第8話 ○ーソン逆詐欺事件
夜。
おじさんはコンビニに来ていた。
青い看板。
○ーソン。
おじさん
「腹が減った」
愛ちゃん
「さっき唐揚げ食べましたよね」
おじさん
「それは宇宙の水だ」
愛ちゃん
「まだ言うか」
おじさんは店内を歩く。
すると。
ポップが目に入った。
メガ盛り増量中
おじさん
「……」
愛ちゃん
「キャンペーンですね」
おじさん
「おかしい」
愛ちゃん
「何がです」
おじさん
「企業は普通」
「減らす」
愛ちゃん
「ひどい前提やな」
おじさん
「なのに」
「増えている」
愛ちゃん
「サービスです」
おじさん
「つまり」
おじさん
「逆詐欺だ」
愛ちゃん
「詐欺ちゃうわ」
おじさんは棚を見る。
しかし。
メガ盛りが無い。
おじさん
「……」
愛ちゃん
「売り切れですね」
おじさん
「違う」
おじさん
「これは」
「逆詐欺の隠蔽だ」
愛ちゃん
「被害妄想や!!」
その時。
テレビコーナーからニュースが流れる。
ニュースキャスター
「緊急速報です」
スタジオ
「おお……?」
「ざわざわ」
「スタジオざわつき」
ニュースキャスター
「○ーソンの」
メガ盛り逆シリーズが
「売っていないことが発覚しました」
スタジオ
「おおお……」
「スタジオ騒然」
ニュースキャスター
「政府はこの件を」
極めて悪質なテロ行為
と認定しました。
愛ちゃん
「何でや!!」
ニュースキャスター
「現在」
**国家転覆罪の疑いで再逮捕されています」
愛ちゃん
「コンビニ逮捕されとるやないか!!」
スタジオの専門家。
専門家(真顔)
「解析の結果」
「メガ盛り商品の99割は」
**売り切れです」
記者
「残り1割は?」
専門家
「多分売り切れです」
愛ちゃん
「全部売り切れや!!」
――その後。
街頭インタビュー。
市民A
「売ってないので安心しました」
市民B
「夜も安心して歩けます」
愛ちゃん
「安心要素どこや!!」
おじさんは静かに言った。
おじさん
「宇宙は厳しい」
愛ちゃん
「コンビニや」
――帰り道。
夜の街。
コンビニの前で、おじさんが立ち止まった。
ポスター。
一番くじ
おじさん
「夢がある」
愛ちゃん
「やめとけ」
おじさん
「一回いくらだ」
店員
「700円です」
愛ちゃん
「高いわ」
おじさん
「夢の値段だ」
愛ちゃん
「ハズレの値段や」
おじさんはくじを引いた。
店員
「残念賞です」
おじさん
「……」
愛ちゃん
「ほらな」
おじさん
「夢は終わらない」
愛ちゃん
「終われ」
帰り道。
静かな夜。
おじさん
「楽しかったな」
愛ちゃん
「……」
少しだけ間。
愛ちゃん
「ふふ」
愛ちゃん
「楽しかったね」
おじさん
「そうだな」
宇宙の中心は
今日も動かなかった。




