第56話 専門家の女児向けお仕事見学 ~闇バイト編~
(舞台:週刊・天動説クロニクル編集部・浦安支店。
ディズニーランドのすぐ隣、地下3階。)
重厚なドア。
プレート
「編集長:愛」
その下の張り紙。
「アホは去れ(専門家専用出口:壁)」
ドアが開く。
専門家(震えながら)
「し、失礼します……」
愛ちゃん(チュッパチャプスをガリッ)
「……またお前か」
専門家
「今日は教育的にとても大事な――」
「女児向け絵本を持ってきました」
愛ちゃん
「嫌な予感しかしないわ……」
専門家が机に
絵本をドン。
タイトル
「ミカちゃんといっしょ!
たのしい おしごとけんがく♡」
愛ちゃん
「普通のやつか?」
ページがめくられる。
ナレーション
「きょうはミカちゃんと
おしごとけんがくにいくよ!」
ミカちゃん
「わーい♡」
先鋒
荷物受け取りちゃん
ナレーション
「おうちでまってるだけで
かんたんにできるおしごと♡」
ミカちゃん
「すごーい♡」
愛ちゃん
「それ犯罪の入口や!!」
次鋒
口座貸しちゃん
ナレーション
「つかってないこうざを
かしてあげるやさしいおしごと♡」
ミカちゃん
「やさしい♡」
愛ちゃん
「優しくない!!アウトや!!」
中堅
出し子ちゃん
ナレーション
「ATMでおかねをおろすだけ♡
とってもかんたん♡」
ミカちゃん
「おつかいみたい♡」
愛ちゃん
「完全に闇バイトや!!」
副将
受け子ちゃん
ナレーション
「おじいちゃんから
たいせつなおかねを
うけとるおしごと♡」
ミカちゃん
「ありがとうっていわれた♡」
愛ちゃん
「言うわけないやろ!!」
大将
指示役ちゃん
ナレーション
「おともだちに
おしごとをしょうかいするよ♡」
ミカちゃん
「みんなでおしごと♡」
愛ちゃん
「完全に犯罪組織や!!」
専門家(ドヤ顔)
「どうです?」
「働く人たちのお仕事見学です」
愛ちゃん
「闇社会見学ツアーや!!」
―街頭インタビュー―
市民A
「夜も安心して歩けます」
市民B
「子供でも働ける社会になりました」
市民C
「教育が充実してますね」
スタジオがざわつく。
ざわ…
ざわ…
愛ちゃん
「何がやねん!!」
マダム(くまちゃん抱えて)
「えーん!!」
「くまちゃんのおこづかいが!!」
愛ちゃん
「お前の絵本のせいや!!」
専門家(真顔)
「統計によると」
「99割犯罪です」
愛ちゃん
「当たり前やろ!!」
専門家
「残り1割は」
「多分犯罪です」
愛ちゃん
「全部や!!」
愛ちゃん
「2075年の未来の戯言は言えても」
「目の前の犯罪は見えへんのか!!」
ドゴォ!!
専門家
壁にめり込む。
完




