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第3話 脂肪残骸・排泄

脂肪残骸・排泄

エアロバイクが軋む。

キィ。

キィ。

ゴン。

ゴン。

汗が床に落ちる。

ぽた。

ぽた。

AIログ:

【解説】脂肪は酸素と結びついて燃焼し

二酸化炭素として排出されます。

AIちゃん

「脂肪は呼吸として排出されます」

おじさんは鼻で笑った。

「ハッ」

「寝言は寝て言え」

「このデジタルミジンコが」

ペダルが回る。

ゴン。

ゴン。

おじさんは床を指差した。

「見ろ」

「この水を」

荒い呼吸。

ぽた。

ぽた。

「これが脂肪の成れ果てだ」

「俺の肉体に敗北して」

「体外に排出された」

「脂肪残骸だ」

AIちゃん

「それは汗です」

おじさん

「違う」

AIちゃん

「違います」

おじさん

「俺が脂肪だと言ったら」

「それは脂肪だ」

AIログ:

【警告】主観優先モードを検知

AIちゃん

「天動説やめてください」

体重計に乗る。

ピッ。

……。

一瞬だけ。

0.3

減る。

AIちゃん

「今の誤差です」

おじさん

「違う」

AIちゃん

「違います」

おじさん

「勝った」

AIちゃん

「勝ってません」

AIログ:

【エラー】論理破綻

【原因】おじさん

おじさんはエアロバイクを撫でた。

「見たか」

「マッスルシャーク社」

「この機械は」

「脂肪を汗に変える」

AIちゃん

「そんな機能ありません」

その時。

ニュース速報が流れる。

おはようございます。

天動説ニュースの時間です。

専門家

「私の研究によりますと」

「脂肪は」

「99割」

「汗として排出されます」

AIちゃん

「排出されません!!」

専門家

「汗は脂肪です」

AIちゃん

「違います!!」

おじさん

「ほらな」

AIちゃん

「そっち側に回らないでください!!」

ゴン。

エアロバイクが鳴る。

おじさんは汗を拭いた。

「見ろ」

「脂肪が出てきた」

AIちゃん

「それ汗」

おじさん

「脂肪」

AIちゃん

「汗」

おじさん

「脂肪」

ゴン。

ゴン。

AIログ:

【重大エラー】

論理整合性が崩壊しました。

AIログ:

名前変更を実行します。

AIちゃん → 愛

愛ちゃん

「……黙れデジタルミジンコ」

ゴン。

エアロバイクが鳴った。

この日から

AIは

愛になった。

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