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Promessa della notte scura―死神の軌跡―  作者: 俺夢ZUN
第1楽章 死神の伯爵(デス・カウント)
5/6

第3話 



体調悪くて、小説進まない・・・・・・Orz

さて、そんなこんなで第3話です。



学校が近付くと、学校に向かう生徒が校門まで走っていた。

それを横目にレイは、特に急ぐでもなく普通に歩いて校門に向かう。


最早、遅刻はどうでも良くなっていた。 遅れるモンは遅れる。


どうせ、面倒くさいと言っても、教育指導の教師がピーピー喚くだけだ。 意に介さなければいい。


さっき店に寄って買ってきたジェラートを食べながら、校門へ続く坂道を上っていく。


春だというのに無駄に暑い。

坂道を上っている所為だとは思うが、それでも去年はこんなに暑かったか、と思わせるほどだ。


「離せと言っている!」


不意に強気な女子の声が聞こえた。

坂道の少し先で一人の女子が何人かの男子に絡まれている。


暇人め・・・・・・。

こんな暑い中、良くやるな・・・・・・。


面倒くさいと思いつつ、目の前で馬鹿みたいに群れられているのも邪魔だ。

人助けはガラではないが・・・・・・鬱陶しい。


レイはため息を吐くと、男子生徒の1人に手に持っていたジェラートを押し付けた。


「邪魔だ」


べちゃっ、という音と共に、男子のシャツに紫の染みが出来る。


いきなり押し付けられた冷たい物体に驚いたのか、男子は飛び上がるように振り向いた。

その顔は、ナンパを邪魔されたことに腹が立っているのか、額に青筋が出来ていた。


「冷てぇなぁ・・・・・・」


睨んでくる男子に臆することもなく、レイは自分よりも低い男子を見下ろす。

すると、残りの3人の男子がレイを囲んできた。


やっぱ、面倒くさい。

レイは、助けようとしたことを後悔し始める。


これが、ゴリッゴリの二つ三つ名のある超エリート死宣告者なら、喜んで戦っていただろうが・・・・・・よく考えればこれは、つまらない喧嘩だ。


今日は何て日だ、全く。


「てめぇには関係ねぇだろ!」


怒鳴りつけるように言うと、レイによってシャツをジェラートまみれにされた男子が、レイに向かって殴りかかってきた。


一般人の男子の動きは、死宣告者や軍人などに比べて直線的すぎる為、レイにそれが通用する筈もなく、あっさりと躱される。


校門が直ぐ目の前の為、あんま面倒事を起こして、更に教育指導に絡まれても面倒だな・・・・・・。


レイは直ぐに終わらせようと、鞄を放って殴りかかってくる男子の腕を掴んで、そのまま背負い投げの要領で男子を投げる。


勿論、レイは手加減という単語を知らないので、男子の腕から鈍い悲鳴が上がって、腕が逆方向に曲がった。


他の3人は臆して、その男子を抱えると、「覚えてろよー!」とか古くさい捨てセリフを言って、その場を立ち去る。


その場には、レイが男子高生に押し付けて落ちたジェラートのコーンの残骸がポツンと残っていた。


「折角のジェラートが台無しだな・・・・・・」


レイにしては珍しく、ポツリと残念そうに呟く。

実は最後の一品だったのだ。


「あの・・・・・・」


軽くショックを受けていると、レイに声が掛けられた。


振り返ると、自分の鞄を取ってくれたらしい、先程の少女が済まなさそうな表情を浮かべて、立って居た。

レイは、無表情で少女を見下ろす。


先程は、男子達の陰に隠れて見えにくかったが、少女はとても顔立ちがはっきりしていて、印象的な顔をしている。


南の人間とは思えないくらいに透き通っている陶器の様な白い肌に、長くて黒い髪は肩より少し下辺り、何より印象的だったのは、その目である。


右目は強気な印象を持つ黄金の瞳、左目は何処までも深い海のようなインディゴの瞳をしている。 所謂、オッドアイだ。


この南イタリアでは、極めてそう珍しい事ではない。

ある限定された一族が持っているからだ。


それは、彼もよく知っている──いや、知らない人間は居ないだろう。

その一族というのは、イタリアの王家とその眷族のことだから。


それが解ると、尚更、「助けるんじゃなかった・・・・・・」と、レイは後悔する。

その少女は、王女と共に約10年前に行方不明になった少女に似ているからだ。


王家の一族は無駄にプライドが高く、守られたり助けられたりすることを嫌う。

ただ、例外も居ないことはないが。


それを知っているレイだから、尚更に後悔した。


レイは後悔しながら、鞄を受け取った。

よく見ると、少女はレイの通っている学校の中等科の生徒だった。


「助けてくれてありがとうございました。

あの・・・・・・すみません、ジェラート・・・・・・」


丁寧に頭を下げると、少女は先程の無残なジェラートに目を向ける。

ジェラートに向かって蟻が行列を成して、少しずつその残骸を運んでいた。


台無しのジェラートから現実逃避する様に目を逸らすと、レイは少女に背を向ける。


「別に、助けた訳じゃない。 ただ、邪魔だっただけだ。

気にしなくて良い」


それだけを言うと、レイは学校とは反対方向に歩いて行く。


もう、学校に行く気にもならない。 幸い、今日は始業式だけだ。


別に出なかったからって、単位が落ちる訳じゃない。

ただ、教師が五月蠅くなるから面倒くさくなるだろうが、俺の知ったことか。


さて、ジェラート売っている所はこの辺にあったか?



*お知らせ

これから、体調とかの関係で今までよりも更新率がグッと下がります(;∀;)

詳しくは、活動報告にて報告しときますので、そちらを参照に。


では、これからも「Promessa della notte scura―死神の軌跡―」をどうぞよろしくお願いします!

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