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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

復讐

作者: K

>

「お母さん!!お母さーん!」

その日は1人の少女が泣いていた。

朝が来て少女は目を覚ました。いつもならお母さんがごはんを作って待っているのだが姿はなかった。

「お母さん…。許さない復讐してやる!」

少女は包丁を握りしめ階段をのぼり部屋に向かった。そこには夫が寝ていた。

「許さない…。」

夫に向かって包丁をふりおろした。

「んー。」

夫が目を覚ました。少女は慌てて包丁を後ろに隠した。

「あっ!里英おはよう。」

「おはよう。」

「何かあったのか?」

(お前がお母さんを殺したんだろ…。)

夫は下へ行った。少女は包丁を夫の引き出しにしまい下へ向かった。

「朝ごはん何がいい?」

「何でもいい。」

夫はフライパンを出し目玉焼きを作り始めた。

「よかったな!花が死んでさ…。」

(お母さんを殺しといてよくそんな事が言えるよ…。)

夫の言葉に少女は悔しくてたまらなかった。

「出来たぞ。」

目玉焼きを持ってきた。少し焦げ臭い匂いがしたが気にせず口に運んだ。

「お母さんが死んでそんなにうれしいの?」

「ああ。あいつがいるとうっとうしくてさ…。」

「そうなんだ…。」

自分の怒り必死でを抑えこんだ。夫が新聞を見ながら言った。

「それでさ…。里英!新しいお母さんをさ見つけないか?」

「ごちそうさま。」

「もういいのか?」

走って二階に向かった。悔しさのあまり涙がこぼれてきた。

「何で?お母さんが殺されなきゃ行けないの?」

拳で壁を何度も叩いた。

(新しいお母さんなんていらない…。)

「おーい!里英どうした?」

夫が上がってきた。急いで涙を拭いた。

「何でもないよ♪」

笑顔で言うのがつらかった。

「そうか…。」

っといい夫は下へ行った。

(全然良くないよ…。この人殺しが!!)

さっきしまった包丁を取りに夫の部屋に向かった。引き出しを開けた。

「ない…。何で?」

たしかに朝しまったはずの包丁がなかった。

「探しているのはこれかい?」

後ろを振り向くと夫が包丁を持って立っていた。

「…!?」

「勝手に引き出しを開けられちゃ困るんだよね…。」

「ごめんなさい。」

涙が溢れてきた。

「もし次こんなことegw里英!お前の命は無いぞ…。」

っと言い下へ降りていった。

「うっ!お母さんに会いたいよ…。」

ピンポーン!家のインターホンが鳴った。

「里英!でろ!」

っと言われ玄関を開けると郵便屋さんがいた。

「お届けものです!」

印鑑を押し郵便物を受け取った。

「ありがとうございました。」

郵便物を夫に渡した。

「何だこれ?」

「ヒモ…ナイフ…手錠…。」

人を殺す道具だとわかった瞬間次は自分が殺されるのではないかと壁に寄り添った。

「きたきた…。これでいつでもお前の事が殺せるよ…。」

「…!?」

驚きのあまり思わず口をふさいだ。

(どうしよう…)

怖くなり逃げようとしたら夫に手を握られ動く事ができなかった。

「二階にいくの…。」

「変な真似したら殺すからな…。」

「わかりました…。」

その時に少女はあることに気がついた。

(もし…。これで殺せたら…。)

逆に殺してやろうという考えだった。夫はいびきをたてて寝ていた。その時を見計らいまずは手錠をかけヒモで縛りナイフをふりおろした。ぐしゅ!辺り一面に血が飛び散った。

「やった…。復讐が出来た。」

息をしていないことを確認し警察を呼んだ。しばらくして警察がやって来た。少女は事情を説明した。

「誰かに殺されたようです。」

「そんなっ!お父さん…。」

わざと悲しい声を上げた。(お母さんやったよ…。)

心のなかでは喜んでいた。警察が夫の死体を運び込む。外には何事かと人がたくさんいた。

少女は親戚の家で暮らすことになった。

「お邪魔します…。」

「あら!里英ちゃん入って。」

中に入るといい匂いがした。するとお腹がなった。

「あっ!」

「丁度いま冷やし中華出来たの食べて食べて!!」

ここの家には紗江さんが一人暮らしをしていた。初めてなため緊張していた。

「お母さんとお父さん残念ね…。」

「はい…。」

壁に貼ってあるポスターがめに入った。

「あっ!これねー。花が好きだった歌手の写真よ!」

たしかにそこにはお母さんがよくテレビで見ていた嵐のポスターがあった。

「おいしい?」

「はい…。」

何故だかポスターを見ていたら涙がこぼれてきた。

「大丈夫!?」

「はい…。すいません。」

タオルを渡され顔を拭いた。

「トイレ行ってきます!!」

「どうぞ。」

すると電話がかかってきた。

「もしもし?あっ!大倉さん!久し振り!!」

トイレから出てきて部屋に入ろうとしたら恐ろしい話を聞いてしまった。

「うん。ムカつくのよね。安藤家族!だからお母さんとお父さんがしんでくれて嬉しかった!あとは里英ちゃんだけ!殺すから安心してね!うん。バイバイ!」

(まずい…。殺される!!)

部屋に入ると紗江さんが慌ててキッチンへ向かった。

「洗い物するから好きな番組見ていいわよ」

「はい…。」

テレビをつけるとニュースがやっていた。

『安藤正利さんが何者かによって殺されました。』

少女はただそれを呆然と聞いていた。

(紗江さんも殺さなきゃ!!)

キッチンへ向かい包丁を取りだし紗江さんに向かってさした。

「里英ちゃん…。」

その場にたおれこんだ。少女はまた警察を呼んだ。警察は不思議に思い少女が殺したのではと疑った。少女は必死で首をふった。

(悪いのは全部あいつらだ)

「わかった!」

警察はそう言うと家を後にした。

(またやっちゃった…)

それから10年の月日がたった。少女は20歳になっていた。

「直紀!!」

今は彼氏の直紀がいる。

「里英!今日も元気だね!」

直紀と出会ったのはこの間合コンで知り合ったばかりだ。

「ねぇ直紀…。今からさ…。直紀の家行ってもいい?」

「いいよ!!今すぐ行くぞ!」

直紀のいえに行くのは今日が初めてだ。

「お邪魔します!!」

「特別だぞ!」

「ありがとう!」

べっとの上に飛び込んだ。

「うひょー」

「騒ぐなよ!」

っと頭を叩かれた。恥ずかしくなり顔が赤くなった。それを見た直紀に笑われた。

「はははは!」

「何よ…。」

ふと時計を見た。

「やばい!仕事始まっちゃう!ごめん!今日はありがとう!」

「おお…。」

慌てて出ようとした時赤いヒールの靴が目に入った。

(誰のだろう…。)

あんまり気にせず仕事へ向かった。

その頃直紀の家ではもう1人の女性が出てきた

「もう!誰なの?あの子?」

「俺の偽者の彼女さ!里英って言うんだ!!」

「好きなの?」

女性は手を肩においてきた。

「里奈…。お前が一番さ!」

手を握った。

「ありがとう!」

っと耳元でささやいた。

(あの靴は誰のだったのかな…。)

気になり直紀に電話をかけた…

「もしもし?」

「あっ!直紀?私!里英!」

だがその声は直紀ではなかった。

「どちら様ですか?」

「えっ?」

直紀はお風呂からあがってきて里奈が電話をしているのを見て焦った。

「かせ!もしもし!里英か?」

「どういうこと…。なの?」

「さっきのは俺の姉ちゃん!お風呂はいったからでてくれたの…。」

妙に慌てる直紀が不思議に思った。

「彼女?」

「どちら様?」

直紀ではない声が聞こえた。さっきの女の声だ。

「直紀?」

「すまない。浮気してた。」

その言葉に唖然とした。

「最低!!もう私と関わらないで!」

「里英!」

信じていた直紀に裏切られた事で復讐の言葉がよぎった。10年前と同じように。

「裏切り者…。」

直紀は嬉しそうに里奈に寄り添った。

「これで邪魔者が消えたよ…里奈。」

「直紀…。」

その日は深い悲しみで泣き崩れた。

「どうして?直紀…。」

涙で床が濡れていた。

「直紀?」

「どうした?」

「ありがとう!」

2人は眠りについた。

次の日。里英はナイフを鞄に入れ手袋をし出掛けた。

「直紀♪」

「里奈!愛してるよ!」

「ありがとう!」

ピンポーン。

「はーい。里奈はここにいて!」

「うん。」

玄関を開けると里英がたっていた。

「さよなら」

ぐさっ!

「うっ…。」

里英は何事もなかったように去っていった。

「直紀?大丈夫?」

玄関に向かうと直紀が倒れていた。

「直紀!?待って救急車呼ぶから!!」

電話を手に取り救急車を呼んだ。しばらくして救急車がやって来て病院に運ばれた。

「直紀!!」

泣きながら叫んだ。病院につくと急いで手術室に運びこまれた。

廊下で待っていたら手術が終わり医師がやって来た。

「直紀は?無事何ですか!」

「無事ですよ。」

嬉しさのあまりその場に座り込んだ。

「よかった。」

直紀に会いにいくと直紀は笑顔で

「心配かけてすまなかった。」

っと言った。走って直紀の元へ向かった。

「直紀ー。」

思わず抱きついた。ポケットから眼鏡を取りだし直紀に渡した。

「はい!」

「ありがとう!」

その頃里英は直紀が死んでない事を知り悔しがっていた。

(何故死んでないんだ…。)

「1週間ほど入院して下さいね。」

「はい。」

「私毎日お見舞い来るから!」

直紀は嬉しそうに微笑んだ。

「どういう関係なんです?」

っと聞かれ恥ずかしそうに答えた。

「中学の同級生です。」

「しかも同じ5番何ですよ!」

「凄いですね…。」

医師は部屋を後にした。里奈と直紀は2人で顔を見合わせて笑った。

すると警察がやって来た。事情を説明してほしいとのことだった。

「里英です…。別れたばかりの…。」

「きっと裏切られた事に腹がたったのでしょう。」

警察は直紀からメールアドレスをもらい里英を捕まえる事にした。

「これで一件落着だね!」

「ああ。里英のやつ自分から関わるなって言って起きながら殺しに来たりして何なんだか…。」

その頃里英は1人泣いていた。

「お母さん…。」

昔の事を思い出しながら泣いていた。

「直紀?お見舞いに来たよ♪」

「ありがとう!里奈!」

直紀が元気で何よりだった。里奈は毎日直紀のお見舞いに行った。雨が降ろうと。そして医師から退院の許可をもらった。

「元気で何よりだよ…。」

「ありがとう!」

帰りに里英に会った。だが里英はそのまま何も言わず行ってしまった。

「謝りなさいよ!直紀に怪我させといて…。」

「いいんだよ!」

里英は踏切へ向かい電車が来たのを見るとそのなかに飛び込んだ。周りのひとは急いで救急車を呼んだ。病院についたが死亡が確認された。だが悲しむ人は誰1人いなかった。お母さんは夫にころされた。その夫を自分で殺した。親戚の紗江さんも殺した。復讐するために殺したのだ。

「直紀…。」

「里奈ー!!」

里奈は何者かにより殺された。その悲しみで直紀は自殺をはかったのだ。こうして長かった里英の復讐は終わったのだ。何もかも…。

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