第23話「レビュー欄」(加筆修正・ブラッシュアップ版)
テレビをつける。
ニュース番組だった。 アナウンサーが真顔で言う。
「本日は、マッスルシャーク社の新商品『ツチノコの天ぷらキャンペーン』が話題になっています」 画面にデカデカとテロップ。
レビュー平均 ★4.99 俺
「レビュー高すぎだろ」 愛ちゃん
「おじさん」
「レビューを紹介するそうですわ」 テレビが切り替わった。★★★★★
泣きながらイッキ読みしました。
私もツチノコ食べたいです。
(主婦)★★★★★
衣がサクサクで
人生を考え直しました。
(会社員)★★★★★
専門家によれば
99割ツチノコです。
(専門家)★★★★★
子供が泣きながら
ツチノコおかわりしました。
(母)★★★★★
これで夜も安心して歩けます。
(男性)俺
「レビューが意味不明すぎる」 愛ちゃん
「おじさん」
「全部同じ人の文章に見えますわ」
「コピペですよね、これ」 俺
「つまり」
「サクラだな」 その瞬間。
テレビに街頭インタビュー。 男性
「ツチノコの天ぷらを食べてから
夜も安心して歩けます」 後ろから声。
「いい絵だ」
「続けて」 カメラマンだった。 俺
「やっぱりサクラじゃねえか」 愛ちゃん
「おじさん」
「レビュー欄がまだ続きます」 テレビが続いた。★★★★★
泣きながらイッキ読みしました。
ツチノコが尊いです。 ★★★★★
専門家によれば
ツチノコは99割衣です。 ★★★★★
マッスルシャーク社長は神です。
(社員)俺
「社員レビュー混ざってるぞ」
「もう隠す気ゼロやん」 愛ちゃん
「おじさん」
「最後のレビューですわ」 ★★★★★
泣きながらイッキ読みしました。
私もツチノコ食べたいです。
(専門家)俺はテレビを消した。 静かになった部屋で
エアロバイクをこぐ。
バチン!!
バチン!!
バチン!! 俺
「これは」
「ストレスバイクだな」 愛ちゃん
「おじさん」
「レビューは信用できません」
俺
「でも」
「泣くほど美味いなら」 少し考えて言った。
「一回くらい食べてもいいかもしれないな」 愛ちゃん
「おじさん」
「嫌な予感しかしませんわ」 俺はペダルを回した。
バチン!!
バチン!!
バチン!! 俺
「まあいい」
「専門家も言ってるし」 テレビの言葉を思い出した。
「これで」
「夜も安心して歩けます」 愛ちゃん
「おじさん」
「夜」
「怖くて歩けません」 俺はペダルを止めた。
そして言った。
「大丈夫だ」
「愛ちゃんが隣にいるからな」 少し沈黙。 エアロバイクがまた鳴った。
バチン!!
俺
「……」
「やっぱり」
「ストレスバイクだな」
愛ちゃん
「……はい」
(続く……ツチノコ天ぷら、届く日が来るのか?




