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あのこは

作者: きりよし

「わたしは」の中の、「あの子」sideです。



わたしの、とても大切な子





自分が生まれた時のことは、あまりよく覚えてない


ただ、あの子を初めて見た時のことは、よく覚えていた


とても悲しそうな笑顔をしていた







あの子は、どんな時も笑っていた


悲しい時も、苦しい時も、ずっと笑顔でいた





あの子が転校して、すぐにいじめが始まった


暴行もされた、暴言もはかれた


無視もされた、物も壊された


それでも笑顔でいた




ただ、私に会うときだけは、弱音を出してくれた


それが、とてもいとおしかった





もちろん、いじめを止めようとはしていた


だけど、それは無理だった




暴行を止めようとしても、触ることが出来なかった


暴言を止めようとしても、喋ることが出来なかった


物を壊されていても、貸してあげることが出来なかった





それは当然だろう


だって、私はあの子の心の中にいる


所詮、「想像上の友達」でしかないのだから







私は、そんな自分が、殺したいほど憎かった







だから、死んだんだ







何度も自分を刺した


痛みは感じなかった


それ以上に、自分が憎くてたまらなかった


次第に感覚がなくなって、思うように刺せなかった





最後に見たのは、泣いているあの子の顔だった








私は、あの子がとてもいとおしかった


あの後、あの子に友人が出来たことは、とても嬉しかった






もう、私が守らないでも大丈夫


だから、私のことをもう引きずらないで


あなたはもう、私がいなくても大丈夫なんだから


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