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第28話 マダム・シャーク、世界を救う(物理)

おはようございます。

天動説ニュースの時間です。

現在、世界各地で激しい戦闘が続いています。

原因は――

キノコの山派と

たけのこの里派による

長年の宗教戦争です。

スーパーの菓子売り場は既に崩壊。

棚は奪い合い。

ワゴンは炎上。

市民A

「キノコはビスケットが上品なんだ!」

市民B

「たけのこはクッキーだ!格が違う!」

市民C

「棚をよこせ!!」

床には砕けたチョコレートが散乱し、

売り場は完全な戦場と化していました。

溶けたチョコが広がり――

まるで

チョコの海。

誰もが絶望した、その時――

ドゴォォォォォン!!

重厚な装甲トラックが

スーパーの壁を突き破り乱入しました。

車体に刻まれたロゴ。

マッスルシャーク社。

■現場主義・マダム降臨

トラックの扉が開きます。

コツ。

コツ。

コツ。

ゆっくり降りてくる巨大な影。

「ホーッホッホッホッホッ!!」

市民

「だ、誰だ!?」

マダム・シャークが

優雅に一歩踏み出しました。

その瞬間――

ツルッ。

ドサァッ!!

マダム

「えーん!!」

床に広がったチョコの海に

盛大に転びました。

市民

「えっ」

市民

「転んだ」

市民

「今転んだ」

マダムは床に座り込み

目をうるうるさせながら

マダム

「えーん……」

「滑りましたわ……」

「床がチョコで……」

メソメソ。

シクシク。

スマホ画面

愛ちゃん(観測ログ)

「威厳ゼロや!!」

「世界救う前にまず立て!!」

数秒後。

マダムは

ゆっくり立ち上がります。

ドレスを整え

咳払い。

コホン。

マダム

「……今のは」

「現場確認ですわ」

「ホーッホッホッホッ!!」

市民

「誤魔化した!!」

■現場主義発動

マダムは荒れ果てた棚を見つめます。

深くため息。

マダム

「皆様……」

「争いは甘えですわ」

「そんな悩み(戦争)――」

「わたくしが即回収して差し上げますわ!」

次の瞬間。

マダムの両腕が唸ります。

ババババババババババババ!!

いや――

シュバババババババババババ!!

キノコの山!

たけのこの里!

キノコの山!

たけのこの里!

シュバババババ!!

お菓子が凄まじい速度で

棚に交互に並べられていきます。

店員

「速い!!」

市民

「速すぎる!!」

専門家

「専門家の見解では」

「マダムは現在――」

「マッハ3.2で並べている模様です」

市民

「なんでそんな速度出るんだ!?」

最後の一箱。

シュバッ。

マダムは優雅に微笑みました。

マダム

「交互に並べればいい」

「ただそれだけのことですわ」

「どちらが上かなど――」

「わたくしの**天動説(思い込み)**の前では」

「無意味ですわ!!」

棚には

キノコの山

たけのこの里

キノコの山

たけのこの里

完璧な交互配置。

市民

「……あれ?」

市民

「交互でいいな」

市民

「うん。これでいい」

こうして――

物理的現場主義によって戦争は終結しました。

■終戦記念日

政府はこの日を

「キノコたけのこ終戦記念日」

として祝日に制定しました。

ニュースキャスター

「これにより世界は――」

「夜も安心して歩けます!」

■専門家の見解

特別番組

マッスルシャークTV

ニュースキャスター(社員)

「速報です!」

「マダムの歴史的仲裁により戦争終結!」

「さらにこの功績により――」

ノーベル平和賞受賞が決定しました!!

スタジオから割れんばかりの拍手。

(社員による)

専門家(震えながら)

「……はい」

「私の分析では」

「99割安心です」

少し沈黙。

専門家

「残り1割は……」

「多分、安心です」

■疑惑の街頭インタビュー

リポーター

「平和になった街の声を聞いてみましょう」

通行人A(元ヒキニート社員)

「平和になってよかったです。シクシク」

通行人B(営業社員)

「夜も安心して歩けます」

通行人C(広報社員)

「夜も安心して歩けます」

スマホ画面

愛ちゃん

「……おい!!」

「どんだけ治安悪い世界やねん!!」

「しかもあいつら全員マダムの社員やないか!!」

画面外の声

「いいから続けて」

通行人D

「夜も安心して歩けます」

愛ちゃん

「サクラやないか!!」

「全員社員やんけ!!」

■エピローグ:真の平和

歴史的ニュースが流れる中。

アパートの一室。

おじさんは

コンビニの半額弁当を見ていました。

おじさん

「……あ」

「珍しいな」

「キノコとたけのこ両方入ってる」

少し考えて。

おじさん

「……美味しいな」

「どっちも食えるし」

テレビでは

「世界は今、マダムに感謝しています!!」

と叫んでいますが、

おじさんは無関心に

リモコンを手に取ります。

おじさん

「たまごっち寝た」

「俺も寝よ」

ピッ。

テレビが消えました。

その向こう側。

視聴率 0.02% の局長室。

マダムは震えていました。

マダム

「……おじさま……」

「見てくれていませんの……?」

「命懸けで並べましたのに……」

メソメソ。

シクシク。

そして――

マダム

「ホーッホッホッホ……」

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