第35話 天動説クロニクル ~特別編・閑話休題
「編集長・愛ちゃんの浦安的日常 ~天使の戯言(終末)持ち込み編~」
(舞台:週刊・天動説クロニクル編集部・浦安支店。
ディズニーランドのすぐ隣、地下3階。
重厚なドアには「編集長:愛」のプレートと、剥がれかけの「アホは去れ」の張り紙。
室内は愛ちゃんが殴り飛ばした専門家のメガネと、バファリンの空き箱が散乱している。)
愛ちゃん(編集長、デスクでチュッパチャプスをバリボリと粉砕中)
「ふぅ……。今日も原稿の火力が法に触れるレベルやな。」
「マダムの新作、読者アンケート1位やけど……回収騒ぎどころかJアラート案件やぞ、これ。」
(コンコン。ノックと同時に、震えながら入ってくる専門家)
専門家
「し、失礼します……。私は現代バファリン解析研究所の者ですが……」
「今月号の付録、『女児向け2075年終末絵本』の装丁と内容に、人道的な矛盾がありまして……」
愛ちゃん(死んだ魚のような目で睨む)
「……あ? 専門家?」
「ウチの看板連載にケチつけに来たんか? そもそもな、女児アニメ向けに『人道的』とか求めてる時点で、お前の脳みそは茹ですぎて伸び切った素麺か何かか?」
専門家(机の上に“その本”を置く)
「見てください、この表紙! キラキラのピンクにリボン、マダムのサイン入り! なのに……」
【本の詳細:専門家の絶望チェック】
帯: 『全米が泣きながらイッキ読みしました!』(※恐怖で涙が止まらない意)
表紙: 満面の笑みのマダムと、血涙を流しているように見えるくまちゃん。
背表紙: 『本当の大災害は2075年にやってくるにゃん♡』という呪いの刻印。
裏表紙: 巨大な津波のイラストに添えられた一言。――『天使の戯言』。
専門家
「これですよ! 裏表紙の『天使の戯言』!! やってること神話級の虐殺予言じゃないですか! それに3ページ目!!」
「『バファリン99割! 残り1割もバファリン! 合計100割!』」
「算数が崩壊しています!! 100割ってことは10倍ですよ!? 質量保存の法則がバファリンの海に沈んでいます!!」
マダム(影からヌッ)
(豪華ドレス。片手にはボロボロの、どこか遠くを見ているくまちゃん)
「ホーッホッホッホー!! 細かい男は2075年まで生き残れないわよ!」
「100割バファリンなら、100回やさしくなれる! これ、女児の常識!」
「裏表紙も見て? 天使がちょっと戯言を言っただけで、世界はリセットされる……これ、究極のハピネス・ファンタジーよ!!」
専門家(叫び)
「理屈になってない!! そもそも『天使の戯言』で片付けられる規模じゃないでしょうが!!」
愛ちゃん(ゆっくり立ち上がり、拳をバキバキ鳴らす)
「おい。マダムの装丁にケチつける前に……」
「お前のその、**『1ミリもワクワクせん正論』を修正してこい言うとんねん。」
「専門家。お前に足りんのはデータやない。」
「……『高火力な地獄の可愛さ』**や!!」
愛ちゃん「ドゴォォォォォ!!」
(編集長デスクごと専門家を粉砕するストレート)
専門家
「ぎゃあああ!! 天使の……鉄槌……!!」
(壁に埋まり、そのまま絵本の一部のようなポーズで固まる)
愛ちゃん(息を整えながら)
「はい没収!! 専門家の意識没収!!」
「これで2075年の心配もしなくて済むやろ!!」
「そもそもな! 津波が来る前に、今ここで編集長に物理で消される大災害が起きとることに気づけやアホ!!」
マダム(優雅に拍手)
「いいわ愛ちゃん! 編集長としての『やさしさ』が溢れ出ているわ!」
「さあ、この専門家の悲鳴を『天使のコーラス』に差し替えて、増刷よ!!」
ヤラセだろマン(ドアの隙間から)
「……壁のひび割れ、CGのヤラセだろ。」
カメラマン(シャッターを切る手が止まらない)
「神画!! これこそ浦安の女児が夢見る『終末』だ!!」
「マダムが見てるんだ!! 2075年まで回し続けろ!!」
愛ちゃん(粉砕されたデスクを蹴り飛ばす)
「なんも解決しとらんやろがい!!」
「女児向けで終わらすな!! 国家転覆するわ!!」
「アホすぎ!!」
(画面ザザザザ……)
♪ アルプスののどかな暮らし映像
ヤギが不安げにモグモグ。耳には「バファリン」と書かれたリボン。
ナレーション(やたら可愛い声)
「きゃーっ! 専門家四天王の一人が、本のカドでボコられちゃったにゃん♡」
「でも大丈夫! 残りの専門家たちが、もっと『正論』という名の鈍器を持って持ち込みに来る予定だにゃん☆」
「次は、量子力学の専門家がマダムの『やさしさ』を解析しに来るかも……?」
「果たして、愛ちゃんの拳はもつのかにゃん!?」
愛ちゃん
「知らんがな!!!!」
「なんで専門家のシフト制みたいな悩み聞かなあかんねん!!」
「意味不明やろがい!!!!」
閑話休題・完




