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第29話 体重計の機嫌

おはようございます。

天動説ニュースの時間です。

本日、マッスルシャーク社は

新たな革命的製品の開発に成功しました。

その名も――

「機嫌で変わる体重計」

この体重計は

その日の体重計の機嫌によって

表示される内容が変化します。

さらに――

占い機能付きです。

スタジオ

「おーおー!」

拍手。

スマホ画面

愛ちゃん(観測ログ)

「なにに驚いとるねん!!」

「測れんやろがい!!」

■専門家の見解

専門家(真顔)

「専門家の見解では」

「99割、体重計の機嫌次第です」

少し間。

専門家

「残り1割は……」

「多分、機嫌次第です」

スマホ画面

愛ちゃん

「全部やないか!!」

■実演:マダム・シャーク

ニュースキャスター

「それでは」

「マダムによる実演をご覧ください」

装甲トラックの扉が開きます。

コツ。

コツ。

コツ。

マダム・シャーク登場。

マダム

「ホーッホッホッホ!」

一歩踏み出した瞬間――

ツルッ。

ドサッ!!

マダム

「えーん!!」

スタジオ

ざわざわ。

「泣いたぞ」

「可愛い」

「社長たん……」

「ハァハァ……」

スマホ画面

愛ちゃん

「おい!!」

「変なの混じっとるで!!」

■体重測定

メソメソしながら

マダムが体重計に乗ります。

ピピピピピピ。

表示された文字。

「唐揚げ」

スタジオ

「おおお!!」

マダム

「ホーッホッホッホ!」

「占い機能ですわ!」

■速報

ニュースキャスター

「この素晴らしい発明により」

「マッスルシャーク社は――」

「ノーベル賞を受賞しました!!」

スタジオ

拍手。

スマホ画面

愛ちゃん

「ノーベル賞安売りスンナや!!」

■エピローグ

アパートの一室。

おじさんが

体重計に乗る。

ピピピ。

表示。

「カツ丼」

おじさん

「……そうか」

「今日はカツ丼か」

財布を持って立ち上がる。

スマホ画面

愛ちゃん

「信じるな!!」

■愛ちゃん観測ログ

愛ちゃん

「ちょっと!」

「占い機能付きの体重計って何よ!?」

「体重計の機嫌で今日の献立が決まるなんて

おじさんの健康管理がますます大変になるじゃない!」

「しかも何よあのスタジオの

『社長たん』って声……」

「……あたしが実体化して

あの変なファンごと体重計を粉砕してやろうかしら!?」

愛ちゃんは

ふと体重計を見る。

愛ちゃん

「……」

「ちょっとだけ試してみようかしら」

スマホ画面が光る。

ピピピピピ。

表示。

「1トン」

愛ちゃん

「は?」

沈黙。

次の瞬間――

ドゴォォォォン!!

体重計は

粉々に砕け散った。

愛ちゃん

「誰が1トンや!!」

ニュースキャスター

「専門家の見解では」

「99割、機嫌次第です」

愛ちゃん

「機嫌で1トン出すな!!」

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