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20 【陸の皇国】第二皇女〔フレイヤ〕

追っ手の動きが出てきました。

主人公達は、続々と味方を増やしているようです。

 俺と、設計士のディートハルトさんは、世界樹の守り手エルミアを残して天樹を離れた。

 もちろん、エルミアのことは警備の人たちに説明し、排除しなくていい旨を伝えた。

 恐縮するエルミアに、海綿マットを渡した。たまには食事も届けてあげようかな。


 ディートハルトさんは、俺ほどエルミアのことは信じられないようだ。

「カズヤ様、エルミアさんが見張っていると、あの〔天樹〕で大工仕事はできないのでは無いかと思われますが・・・。」

「ああ、注文する家ですが、天樹で作る必要はありませんよ。」

「どういうことですか?」

「できあがった家は、俺の収納魔法で持っていきますから。」

「は?家を丸ごと収納ですか?可能なのですか?」

「はい、可能ですよ。どうも、俺の収納魔法は、かなり容量が大きいようで。」

「・・・はぁ、とても信じられませんが、カズヤ様がそうおっしゃるなら・・・。では、急ぎ、設計図を作成させていただきます。」


 設計図はすぐに届いた。ディートハルトさん、仕事が速い。

 だいたい、俺が求めていた家ができそうである。

「この計画通りで結構です。作成を始めてください。」

「はい、わかりました。心を込めて作成いたします。」

 最後に、見た目よりも、嵐や強風でも耐えられるような頑丈さを大切にして作るように依頼した。

 1ヶ月もあれば完成するということだった。


*************************


 俺とベティに来客があるということで、商会の応接室に呼ばれた。

 そこにいたのは、陸の皇国第二皇女フレイヤだった。

「今日は、お忍びで来たのよ。」

と言うフレイア第2皇女は、炎のような赤を基調としたアジア風の衣装を身につけている。ちょっときつい感じの美人さんだ。

 ベティとは遠慮の無い間柄のようで、出会ってすぐに抱き合っている。皇族同士の儀礼などは気にしていないようだ。


「ベティ、久しぶり、意外と元気そうじゃない。 安心したわ。 でも、ベティ、何をしたの? あなたの引き渡し依頼が皇宮に届いたわよ。

 依頼主は、マーリン海皇国第1皇子の〔スラニム・バリト・マーリン〕、依頼書を送ってきたのは、皇子の親衛隊副隊長トビアスと魔法使いコルネリア・・・やっかいな相手よ。」

「そう・・・、いよいよ追っ手が来るのね・・・。」


「座って話しましょう。カズヤも座って。」

 俺は、フレイヤ皇女の向かい、ベティの隣に腰掛けた。


「あなたがカズヤ・サクラザカ? 海賊討伐の英雄ね。 私は陸の皇国第二皇女フレイヤ・フォン・ヴィルヘルム、フレイヤって呼んでちょうだい。 リハードとベティを助けてくれたこと、感謝しているわ。」

「こちらこそ、よろしく。フレイア皇女。」

 皇女様がフランクなので、俺もフランクに答えたよ。


 ベティは、事の発端から、国家反逆罪に問われてアオザメンに襲われたこと、カズヤによって助けられたこと。天樹に乗ってここまで来たこと。海賊に襲われていた商会の船を救ったことで、この商会のお世話になっていることなどを、説明した。


「ベティ、大変だったわね。 あなたの近衛の皆さんは残念だったわね。いい方が多かったのに・・・。」

 フレイヤの優しい言葉で、ベティはひとしきり泣いた。今まで気丈に振る舞ってはいたけれど、つらい思いをしていたのだろう。


「ベティ、あなたがこのリーベの街にいることは、おそらく追っ手にも伝わっているわ。私たち陸の皇国は、依頼されても貴方を捕まえたりはしないけれども、貴方を捕まえようとする海の皇国の追っ手の邪魔をすることもできないわ。 どうするの? 逃げ切れるの? これから行く当てはあるの?」

「う~ん、カズヤがいるからきっと大丈夫、かな。」

「でも、いくら盗賊討伐の英雄といっても一人きりでは・・・・・・。 私にできることなら、どんなことでも力になるわ。遠慮せずに頼ってね。」

「ありがとう、フレイヤ。私は素敵な友人が持てて幸せよ。困ったときには、力になってね。頼りにしているわ。」


*********************************


Side【海の皇国】


 フレイア皇女の予想通り、海の皇国からの追っ手は、ベティシアを捕らえるべく、動きを活性化させていた。


「おい、ベティシア皇女の居場所は掴んだか?」

「はい、副隊長トビアス様。ベティシア皇女は、陸の皇国ハイデルベルグ領の港町のリーベにいるようです。滞在場所もキャスタル商会だということまでつかんでおります。皇女が街に買い物に出ているところを目撃した証言が多数ありますので、間違い無いと考えられます。」

「姿をさらして街で買い物など・・・ベティシアは危機感が足りんな。好都合だ。 俺たちが到着するまで見失わないように、ベティシアを見張れ。」

「はっ、仰せの通りに。我ら、海の皇国の諜報部隊千の影がベティシア様を逃がすことはありません。」

「心強いな。抜かるなよ。」


 追っ手がリーベの町に到着するまで、あと十数日。

 追っ手は、リーベを目指し、船を急がせていた。


ここまで20話も、私のお話におつきあいくださった貴方は神様です。


自分で読み返すとよく分かります。なんて不出来な文章でしょうか・・・。

申し訳なく、なく、なく・・・。

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