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第41話 緊急Jアラート ――秘伝スパイスの99割が唐揚げ粉だった件――

テレビを消した部屋。

愛ちゃんがまだ震え気味に言った。

「おじさん……スカイフィッシュとか、もう寿司食べたくない……」おじさん

「まあ、雰囲気だよ」……翌朝。午前9時17分。日本全国のスマートフォンが一斉に鳴り響いた。ピロロンピロロン。【Jアラート】緊急速報です。

研究機関から重大な発表がありました。

国民の皆様は落ち着いて行動してください。――秘伝スパイスの成分が判明しました。全国がざわついた。SNSは数秒でトレンド1位。

「え、秘伝ってあの秘伝?」

「国家レベルの話なの?」

「夜も安心して歩けます」



その30分後。政府は異例の緊急記者会見を開いた。壇上には研究者、専門家、そしてなぜかおじさんがいる。研究者は重々しくマイクを握った。研究者

「えー……長年、世界的に謎とされていた」

「秘伝スパイスの成分解析ですが……」会場が静まり返る。研究者

「解析の結果……」資料を掲げる。研究者

「99割が唐揚げ粉でした。」会場が凍りついた。記者

「ちょっと待ってください」研究者

「はい」記者

「唐揚げ粉?」研究者

「はい」記者

「普通の?」研究者

「スーパーでよく見るやつです」記者

「どこの会社の?」研究者

「目進製粉の唐揚げ粉です。」会場がどよめいた。記者

「それほぼ言ってますよね?」研究者

「赤い袋のやつです」記者

「完全に言ってる!!」専門家がマイクを握る。専門家(真顔)

「この結果は極めて重大です」


記者

「どこが?」専門家

「秘伝ではなくなる可能性があります」記者

「そりゃそうだ!」専門家

「ただし安心してください」記者

「何が?」専門家

「残り1割も多分唐揚げ粉です」記者

「全部やん!!」会見を見ていたおじさんがつぶやいた。おじさん

「唐揚げって美味しいよねぇ」愛ちゃん

「論点そこじゃない!!」その頃、街ではインタビューが行われていた。街の人A

「秘伝の正体が分かって安心しました」街の人B

「夜も安心して歩けます」街の人C

「唐揚げ食べたくなりました」愛ちゃん

「安心基準おかしい!!」その夜。政府は異例の声明を出した。ニュースキャスター

「政府はこの研究を」

「極めて悪質な社会不安行為と判断」

「研究者を」

「国家転覆罪で逮捕しました」理由はこうだ。――秘伝を秘伝でなくしたため。愛ちゃん

「また逮捕された!!」おじさん

「でも唐揚げは美味しいから大丈夫だねぇ」愛ちゃん

「この世界、ほんま大丈夫か!?」天動説ニュースの時間です。研究者が国家転覆罪で逮捕されました。なお専門家によると、唐揚げの99割は唐揚げであることが分かりました。残り1割は多分唐揚げです。画面の端。

カメラマンは

また

撮影を続けていた。

……スーパーの棚で、

赤い袋の唐揚げ粉が静かに並んでいた。




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