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第31話 カメラマン


ニュースはまだ続いていた。

ニュースキャスターが言う。

「ツチノコの天ぷら問題について」

「専門家による追加コメントが入りました」

画面が切り替わる。

スタジオ。

専門家が真顔で言った。

「今回の件ですが」

「統計的に見て」

「99割問題ありません」

キャスター

「なるほど」

専門家

「はい」

「むしろ」

「ツチノコの天ぷらは」

「健康に良い可能性があります」

キャスター

「健康に?」

専門家

「はい」

「高タンパク」

「低脂肪」

「幻獣由来です」

スタジオが静まり返る。

キャスターが言った。

「なるほど」

「それでは街の声を聞いてみましょう」

画面が切り替わる。

街頭インタビュー。

男性

「夜も安心して歩けます」

女性

「夜も安心して歩けます」

サラリーマン

「夜も安心して歩けます」

その時。

通行人の一人が言った。

「これヤラセだろ」

一瞬。

空気が止まった。

ディレクターの声。

「カット」

「いや」

「いいから続けて」

カメラが少し揺れる。

そしてまた別の人にマイクが向く。

女性

「夜も安心して歩けます」

カメラマンは黙っていた。

その目は

なぜか

少し笑っていた。

テレビの前。

俺はエアロバイクを漕いでいた。

愛ちゃんが言った。

「おじさん」

「なんだ」

愛ちゃん

「今のカメラマン」

「どうした」

愛ちゃんは言った。

「さっきの人」

「昨日のニュースにもいました」

「……」

バチン!!

エアロバイクが鳴った。

俺はつぶやいた。

「……」

そして言った。

「これは」

「ストレスバイクULTRAだな」

愛ちゃん

「違います」

「世界が壊れてきてます」

テレビの中では

また街頭インタビューが始まっていた。

男性

「夜も安心して歩けます」

カメラの奥で

カメラマンが

静かに言った。

「……いいから続けて」

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