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3 あれ?腕細い?手きれい?俺の体、前世と違う・・・・・・・。

主人公は、イケメンに若返っているようです。



 葉の大きさは、朴歯ほおば味噌で有名なホオバぐらい。結構でっかい。

 一枚ちぎって食べてみた。


「うんまああああああああい!!!」

 触感はレタスの茎に近いシャキシャキな感じ。

 ちょっと酸味がある。レモンっぽい酸味とほどよい青臭さ。

 ほんのり塩味までついている。海上だからか?

 根が海水を吸い上げているからなのか?よく枯れないな・・・。


 今まで食べたことがない、極上の野菜だった。

 しかも、食べた後に口の中がスッキリとする。

 それどころか、頭までスッキリしたような気がする。


 巨木の上に寝転がって空を見上げる。

 雲一つない青空は、ここが異世界だとは感じさせない。

 空に向かって、手を伸ばす。が、あれ?腕細い?手きれい?


 自分の手を見ると、長年見慣れた手ではない。細く、きれいな手と指だ。

 まさかと思い、自分の顔を触る。鼻や耳を触って確かめる。でも、触っただけじゃわからない。でも、明らかに違うところがある


「なに、このつるっと感・・・」

 そう、顔を触ったときに感じるはずの、髭剃り後のザラザラが無いのだ。

 うん、よし、髪の毛も多くなっているぞ!シワもない気がする。

「若返ってる?」

 しかし、残念!鏡がない!


 一通り自分の体を調べ、若返っているようだと結論付けた。

 ちょっと出ていたメタボなお腹も引っ込んでいたし・・・。ありがたや。ありがたや。

 手足も、少し長くなっているようだった。

 これで、イケメンなら文句なしだ!イケメンだといいな。


 静かな海だ。

 海の上なのに、ほとんど揺れもない。

 ごつごつした木の上で寝転がっているのに、背中が痛くない。


 神様にもらった〈強く健康な体〉のおかげだろう。


「4つの皇石こうせきか・・・」

 集めなければならない皇石は〈火皇石〉〈水皇石〉〈地皇石〉〈天皇石〉だ。

 宝石みたいなものかな。

 ”皇石”というぐらいだから、持っているのは皇帝かな。

 魔王とか・・・、ドラゴンとかが持っていそうだなあ・・・、集まるかなあ・・・。


「心配しても始まらない!ポジティブシンキングだっ!」


 熱い独り言を言っちゃった・・・。

 水平線に陽が落ちる。

 きれいな夕焼け空だ。


「こんな夕焼け空、久しぶりに見るなあ」

 心に余裕のなかった前世には、ゆっくりと夕焼けを見ようなんて思わなかった。のか?

 前世の俺は夕焼けを見ずに、アニメを見ていたのでは・・・・・・。

 心の余裕のせいじゃないな。


 あたりはすっかり真っ暗だ。

 空には無数の星・・・きれいだ。

 海面もうっすら明るい。ウミホタルのような生き物がいるのかな。


 照明もないのに、暗くて困った感じはしない。

 これも、健康で丈夫な体の恩恵かな。

 この眼なら、暗闇でも本が読めそうだ。本はないけれど・・・。


 巨木のこずえを屋根代わりに、俺はぐっすりと眠った。


「暗くなったら寝て、明るくなったら起きる。こんな生活もあるんだな」

 今日も、よい天気そうだ。


 しかし、人は、落ち着くと欲が出てくるものである。


顔を洗いたい

着替えたい

歯磨きしたい

お茶が飲みたい

朝ごはんが食べたい

できれば和食で

朝のトイレタイムにしたい

できればウオッシュレットで


う~ん、どれもない。

今、一番ほしいのは「水」だ。

水を手に入れ化ければならない。


試しに木の枝を折って、そこに口をつけて吸ってみた。

なんと、切り口からは水が吸えた。結構な水量だ!

「うんまああああああああい!」

冷えてはいないが、薄いレモン水のようなさわやかさのある水だ。

寝起きの、ボケた頭もスッキリするようだ。

塩気はない。はぁ、よかった。


 乾きが癒えると、空腹を満たしたくなってくる。

「よし、魚を獲ろう!」

 海に向かって視線を向け、プールぐらいの範囲をすくい上げるイメージをしてから、意思の力を開放する。


俺は、両手をまっすぐに、海に向かって突き出した。

「念動力<サイコキネシス>!」

すごいスピードで伸びていった、透明な俺の手によって、海水の塊が持ち上がる。

昨日よりもスムーズだ。特に重さは感じない。


「さて、魚は入っているかな。」

いた!昨日食べた〔スズキン〕だ。

鯛のような魚もいる。こちらに引き寄せよう。


「鑑定!」

***********

〔タイン〕 食用可

***********

よし!食用可だ。


横綱が記念撮影で持っているような大きさの〔タイン〕色も形も鯛そっくりだ。

さっそく念動力サイコキネシスで処理をする。

鱗を取って、皮を引いて、三枚におろして・・・。


切り身を海水の味付けで食べる。

「うん、うまい。」

味も鯛そっくりだ。むしろ、鯛そのものか。


「調味料が欲しいな。」

海にいるので、塩は簡単に手に入る。

海水を持ち上げて並べた葉の上にかける。

乾いたら海水をかける。またかける。

繰り返すうちに、うっすらと塩が浮いてくる。

葉に付いた白い粉をなめてみる。

「しょっぱい!」

うん、塩だ。


塩が手に入ったら、塩焼きがしたくなる。

塩焼き、おいしいよね。

干物も作りたい。


「しかし、ここには火がない・・・。」

そう、ここには、火がないのだ。

当然、ライターなんて便利なものは持っていない。

「火起こしか・・・・・・。太陽光でなんとかなるな」


海水を持ち上げて、直径30㎝ほどの円盤を作る。

そう、虫眼鏡だ。

レンズで光を集めれば、火はつくはずだ。

程よい形にするまでに時間はかかったが、海水の凸レンズが完成した。

光を収束させて樹皮に当てる。


「あれ、煙が出ない。おかしいな。」

小学生の頃の思い出だと、すぐに白い煙が出てきたはずだが・・・。

光の当たっているところに、自分の手を置いてみる。

「あっちい!!!」

光はとんでもなく熱い。でも、樹皮から煙が出ない。

「この木、とんでもなく丈夫なのか?」

光が当たったところを触っても、樹皮の温度が上がった様子はない。

・・・この木は、火種に使えない。

海水に浸っても枯れないし、火はつかないし、葉っぱはおいしいし、この木何の木?気になるなあ。


「火種を手に入れないと・・・」

大海原で火種を手に入れることはできるのか?


できる。


海面には、たまに流れてくる漂流物がある。

木の枝だったり、ヤシの実のようなものだったり、海藻の塊だったり。


それらを拾っては、細かく広げて天日干しにした。

大きな木は、砕いて、引きちぎってから天日干しにした。

念動力サイコキネシスは万能だね。




誤字脱字言い間違い等、多いかもしれませんが、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。


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