5 念動力〈サイコキネシス〉の実験~俺は飛べるのか?~
初投稿なので、手探り状態での投稿です。
お読みいただき、ありがとうございます。
ここまで読んでくださったことに、感謝感激です。
”念動力〈サイコキネシス〉実験③ 自分は持ち上げられるのか?”
この実験は、非常に興味があった。
これができれば、空を飛べるということなのだから。
空を飛びたい!!! 子どものころからの夢だ。
自分を中心に、自分の周りの空気ごと、直径5mほどの球体をイメージする。
意識の範囲指定は、自分とその周りの空気だ。
「上がれ!」そう念じた。
すると、浮遊感と共に視界が高くなっていく。
しかし、地面(丸太の表面)から足が離れた感覚はない。足は地面に付いている?
あぁ、エレベータに乗っているような感覚か・・・。
体はぐんぐん上がっていく。
風は感じない。自分の周りの空気も同時に上がっているからだろう。
10mほど上がったところで、止まるように念じた。
俺は、上空で静止している。
「すげーーーーーーーーーー!最高――――――――――――!」
ボキャブラリーが貧困だな、俺。こんなに感動しているのに。
この場所だと、落ちたときに木に衝突してケガをしそうなので、
横移動を試みた。
ス――――――――――――っと、横に移動できた。
ここなら落ちても、海の上だからケガをしないだろう。
「このまま、海に潜れるのか? 実験④開始だ!」
海面に向かって、ゆっくりと下降した。
足が海面に触れる、と思ったら、海水面がへこんだ。
さらに下降した。
視界が海の中へと移り変わっていく。
空では見えなかった空気の球が、水の中でははっきりとわかる。
自分を空気の球が囲んでいるのだ。
ここの海はそんなに深くないようだ。
100mも沈むと海底に到着した。
さっき作った立方体って、結構海底ぎりぎりだったんだな。
「きれいだ・・・・・・。」
幻想的な海底の様子に、しばらく見とれてしまった。
結構な深さがあるので、海底は薄暗い。しかし、真っ暗というほどではない。
澄んだ水の中には、たくさんの魚が泳いでいる。
海底には、色とりどりのサンゴや海藻がある。
ウニや貝も落ちている。
「やったあ、魚以外の食材だ!ウニ、さざえ、あわび、牡蠣、大量だ!」
持ちきれないほど、落ちている(?)ウニや貝を拾い浮上した。
横たわって海に浮かぶ巨木〔天樹〕の上で、さっそく戦利品を並べて鑑定だ!
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〔ムラサキウニン〕 食用可
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〔クロアワビン〕 食用可
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〔サザエン〕 食用可
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〔マガキン〕 食用可
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ほら、やっぱり食用可!
焼こう!海鮮BBQだ!
まずは、生で食べたいウニの試食だ。
棘のついた殻を割ると、中にはオレンジ色の塊が入っている。
それを、木で作ったスプーンですくって、一口。
「うんまぁぁぁぁぁい!甘ぁぁぁぁぃ!」
そのウニは、磯臭さや臭みが全くない、濃厚なクリームのような味だった。
「ご飯ほしい!醤油ほしい!ワサビほしい!」
しかし、それらが無くても、十分美味だった。
〔クロアワビン〕〔サザエン〕〔マガキン〕は、海水レンズの光で焼いた。
俺は気づいたのだ。
別に、火を起こさなくても、光を当てれば具材は焼けるということに!
直径50cmほどの凸レンズを10個ほど、空中に並べて設置する。
光の焦点が、具材にちょうど当たる高さに調整して待つ。
ひっくり返して置いた〔クロアワビン〕の殻に光を当てる。
〔サザエン〕は、つぼ焼きを目指す。光が上からしか当たらないのがネックだが、何とかなりそうだ。
〔マガキン〕にも、殻の上から光を当てる。
熱せられた〔クロアワビン〕は、身をくねらせる。
〔サザエン〕のふたが空き、中からぐつぐつと汁が噴き出てくる。
〔マガキン〕の蓋がパカッと開き、ふっくらした中身が現れる。
「うまそ~~~~~~~~!」
焼いた〔クロアワビン〕は、ちょっと蒲鉾みたいだ。ちょんちょんと塩をつけて、丸のまま手づかみで持ってかぶりつく。あちちちち。程よい弾力と噛み応え、味に深みがある。ああ、おいしい。
〔サザエン〕のつぼ焼きから、木製ナイフで身を取り出す。お尻のクルクルまで上手に取り出す。緑のクルクルはちょっと苦いが、白いクルクルは苦みが薄く濃厚だ。
〔マガキン〕焼きは、以前食べた厳島神社門前の焼き牡蠣ぐらいおいしい。感動すら覚える。生臭さや嫌な臭いは全くない。少し小粒だが、俺は、一口で食べられるこれくらいの大きさが一番好きだ。
味付けは塩しかないが、どれも絶品だ。
「これは、三食食べられる!」
貝好きの俺としては、大満足の昼食だった。
もちろん、〔天樹〕の葉っぱも食べたよ。
こうなってくると、エビとか、カニとかも食べたくなる。
また、海底まで潜れば見つかるかな?
さっそく、念動力で空気の球を作って海底に向かう。
目的は、エビとカニだ!
「エビちゃああん。カニちゃああん。」
ノリノリである。
海底すれすれを、周囲を注意深く見渡しながら移動する。
うっすらと明るい海底を、ゆっくりと進む。
「タコだ!タコ発見!」
でも、今回のターゲットはタコじゃないのでスルーだ。
タコは好きだが、なんだかちょっと怖いのだ・・・・・・。あの、うにょうにょが・・・・・・。
ぬめり取りが億劫なのだ。
少し進むと、見上げるほど大きな岩があった。
岩には、びっしりと海藻やサンゴや貝がついている。
「だいたい、エビって、こういう岩の隙間にいるんだよな。」
岩の隙間を覗く・・・いた!エビだ!
「エビ発見!・・・でかくない?」
俺が見つけたエビは、イセエビのようなエビだ。
ただ、大きさが半端ない。
頭からしっぽまでで2mはあるだろう。その頭に、3mほどのひげがついている。
「よし!捕獲しよう!」
捕獲しようとすると、なんと、ひげの先のとがった部分で攻撃してきた。
俺の周りの空気の球を貫くことができないようなので、中の俺は無事だが、ひげの先端が当たった岩に穴が開いているのを見ると、相当高い攻撃力を持っているようだ。
「こりゃあ、うかつに近づくと危険だな。う~ん、どうしようかな。」
そうだ、何も手でつかまなくても、念動力で持ち上げればいいんだった。
俺と、捕獲された大エビは、ちょっと距離を取ったまま浮上した。
もし、触角に刺されたら危ないからね。安全第一で。
「鑑定!」
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〔ダイオウエビン〕 食用可
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なるほど、大王エビね。味も大王だといいなあ。
まず、〔ダイオウエビン〕を頭としっぽに分ける。
念動力を使えば簡単だ。この数日で、使い慣れたなあ。
バキッと2つに折る。
しっぽの身だけで80cm、重さは10㎏ぐらいかな。
「まずは、お刺身で・・・。うまっ!甘っ!これ、イセエビの味じゃん!」
ねっとりと甘みのある刺身は、魚の刺身とは一線を画す。
そんなエビの刺身を、口いっぱいにほおばるという贅沢!
エビの刺身だけでお腹いっぱいになる日が来ようとは・・・。
300gぐらい食べたかなあ?残り、ほぼ10㎏、減った感じはしないな。
「う~ん、残った身はどうしよう・・・。」
・・・・・・・・・アイテムボックス!
俺はアイテムボックスを持っているはずだった。今まで忘れていたけれど・・・。
「アイテムボックス!!」
大きな声で呼んでみた。
すると、へその前あたりに、空間の揺らぎを感じた。
ぼやっと、蜃気楼があるみたいな感じ?
ぼやっとしたところに手を突っ込む。
(あぁ、中には何も入っていないな。)
なぜか、本能的に知覚できてしまう。
さすが、神仕様!
食べきれなかった、巨大エビの身を念動力で持ち上げて、アイテムボックスだと思われる入り口に近づけると・・・・・・ぱっと消えた。
「消えた!ッテことは、収納できたのかな?」
恐る恐る、その入り口に手を入れてみる。
中にエビの身が入っているのがなぜかわかる。便利だ・・・・・。
もちろん、頭の部分もアイテムボックスに収納した。
アイテムボックス内の時間が止まっていることを祈っている。
明日には結果が出るだろう。
そろそろヒロインを登場させないと・・・・・・。