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第10話 365日保証


朝だった。

俺はテーブルに座っていた。

目の前のグラスから

シュワシュワ…

泡が上がっている。

俺は一口飲んだ。

ブフ!

俺は言った。

「不味い」

「なんだこれ」

愛ちゃんが言う。

「炭酸です」

俺は言った。

「コーヒーが炭酸になってる」

愛ちゃんはスマホを見た。

「商品名」

「マッスルスパークリングコーヒー」

俺は言った。

「最悪だ」

その時だった。

テレビ画面に女性が映る。

巨大な扇子。

高笑い。

ホーッホッホッホッホ!!

女性が言った。

「おはようございます皆様」

「マッスルシャーク社」

「社長」

「マダムシャークですわ」

俺は言った。

「誰だよ」

愛ちゃんが言う。

「マッスルシャーク社」

「エアロバイクの会社です」

マダムが続けた。

「本日の差し入れ」

「炭酸コーヒー」

「マッスルシャークからの差し入れですよー」

ホーッホッホッホ。

俺は言った。

「なんで?」

愛ちゃんが言う。

「企業PRですね」

俺はもう一口飲んだ。

ブフ!

俺は言った。

「不味い」

その時だった。

ゴン

部屋の隅から音がした。

俺は振り向く。

エアロバイク。

俺は言った。

「……また鳴った」

愛ちゃんが言う。

「またですね」

俺は言った。

「昨日より音大きくなってない?」

愛ちゃんは冷静だった。

「大きくなっています」

「九九割」

俺は言った。

「その専門家どこにいるんだ」

テレビが速報を流した。

ニュースキャスターが言う。

「速報です」

「本日未明」

「全国のエアロバイクから」

異音が発生しました

俺は言った。

「なんでだよ」

ニュースが続く。

「専門家によると」

「これは故障ではなく」

加護の可能性があります

スタジオ。

ざわつく。

コメンテーターが言う。

「なるほど」

「守護音ですね」

専門家が出てきた。

専門家(真顔)

「解析の結果」

「九九割」

加護です

愛ちゃんが言った。

「帰ってください」

ニュースは続く。

「今回の異音について」

「マッスルシャーク社がコメントを発表しました」

画面。

マダムが笑っている。

ホーッホッホッホッホ!!

マダムが言う。

「皆様ご安心ください」

「それは故障ではありません」

「加護ですわ」

俺は言った。

「意味分からない」

マダムは続けた。

「365日保証とは」

「365日」

「お客様を守る保証」

「つまり」

「壊れても安心」

「壊れなくても安心」

「壊れそうでも安心」

「安心ですわ」

ホーッホッホッホ。

俺は言った。

「意味分からない」

ニュースが続く。

「なお」

「今回の異音について」

「ユーザーからの問い合わせが」

「一日三万件」

スタジオがざわつく。

キャスターが言う。

「対応できるのでしょうか」

画面。

マダムが笑う。

「もちろんですわ」

「365日保証」

「つまり」

「365日」

電話できます

ホーッホッホッホ。

俺は言った。

「それだけ?」

愛ちゃんが言う。

「それだけです」

その時。

エアロバイクが鳴った。

ゴン

俺は言った。

「……電話するか」

(以降同じ流れ)

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