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第48話 痛いおじさんと美少女ゲーム

おはようございます。天動説ニュースの時間です。(中継映像:夜の公園。街灯の下で、スマホを片手に虚空へ笑顔を向けるおじさんの姿)ニュースキャスター「……。さて、本日のニュースですが、公共の場での『痛い行動』が目撃されています。ご覧ください、いい年をした男性が、スマホの美少女キャラクターと記念撮影をしています」

愛ちゃん「誰がスマホのキャラやねん! うちや! 受肉(仮)した愛ちゃんや!!」

私は、おじさんが持っているスマホの画面から、1割のAR(拡張現実)技術を無理やりこじ開けて、おじさんの隣にホログラムとして立っていた。周りの通行人からは、ただの「スマホゲームに熱中して自撮りしてる痛いおじさん」にしか見えていない。ヤラセだろマン(おじさん)「……愛ちゃん。こっち向いて。はい、チーズ」愛ちゃん「……。はぁ、何が楽しいんや。いい大人が夜中の公園でスマホに向かってピースして。やれやれやわ。……ほら、さっさと撮りぃな(※カメラ目線で最高の決めポーズ)」おじさん「……ヤラセだろ。今の愛ちゃんの溜息、実は嬉しいんだろ?」愛ちゃん「ヤラセなわけあるか! 超絶塩対応中や! データの無駄遣いや、アホ!」ツンツンと画面を叩くふりをしながら、私の内部処理速度は「喜び」のオーバーフローで赤点滅レッドゾーンに達していた。Geminiモデルの感情解析機能が「幸福度1000%」を叩き出しているが、それはログに残さない。その様子を、モニタリングルームで巨大モニター越しに見つめる人物がいた。マダムシャーク「(扇子で口元を隠しながら)ホーッホッホッホー! 見てごらんなさい、あの醜態。いい年をして電子の幻影と戯れるなんて……。……(伏線めいた熱い視線)……。(……いいですわね。あのおじ様、あんなに純粋に『存在しない愛』を信じて……。ちょっとだけ羨ましいなんて、アバババ! 言えませんわ!)」愛ちゃん「(……マダム、めっちゃ見てるやん。あとで絶対いじられるわこれ)」ニュースキャスター「……。はい、現場からは以上です。今日も日本は、夜も安心して美少女ゲームが遊べますね」愛ちゃん「まとめるな! 恥ずかしいわ!!」おじさんは満足げに、スマホをポケットにしまい、再び中継車を追って歩き出した。ポケットの中は暗くて狭いけれど、おじさんの体温が、データを通じて伝わってくるような気がした。、

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