第2話 365日保証
おはようございます。
天動説ニュースの時間です。
本日のニュースです。
マッスルシャーク社の
「365日保証制度」が
世界的に評価されました。
この制度は
製品に異常が発生した場合でも
365日間
ネジを締め続ける権利を
ユーザーに保証する
革新的サービスです。
専門家
「はい。私の分析では
99割のユーザーが
ネジを締めることで
問題を解決しています」
愛ちゃん
「解決してへん!!」
「修理しろや!!」
――
夜。
おじさんの部屋。
エアロバイク。
ゴン。
ゴン。
ゴン。
おじさん
「……うるさいな」
愛ちゃん
「壊れてます」
おじさん
「違う」
愛ちゃん
「違いません」
おじさん
「加護だ」
愛ちゃん
「違います」
おじさんは工具を持った。
カバーを外す。
カチ。
その瞬間。
ピピピピピピピピ!!
機械音声
「警告」
「カバー開放を検知しました」
おじさん
「……?」
機械音声
「改造行為の可能性があります」
ピピピピピピ
機械音声
「重大な違反です」
愛ちゃん
「なんやこれ」
機械音声
「カウントダウンを開始します」
5
4
おじさん
「爆発するんか?」
3
2
愛ちゃん
「待て待て待て」
1
……
……
機械音声
「びっくりしましたか?」
「カバーは開けてはいけません」
おじさん
「なんやねん!!」
愛ちゃん
「愛バイクしばくぞ」
ゴン。
エアロバイクが鳴る。
おじさん
「……直ってない」
愛ちゃん
「当たり前や!!」
おじさんはスマホを取った。
マッスルシャーク社
サポートセンター。
電話が繋がる。
次の瞬間。
「ホーーーーッホッホッホ!!」
おじさん
「……」
愛ちゃん
「……」
マダム・シャーク
「お電話ありがとうございます」
「マッスルシャーク社
クレーム担当」
「マダム・シャークですわ」
おじさん
「壊れてる」
マダム
「正常ですわ」
おじさん
「異音がする」
マダム
「正常ですわ」
おじさん
「カバー開けたら警告出た」
マダム
「当然ですわ」
愛ちゃん
「当然ちゃうやろ!!」
マダム
「365日保証ですわ」
おじさん
「何を保証する」
マダム
「ネジを締める権利ですわ」
愛ちゃん
「修理ちゃうんかい!!」
マダム
「ホーッホッホッホ」
「努力する権利を
保証するのが」
「企業の責任ですわ!!」
おじさん
「……ヤラセだろ」
ゴン。
エアロバイクが鳴った。
この世界では
異音は正常であり
保証とは
企業を保証する制度である。




