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5.有名になってきた。

 私たちパーティーは、ギルドの仕事を次々とこなしていった。色々な依頼をこなしていくうちに良い経験になったと思う。そうこうしているうちに、私たちはランクアップする条件を満たしていたらしい。

 ソル君もAに上がる条件を満たしてたらしい。凄い。ランクアップには、ランクアップクエストを受けなければならない。そのため、一旦私たちとソル君たちは別行動しなきゃになった。それにしてもあの歳で、もうAランク冒険者になれそうだなんて本当に凄いと思う。

 「シィ姉様、頑張ろうね」

 「シィ姉様、ランクアップどんな感じだろうね?」

 ミレーナとアレーナが私に向かって笑いかける。

 部屋は別だけど宿は同じだし、宿では少なからずソル君と会えはするだろうけどこれから別行動するかと思うと少しだけ寂しく感じる。ソル君が居るのが当たり前になっていたからこそ、そう感じてしまう。

 ギルドで手続きした所、ランクアップのクエストは三日後に行われる。ソル君の方はどうかは聞いていない。いつ、Aランクのランクアップクエスト受けるんだろう。それにしても、Aランクって凄いな。私も、いつか追いつけるかな。ううん、一緒にパーティーを組んでいるんだからソル君に負けないくらいの強い存在になりたい。

 そのために、絶対にランクアップクエストを成功させたい。

 「―――分からないわ。でも私はどんなものでも成功させるつもりよ」

 「ふふ、そうだよね。私も一発で成功させたい」

 「だよね」

 二人がにこにこと笑っていった。

 ミレーナとアレーナは、自信満々だ。一切、不安などないといった態度。私は、ランクアップと聞いて、少しだけ心配はある。どのような依頼だろうかと。

 ランクCに上がることがちゃんと出来るだろうか。出来ない、ことはないと思う。幸いにも私もミレーナもアレーナも魔法の才能が人以上にあったから。

 「シィ姉様、あのね―――」

 ミレーナに話しかけながら三人で歩く中で、私たちは視線を向けられている。

 私たちは結構、有名になってきている。見た目が美しいものが揃っているということもあるだろうともギルドの職員にも言われた。ソル君は今度Aランクに上がったら正式に二つ名というものがつけられるかもしれないんだって。二つ名、いいなぁ、世界から認められた二つ名。

 マリアージュ様みたいな二つ名。

 《炎剣帝》マリアージュ・フロネア。私の幼い頃からの憧れ。マリアージュ様の旦那様に収まっている方も、《光剣》という二つ名を持っている方だ。二人は戦争で活躍してそんな風に有名になった。私もいつか、マリアージュ様みたいに二つ名を……と望んでしまう。そのくらい有名になってみたい。

 「シィ姉様、聞いてる?」

 「あら、ごめんなさい。ちょっと考え事をしていて」

 「マリアージュ様のこと?」

 「そうね……マリアージュ様のことよ。それにソル君のこと。ソル君はギルドランクAになったら正式に二つ名がつくでしょう。それってマリアージュ様と一緒だなと思って、私も―――いつか、そうなれるかなと」

 ソル君は、そう考えるとマリアージュ様に似ていると思った。マリアージュ様はソル君ぐらいの年にはもっと有名だったときく。ソル君はそこまでではない。だけどその年にしては凄く強くて、才能もある。ソル君の剣技は見ていて目を見張るものがある。

 そして、もう二つ名もつこうとしている。本当に、マリアージュ様に、似ている部分多いと思う。

 「シィ姉様なら出来るよ」

 「シィ姉様ならきっといい感じの二つ名いずれつけられるよ」

 ミレーナとアレーナはそういって笑って、「もちろん私たちもいつかつけられたい!」と笑みを零した。

 「そのためにも、三日後のランクアップ試験、頑張らなきゃね」

 「「うん!!」」

 三日後のランクアップクエストに向けて、体を休めることも重要かもしれない。でもいよいよランクアップクエストだと思うと落ち着かなくて、体が疲れない程度に三人で様々な依頼を受けた。

 そしてそうこうしているうちに、ランクアップクエストの日が訪れた。

 その間、ソル君には全然会うことはなかった。ソル君はソル君で、自身のランクアップクエストのために必死に行動しているのだろう。ソル君のことは心配していない。Aランクにきっとなることだろう。

 

 ―――私たちは私たちで、ランクCになるために頑張ろう。


 「じゃあ、行くわよ」

 「うん、シィ姉様」

 「ええ。シィ姉様」

 私の言葉にミレーナとアレーナが頷いてくれる。そして私たちはギルドの扉を開けた。

 「ランクアップクエストを受けに来ました」

 「はい。ケーシィ様、ミレーナ様、アレーナ様ですね。お話はお伺いしております。では、あちらの部屋へどうぞ」

 ギルドの職員に言われるままに、私は案内される部屋の中へと足を踏み入れるのであった。




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