第7話 竜と境界の真実
俺は、
これからどうしたらいいのか、
天井を見つめながら考えていた。
するとドアの前に人の気配を感じた。
ガチャッ……
ナツと目が合った。
「……ユウ!!」
「みんな!!、ユウが!!」
バタバタバタバタ…
「起きたか!!」
「よかった〜」
「ほんま心配させやがって!」
一気に声が重なる。
視界がはっきりすると、
ベッドの周りに集まる、見慣れた顔。
ナツ、マサキ、アキラ、ミツル、サイ、ジュン。
……全員、無事だ。
「……騒がしいな」
「誰のせいだと思ってんだよ!」
ナツが涙目で叫ぶ。
「なんの説明もしねぇで……、
こっちの身にもなれよ…」
「……あー……」
俺は視線を逸らした。
「…ふぅ……、ありがとうなみんな、
ついてきてくれて、
いろいろ説明させてくれ」
空気が、少し引き締まる。
俺はゆっくりと上体を起こし、
一度だけ深く息を吸った。
「えーっとまずは……、異世界の俺、
暁闇との出会いからか…」
「暁闇と出会ったのは……10歳の時」
全員が、黙る。
「たまたま2つの世界の境界が弱まった時に、
闇竜の暁闇がこっちの世界にやってきた」
「は?」
「どういう意味?」
「俺は暁闇と一緒に精神世界で、修行してた、
20年間毎日な」
「いやいやいや待て」
ミツルが静止して額を押さえる。
「忘れてたよ……、
お前が絶望的に口下手ってこと……」
「わりぃ…」
「こっちから質問するわ…、
まず…、暁闇?は、どこにいるんだ?」
「俺の中…」
「……、お前があの力を使えたのは、
精神世界で暁闇と竜の力?の制御する修行をしていたと…?」
「そう…」
俺は肩をすくめた。
「はぁ…、じゃあ精神世界は?、
時間の進み方とかさ」
…なんか説明がめんどうになってきた。
「うーん…、体感向こうで3〜4時間修行して帰って来たら30分くらい進んでたかなぁ」
「はいはい、6分の1くらいね、
魔法とかは?」
「あー、あるよ?、
回復魔法とか?」
「使えよ!!」
ナツが即ツッコむ。
「使えない」
「は?」
「センスが、壊滅的」
一瞬の沈黙。
俺に呆れつつもミツルは質問を続ける。
「……スキルとかは?、
超回復とかないの?」
「発動はできる。
効果が……クソ」
サイが冷たく言う。
「無能?」
「うるせぇ」
「一日寝て、古傷が残る程度だ。
だから基本、寝るしかない」
「戦闘向きじゃなさすぎやろ……」
アキラが呆然と呟く。
「つぎの質問は?」
「聞きたいことは山程あるけど、
疲れてきた……」
「やだねぇ〜、口下手って〜」
「「「「「「お前が言うな!!」」」」」」
一瞬の沈黙。
《…お前ら聞こえるか?》
「「「「「「!!」」」」」」
ナツが頭を抱えながら呟く。
「頭に声が…」
《俺が異世界のユウ、闇竜の暁闇だ》
《俺も説明は苦手だが引き継ごう》
空気が変わった。
《現実世界と異世界は、“境界”で分かれている》
《その境界が、崩壊した》
「……原因は?」
《不明だ、だが自然ではない》
全員の背筋が、凍る。
《崩壊によって異世界の自我を持たない魔物が、
人間を媒介にし、こちらへ現れている》
アキラが疑問を投げかける。
「自我を持つ魔物は少ないんか?」
《いや、結構いるぞ?、
獣種でもいるくらいだからな》
考え込んでいたミツルが口を開く。
「力に代償はあるか?」
《竜化には代償がある》
《魔力の大量消費》
《枯渇すれば、死に至る》
《さらに……》
《精神が混ざる可能性がある》
全員が、息を呑む。
「属性についても聞かせてくれ…」
《属性は、世界に7つ、火、水、風、土、雷、
それと希少2属性の光と闇》
《ちなみに竜種は、各属性に一体のみ》
「……ちょっと待ってくれ……」
ミツルが話を止めた。
「俺めっちゃ嫌な予感してるんだけど…」
《おっ、さすがに察しが良いな、
ユウも気づいてないのにな》
「は?、なにが?」
《こいつら全員の相方、竜種だぞ?》
…………。
沈黙。
理解。
そして。
「はぁぁぁぁぁぁ!?」
「聞いてねぇ!!」
「なんでそんな重要情報を、
先に言わねぇんだ!?」
「無理無理無理無理!!」
阿鼻叫喚。
俺はベッドに倒れ込みながら、呟いた。
「…………、まあいっか、寝よ」
暁闇が、どこか楽しそうに言った。
《歓迎しよう》
《次は、お前たちの番だ》
悲鳴が、浮遊城に響いた。




