3 本職の者達に任せたい
蛇に潰され、作り直した拠点……見た目はいまいち、住み心地は足を踏み外しそうになる。
これ本当に住めるのか……。
これが本職の蜘蛛さん達ならもっとうまくできるんでしょうけどね。
まぁ、慣れるしかないが寝るとき寝返りすらできない。落ちそうで!!
今は天井の隅の方に巣を作っている。だがそこに作ると他のモンスターの視界に入りずらいが時々大型モンスターが来ると見つかってしまう。
大型と言っても蛇には有効にはならないと思うが小型のモンスターには有効だと信じたい……。
巣作りに四苦八苦していると《経験値を満たしスキル〈操糸 Lv1〉が〈操糸 Lv2〉になりましました》という声が響て聞こえていた。
この声が日本語なのが気味が悪かった。
それも一瞬のことで、それよりも意識して聞いてみると意味が分かった。
これは何かを行動すると経験値として蓄積し、一定の所まで行くと取得したりレベルが上がるシステムなのだろう。
そうと分かれば後は狩りをしまくるだけだな!
狩りまくって飯を食いまくってレベルアップを目指すか!
目標はLv20だな。
目標も決まったとこだし蜘蛛の巣の成れの果てみたいな天井のは放置して床に巣を作るか……。
でも仕方ないよな~。俺は元人間だし~。モートーニ・ン・ゲ・ンだし~~。
愚痴るのもそこら辺にしてこの空間の床全部に張るのも一苦労だけど、ここに繋がる通路全部によく見かける蜘蛛の巣の罠を三個張っていく仕事が残っている。
2時間かけて巣が完成し、それから1時間かけて罠も張り終えた。
滅茶苦茶大変だった……。
何が大変かと言えば10㎞の道を往復5回は生まれたての子蜘蛛ちゃんにはきついんですよ!
糸を大量に使ったから〈操糸 Lv2〉から〈操糸 Lv3〉にレベルアップし、〈糸 Lv4〉というものがいつの間にかレベルアップしていて焦った。
この頭に流れる声って急に来るから吃驚するからやめてほしい。
それから獲物がかかるまでゆっくり実験していた。
まず、糸の伸縮性はそこまでなく、糸や毛糸ぐらいかたさ。次に粘着力は自分で変えれるにたいで結構強力なのも出来た。太さは1cmから5cmまでなら変化できるが5cm以上は物理的に不可能だと思う。
他に調べることも今の段階では見つからないしこの辺に――。
1番目の通路の罠が引っかかったようだ。