第37話 真実
テレビを消した部屋から一夜明け。
愛ちゃんがまだ震え気味に
「おじさん……昨日ので十分ヤバいのに……」おじさん
「朝からニュース見るか?」……おはようございます。
天動説ニュースの時間です。昨夜未明――
街頭インタビューを巡る問題について
政府は調査を開始しました。ニュースキャスター
「番組制作の実態について」
「独自の映像が入っています」スタジオ
「おおお……」映像が流れる。
(昨夜の現場と同じ夜の街。ライト。カメラ。そしてあのカメラマン)カメラマン
「はい」
「もう一度お願いします」市民
「え?」カメラマン
「そのまま」
「夜も安心して歩けます」市民
「夜も安心して歩けます」愛ちゃん
「またそれか!!」カメラマン
「いいですね」
「もう一回」市民
「夜も安心して歩けます」愛ちゃん
「何回言わせんねん!!」その時。
別の市民が口を開いた。市民B
「……あれ」
「これヤラセだろ?」スタジオ
「ざわざわ」愛ちゃん
「言うた!!」しかし
カメラマンは動じない。カメラマン
「いいですね」
「それも使います」愛ちゃん
「使うんかい!!」
スタジオ
「おおおお……」専門家が登場する。専門家(真顔)
「解析の結果」
「この問題の99割は」
テレビです記者
「残り1割は?」専門家
「多分テレビです」愛ちゃん
「全部テレビや!!」街頭インタビュー
市民
「テレビがあるので安心です」
「夜も安心して歩けます」愛ちゃん
「だから何が安心なんや!!」その時。
カメラマンが
静かにカメラを下ろした。そして言った。カメラマン
「テレビって」
「残酷ですよね」スタジオ
「…………」愛ちゃん
「急に深いこと言うな!!」ニュースキャスター
「なお専門家によると」
「真実の99割は」
編集です記者
「残り1割は?」専門家
「多分編集です」街頭インタビュー
市民
「編集があるので安心です」
「夜も安心して歩けます」愛ちゃん
「何も解決してへん!!」画面の端。
カメラマンは
また
撮影を始めていた。……レンズが、再びゆっくりとこちらを向く。




