行けばすぐにわかる』とお前は偉そうに言ってただろう?」

「そうだ! それなのに、なぜ見つけられなかったのだ!?」

「だから、探したって言ってるじゃねえか!」

「簡単な捜し物ができぬ能なしめ!」


「だまらんか!!!」

 言い争っていた二人は、魔皇の一喝で即座に口を閉じた。

「ギガランティ、お前は、火の世界樹を見つけられなかったのに、どうして戻ってきた?」

魔皇は、成果を上げずに魔皇国に戻ってきたギガランティに問う

「思わぬ邪魔が入りましたので・・・」

「邪魔とは何だ?」

「天龍クレエブルと、プレシオルを倒した人間です」

「ああ、海皇国に攻め入った3魔将を倒し、我が軍に大打撃を与えおった者か…。忌々しい奴等だ、なぜ現れた?」

「奴等はエルフの小娘を連れていたので、おそらくエルフの里の救援に現れたのでは無いかと思われます」


「で、戦って負けて、のこのこと逃げ帰ってきたと・・・」

 と、クランプスが馬鹿にするように言い放った。

「黙れクランプス! そもそも、お前がギガランティたちについて行っていれば、こんなことにはならなかったのだ! 行けば見つかると高をくくって、ジャイアントたちと行動を共にしなかったのが原因なのだ!」

「私めが、臭くてやかましいジャイアントたちと行動を共にするなど…、鼻と耳が腐ってしまいます」


「・・・クランプス、本来ならばお前は処刑だ! しかし、お前の千里眼には、今後も役立ってもらわねばならん。 地の世界樹をなんとしても探し出せ!」

「はっ! 魔皇様の仰せのままに」

「もうよい、行け!」

 クランプスは、煙のようにその場から消えた。


「ギガランティ、お前も地の世界樹を探せ! 地の世界樹の復活だけは、何があっても防がねばならぬ!」

「はっ、魔皇様、ジャイアント一族総出で探し、必ずや地の世界樹を見つけ、破壊して参ります」

「地の世界樹を見つけるまでは、ここに戻ってくることは許さん。クランプスとも連携を取れ」

「わかりました」

「行け」

 ギガランティは、大きな体に似合わない優雅な動きで、謁見の間を去った。


「ルサールカ、お前はギガランティとクランプスの連絡と調整役をやれ。もう、あいつらに任せてはおけん。これは、強制的に指示に従わせる宝具だ、これを持っていけ。奴等が逆らったら躊躇無く使え、よいな」

「はい、わかりましたわ。麗しの魔皇様」

 妖艶な美女の魔人ルサールカは、魔皇から与えられた宝具を大事そうに胸に抱きながら、その場を去った。


「オノケリス、シャイターンを呼べ」

 魔皇は側で控えるオノケリスに命じた。

 オノケリスは、年若い小柄な少女に見えるが、長い年月を生きている魔女である。

 その神秘的な瞳からは、何の感情も読み取ることはできない。

 

「シャイターン、参上いたしました」

 魔皇の前に表れたのはバンパイアのシャイターンである。

 痩躯を漆黒の衣装で包み、絹糸のような黒い長髪が腰まで伸びている。その存在だけで、不吉な空気がまき散らされるような人物だ。

「シャイターン、お前に頼みたいことがある」

「何なりとお申し付けください」

「カズヤ・サクラザカを抹殺せよ」

「カズヤ・サクラザカとは何者でございますか?」

「人族だ。しかし、侮れん。プレシオルとドラウグルが、こ奴に殺されている」

「シーサーペントのプレシオルと、リッチロードのドラウグルがですか?6魔将の内2柱も人族に殺されたのですか?」

「そうだ、プレシオルと共に戦いに出た1000体ものシーサーペント軍も、カズヤ・サクラザカに皆殺しにされている」

「何と…、信じられません」


「すべて真実です。私の放った使い魔がすべて目撃しています」

 魔皇のそばに控える魔女オノケリスが言う。


「詳しいことはオノケリスに聞け。では、行くがよい」

「はっ、この命に代えましても、魔皇様のご期待に応えて見せます」


 バンパイアの王シャイターンは、カズヤ抹殺のために眷属を従え南に向かった。

ポイントが100を超えました。

ありがとうございました。

がんばって書く力となります。

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