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7.ランクアップクエスト2

 《ブラックスパイダー》が目の前にいる。たどり着いた頃には、「俺達だけで倒してやる」といっていた冒険者パーティーの男が《ブラックスパイダー》の糸に捕まっていた。

 あれだけ自信満々だったから、もっとすごい人たちかと思った。他のパーティーメンバーが、必死にその人たちを助けようとしているけれど《ブラックスパイダー》に邪魔されて、手間取っていたようだ。

「あれ、助けた方がいいかしら?」

「ええ、助けられるのならば」

 Cランクパーティーの人たちは、本当に危ない状況ではないと手を出す気はないようで、あちらのパーティーについているCランクの人も手を出す気配はなかった。なるべくランクアップクエストを受けている者達で完結させるようにということなのだろう。

 助けてしまおうと考えた私は風の魔法を使って、《ブラックスパイダー》の糸を切った。

 それに対して、男の人たちのパーティーは一瞬こっちをにらんだ。睨まれるようなことをしたつもりはないけれど、私に助けられたという事実が嫌だったのかもしれない。

 でもまぁ、それはいい。この男の人たちは、糸から逃れてもすぐに《ブラックスパイダー》を倒せずにいるみたいだ。なら、こっちでやってしまおう。

「私の思いにこたえて。風よ、風、全てを切り裂きなさい」

 声と共に、魔力がのる。先ほど糸を切った時よりも大きな魔力。先ほどはとらえられていた人が傷つかないように調整したためそんな強さの風になった。だけど、今回はもうとらわれている人はいないから、私は全力で風の刃を放った。それは、《ブラックスパイダー》の体を切り裂いた。

「流石、シィ姉様」

「シィ姉様、次いこう、次」

 ミレーナとアレーナが私に向かって、にこにこと笑っている。

 あの男の人たちと、Cランクパーティーの人たちが一瞬で《ブラックスパイダー》の命が狩られたことに唖然としていた。私とミレーナとアレーナがそのまま次の場所に行こうとすると、私たちについてくるCランクパーティーの女性は慌ててこちらについてきた。男性パーティーの人たちは相変わらず唖然としたままだった。



 それから私たちは《ブラックスパイダー》を探しては狩るを繰り返していく。

 《ブラックスパイダー》を倒すことに関しては、問題がなかった。魔法を使ってすぐに倒すことが出来た。巣が出来ているという話だったからそれなりの数はいたけれど、私たちだけで狩っているわけではなく、他のDランクの人たちもやっているからか、案外早くランクアップクエストは終わった。

 ランクアップクエストの結果はといえば、私たちは、

「貴方たちはCランクに上がるのに何の問題もありません。いえ、寧ろ……私たちよりも強いかもしれません」

 そんなことをついてきたCランクパーティーの女性に言われるまでだった。その事実が嬉しかった。ソル君に少しずつ近づけている気がして、嬉しくて仕方なかった。早速ソル君に伝えたいと思っていたのだけど、まだソル君はランクアップクエストの最中だということで、まだ合流できなかった。

 ソル君、大変そうだ。

 Aランクに上がるために一生懸命頑張っているソル君に追いつけるように私も頑張りたい。そう思ったから私、ミレーナ、アレーナでCランクのクエストを少しずつ受けていくことにした。ソル君がランクアップして戻ってきた時に、私たちが足手まといにならないように。ソル君の隣に立てるような人間になりたい。――そう、私は思うから。

 ソル君のパーティーメンバーとして相応しくありたい、とそんな風にも感じるから。私よりも年下なのに、あれだけ強くて、凄い男の子のパーティーメンバーとして相応しくなりたい、ってそう願っているから。

 もちろん、最終的な目標はマリアージュ様だ。あのようになりたいと願っている。

 でも身近な目標はソル君になった。

「シィ姉様、頑張ろうね」

「シィ姉様、ソル君に追いつけるように頑張ろう」

 アレーナとミレーナも私と同じ気持ちのようで、いてくれることが嬉しかった。一緒に国を飛び出してくれた二人がいて、ソル君って目標が出来て、私はとても充実した冒険者生活を送れていると思う。

 それから、しばらくして、ソル君が冒険者ランクAになったということで私たちのパーティーに戻ってきた。

「ソル君、お疲れ様」

 私が声をかけたら、ソル君は笑みを零してくれた。ソル君の笑みは、本当に、びっくりするぐらい綺麗だと思う。こんなに綺麗な男の子が、ギルドランクA。そのギャップも凄いと思う。

「ケーシィもアレーナもミレーナもCランク、おめでとう」

「いつか、おいつくからね、ソル君」

「はは、ケーシィたちならすぐ追いつきそうだね」

 私たちはそんな風に笑い合う。




 そして、ランクアップをした私たちは、次の街に移動することにした。




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