2 異世界に転生して、海上の超巨大丸太の上で目覚めたよ(2)
第2話まで読み進めてくださった読者の貴方に感謝です。
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世界に4つの皇石あり
4つの皇石に選ばれし者 世界の礎とならん
その皇石とは〈火皇石〉〈水皇石〉〈地皇石〉〈天皇石〉なり
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「具体的には…、どうやって4つの皇石を集めたらいいんでしょうか‥‥?」
『それは、お主に任せる!』
「えぇ~~~~っ!」
「今後、どうやって神様に連絡を取ればいいですか? 連絡は可能ですか? 一回死んだら終わりですか? 現地の人と言葉は通じるのでしょうか? もしかしたら行き先が氷の国で、この服では寒さに震えるんじゃないですか? 魔法とかあるんですか? 重力10倍の星とかじゃないでしょうね! うだうだうだうだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
『・・・うだうだとうるさいのう・・・。いいからもう行け!』
あれ? お返事は?
おーい。神様~。
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俺がいるのは丸太の上だ。丸太と言っても、ただの丸太じゃない。超巨大丸太だ。
太さは、直径10mぐらい。長さは100mぐらいある。
枝と葉も、普通にある。太陽を遮るものがない大海原では、葉っぱの日陰がすごくうれしい。一つ一つの葉っぱは大きく立派だ。朴葉の葉みたいだ。
これなら十分、雨よけにもなりそうだ
周りに目印になるようなものは無い。ここは、海の上のようだ。見渡す限りの大海原。水平線が360度丸く見える。
「腹減ったなあ・・・・・・」
こんな状況でも、お腹は減るものである。
海に浮かぶ巨大な丸太の上で、食べられそうなものを探してみるが、見当たらない。
枝や葉が生きているようなので、木の実がついていないか探してみたが、どうやら実はないようだ。残念。
「ここが海だとしたら、きっと、魚がいるよな」
「魚が釣れればいいんだけど・・・。糸もなければ針もないからなあ」
「・・・そうだ、〈白い空間〉で、管理者さんが俺に力を授けてくれたはずだ」
白い空間で、田島和也は神様に念動力を願ったのだった。
「念動力、身についているのかなあ・・・」
半信半疑でその力を意識した。すると、自分の体から、見えない手がするするっと伸びていくような感じがした。
「おっ、あれ?これは!」
体から伸ばした見えない手で、落ちていた1枚の葉っぱをつかみ、持ち上げる。その葉っぱは、見えない手に持ち上げられたように上に上がっていく。
「おおぉぉぉぉぉぉ!」
念動力だ!サイコキネシスだ!もらった力は本物だった!?俺、超能力者じゃん!!
「次は、もう少し重いものを持ち上げてみよう。」
俺は、ワクワク、ウキウキする気持ちを抑えきれない。
他に持ち上げるモノがないかなあ。葉っぱよりも重いモノで・・・。そうだ、靴!
自分の靴を脱いで、念動力で持ち上げてみる。
「持ち上がった! 動かせる! 動かせるぞ!!」
靴が、ふんわりと宙に浮いている。俺の視線の動きに合わせて、多少上下しているようだ。
「もっと上がれ!!」
強く念じてみた。
すると、靴はバビュ―――ンとすごい勢いで空に昇って行った。
どこまでも上がっていく靴。止まる様子はない。スゲー! ん?あれ? このままじゃあまずいんじゃ・・・。
「まずい、まずい!」
靴の替えはない、あの靴を失ったら、これから困る!取り戻さないと!
「俺の靴!帰ってこーーーい!」
俺は、靴が返ってくるように、大空で小さな点になっている靴に向かって叫ぶ。
小さくなり続けていた点が、逆に次第に大きくなり、その点は、急激に大きくなり・・・
「ビタ――――――――ン!」
靴が俺のの目の前を通り、その足元に大きな音を立てて着地した。
「おぉーーーっ、びっくりしたーーー。」
靴は、無事に帰還した。はあ、良かった・・・。
これで、俺に、念動力があることがはっきりした。
この力を使えば、魚なんて簡単に獲れるんじゃあないだろうか。
海面を見つめながら、俺は叫ぶ。
「魚よ!来い!」
・・・魚は来ない。
目視していない対象に念動力は働かないようだ。
俺の念動力で魚を捕るためには、見えるところに魚が来る必要がある。
「魚~~~~~~~来~~~~~い~~~~~~!」
やっぱり魚は来ない・・・。
念じながら海面を見続けること1時間。俺の視界の中に魚は来なかった・・・。
魚が獲れないので、海水を持ち上げて遊んでみた。
最初は両手ですくえる位の水、次にバケツ1杯ぐらいの水、難なく持ち上がる。
1トンぐらいの水にも挑戦した。問題ない。
調子に乗って、25Mプール1杯分ぐらいの水を持ち上げようと試みる。
目の前で、巨大な海水の塊が持ち上がっていく。
「おおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!すごいな、俺!」
持ち上げた水を見ると、中に魚がいるじゃありませんか!
「いやっほほう!」
視認できた魚は、念動力で引き寄せられる。
70cmぐらいのスズキによく似た魚が手に入った。
鱗取りにも、念動力を使う。
見えない念動力の手によって、魚の鱗はプチプチっとはがれ、空を飛び海に落ちていく。
皮も、端からきれいにはがれていく。魔法みたいだ。・・・うん、魔法だな。
はがれた皮は、魔法のジュータンのように空を飛び、海に落ちていく。
折りとった巨木の枝を念動力でナイフの形に仕上げた木製ナイフで、魚を三枚おろしにする。ナイフは木製だが、枝に念動力でギュー――っと圧力をかけて成型したので、まるで金属のように固い。
三枚におろした切り身を、海水につけて食べてみる。
「うんまぁぁい!」
魚の切り身は、ほんのり甘く、海水の塩気と相まって、とてもおいしい。
俺は、夢中で食べた。
これ、なんて魚だろう? あっ、俺、鑑定スキル持ってるじゃん!
魚の切り身を見ながら〈鑑定〉と念じてみる。
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〔スズキン〕の切り身 食用可
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何て便利!鑑定スキル!
神様、ありがとう!
自分が乗っている、巨木を鑑定してみる。
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〔天樹〕 食用可
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はっ?食用可?〔天樹〕って、たいそうな名前だなあ。
食用可なら葉っぱが食べられるかな? 葉っぱ、食べちゃおうかな。
誤字脱字言い間違い等、多いかもしれませんが、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
文章のきまりからも結構外れています。すみません。