第22話「社員インタビュー(ツチノコキャンペーン)」(加筆修正版)
ニュースキャスター
「続いてのニュースです」
「現在、マッスルシャーク社が大きな注目を集めています」 画面が切り替わる。
巨大な看板。
マッスルシャーク株式会社
そこにはこう書かれていた。 365日保証
異音は加護
努力は音になる 愛ちゃん
「嫌な会社ですわ」 俺
「すごい会社だな」 ニュースキャスター
「今回は特別に」
「マッスルシャーク社の社員へインタビューを行いました」 社員インタビュー①
目が完全にバキバキの社員。 社員①
「以前は普通の人間でした」
「ですが」
「マッスルシャークのプロテインを飲んでから人生が変わりました」 キャスター
「プロテイン?」 社員①
「はい」
「プロテインという名の謎の粉です」 愛ちゃん
「言いましたよ」 社員①
「飲んだ瞬間」
「睡眠時間が0秒になりました!」 キャスター
「0秒?」 社員①
「はい!」
「ずっと働けます!」
「社長は神です!」 愛ちゃん
「危険ですわ」 俺
「元気そうだぞ」 社員インタビュー②
社員②
「社長には人生を救われました」 キャスター
「どういうことでしょう」 社員②
「以前私は体脂肪率25%でした」 愛ちゃん
「普通です」 社員②
「ですが」
「マッスルシャーク社に入社してから」
「体脂肪率が未測定になりました」 キャスター
「未測定?」 社員②
「はい」
「測る必要がないんです」
「なぜなら」
「努力は音になるからです」 遠くから聞こえる音。
ゴン。
ゴン。
ゴン。 愛ちゃん
「ただの異音ですわ」 社員インタビュー③
女性社員。 女性社員
「社長と結婚したいです」 キャスター
「え?」 女性社員
「社長は世界一素敵な女性です」
「365日保証してくれます」 キャスター
「何を保証するんでしょう」 女性社員
「企業です」 キャスター
「……」 愛ちゃん
「意味が分かりませんわ」 俺
「すごい会社だな」 社内の様子
社員たちが並んでいた。
全員エアロバイクを漕いでいる。
ゴン。
ゴン。
ゴン。 社員全員
「異音は加護!」
「異音は加護!」
「異音は加護!」 愛ちゃん
「完全に宗教ですわ」 新商品発表
ニュースキャスター
「さらにマッスルシャーク社は」
「新商品を発表しました」 巨大ポスター。
そこには書かれていた。 新発売
ストレスバイクPLUS
ホワイトデーキャンペーン
今だけ15%オフ
365日保証 そしてその下に。
今ならツチノコの天ぷら2kgプレゼント スタジオが静まり返る。 キャスター
「……ツチノコ?」 専門家
「99割ツチノコですね」
「ツチノコは99割実在します」
「この研究は生物学界に激震を与えました」
「ノーベル賞受賞です」 愛ちゃん
「ノーベル賞を安売りするな」
「幻獣を天ぷらにするな」 俺
「ツチノコ食べたい」 街頭インタビュー
男性
「これで夜も安心して歩けます」 通行人
「……サクラだろ」 別の通行人
「絶対サクラだろ」 カメラマン
「続けてください」 男性
「これで夜も安心して歩けます」 スタジオ
ニュースキャスター
「なお専門家は今回のキャンペーンについて」
「99割問題ないと発表しています」 専門家
「99割安心です」 キャスター
「根拠は?」 専門家
「99割だからです」 愛ちゃん
「終わっていますわ」
テレビの向こう。
突然。
高笑いが響いた。 「ホーーーッホッホッホ!!」 画面に現れる女性。
マダム・シャーク。 マダム
「皆様」
「安心してください」
「365日保証ですわ」 (突然ガタン!) マダム
「あら」
「くまちゃん……ぽろ」 マダム
「えーん!!」
「くまちゃーん!!」 (一瞬の沈黙) マダム
「ホーーーッホッホッホ!!」
「しかも」
「ツチノコの天ぷら2kg付きですわ」 俺
「……」 愛ちゃん
「……」 俺
「やばい会社だな」 愛ちゃん
「かなりやばいですわ」
テレビではまだインタビューが続いていた。 男性
「これで夜も安心して歩けます」 通行人
「サクラだろ」 カメラマン
「続けてください」 男性
「これで夜も安心して歩けます」 俺
「意味がわからん」 愛ちゃん
「私もです」 遠くで。
またあの笑い声が響いた。 「ホーーーッホッホッホ!!」 (続く……ツチノコ天ぷら届く日が来るのか?)




